高校公民Blog

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田中康夫の敗北 1 県議会とうまくやれという要求

2006-08-08 08:47:52 | 政治時事

◆長野知事選確定得票◆
当 612,725 村井  仁 無新
  534,229 田中 康夫 無現
(2006年8月7日1時49分  読売新聞)

 田中康夫が三選を目指して闘った長野県知事選で敗北した。53.4万票と61.3万票というこの差をどう考えるか。投票率は65・98%(前回73・78%)だった。私は長野県政をとくに関心をもってみてきてはいない。田中康夫が何をこの6年間で行ってきたか、詳細はしたがってわからない。ただね、こうはいえないか。こと、この三回の選挙に限っていえば、県民は田中康夫を選挙したのではないか、と。この民族ははじめて選挙というものをしたんだよ。その前の知事選はどうだっただろうか?県の役人あがりが延々と知事の座を占め、県議会と談合し、赤字の山を築いてきた。赤字の山はともかく、選挙は、選挙でなく、殿様の世襲にほぼ近かったわけでしょ。てめえら「百」は口出すな!だよね。静岡県はいまだ、この形式だね。投票率44.49%ですよ!前回の平成17年度の選挙は。これって、この半分の票をとればいいわけでしょ?約22.3%だね。つまり、全県民の4分の1にも達しないってことでしょ。これって江戸時代の百姓をのぞくってかんじの数値なのだ(武士は調査によると5%程度だったようだ)。前回の長野知事選の投票率は74%弱だ。ようやく40%に近い人が賛成しなければ知事になれないという(過半数が本来民主主義の基本でしょ!)、民主主義に近づいたとはいえないか。
さて、そう考えれば、県議のお侍さん、それも世襲的なお侍さん、観念的なちょんまげと腰の重しをぶらさげたお侍さんと田中がうまくやれるわけがないじゃないか!それだったら、明治維新はなんだったんだぁ(笑)!


田中はくりかえし、ウルトラ無党派っていっていたでしょ?それはね、どこのだれとも知れない関係のなかで、田中が知事としてなしたこと、知事としてなしたいこと、それだけを問うという形にこだわったってことなんだよ。それはね、大都市の買い物なんだ。知り合いでもない、親族でもない、ただただ商品だけを見る関係。それは、町内会の買い物ではないのだ。そこがベースなのだ。関係としての市民、そことの関係を田中は必死で構築しようとしていたのだ。
 なぜ、はっきりいわないのだ。

「あのガラス張りの知事室(あそこで水戸黄門でよくでる悪徳商人とお代官様の例の談合はできねえべ)がいけないのだ。」
「(マスコミ侍が絶対報道しない特権)記者クラブという談合を解体したのがいけねえのだ」

と。そういうお侍さんどもと闘うということはね、同時に百姓どもと闘う、百姓を性根とする形式と闘うってことなのだ。
「めんどうを見てください」
「お上のお慈悲で」
ころんでも一人で受け身もできねえという寄らば大樹、奴隷根性、こうしたものが問われたということなのだ。田中は自力で、自立するのだ、というメッセージを送ったのだ。県議会とうまくやれなかったなどという人間たちは、じゃあ、なんで田中を選んでこのお侍さんを選び続けたのだ、ということになるのだ。県の役人がほっとしていた?そんなの当たり前だ。
 田中は今回敗れた。それは、市民という関係に失敗したのだ。その失敗の意味を私たちは検証しなければいけない。それは、そう容易なことではない。それは、市民という関係に訴え損なったのか?それとも、長野県民が根っからの百姓なのか?そういう意味でこの選挙結果の数字は微妙だし、また、当選した元抵抗勢力の69のじいさんがどのような行動をし、その後の選挙がどのような展開になるのか、にかかってる。イエスじゃないが、死後ヤッシーが復活するのか、それともたんに百姓国家にもどるのか。わからない。こういうわからなさを提起した田中を見なければいけない。田中康夫はそういう意味でも時代の扉を一つ向こうへと開けはなったのだ。
田中ファンのひとりとしては、ホントはね、
「いいよ、いいよ、康夫ちゃん、こんな百姓なんか相手しなくて、東京へお戻りよ」といいたい気分だね。


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