原発「規制は形骸化」
安全委最終会合 班目委員長が発言
原子力規制委員会が19日に発足することに伴い、廃止される内閣府原子力安全委員会の最後の会合が18日に開かれました。東京電力福島第1原発事故を未然に防止できなかったことは「真摯(しんし)に反省しなければならない」などとする活動の総括と原子力規制委員会への要望をとりまとめました。
記者会見した班目春樹委員長は「原子力の規制のあり方があまりにも形骸化していた。申請書の誤字脱字を(電力会社に)指摘しても、安全につながらない」と述べました。
他の4人の委員も所感を述べ、代谷誠治委員は「原子力そのものに潜在的な危険性がある。規制委員会ができるが、(電力会社に)安全だと言わせるのでなく、安全を向上させることが必要」と発言。小山田修委員は、これまでの原発の審査について、「圧力容器の強度など費やされた時間は膨大だが、事故発生やさらなる悪化(防止)にどのように役立ったのか、検証する必要がある」と指摘しました。
久木田豊委員長代理は、安全対策の提案が経済産業省原子力安全・保安院の了解を得て行われていたなどとして、「原子力安全規制の実行を妨げていた」と釈明。久住静代委員は、原子力防災体制について、今後は発電所ごとに検討を深めてほしいと、規制委員会に要望しました。
解説
「安全」の実態吐露も無責任
原子力安全委員会の委員が最後の会合を機に述べた発言は、これまで本紙が再三指摘してきた安全規制の実態を正直に吐露したものとはいえ、あまりにも当事者意識を欠いた無責任なものといわざるを得ません。
原子力安全委員会の委員は、国会の同意を経て任命されました。国民の負託を受けて、その任に当たっていたのです。「形骸化していた」というなら、それを正す責任があったはずです。国民は、「安全対策の提案が、保安院の了解を得て行われていた」などという泣き言を聞きたかったわけではありません。
このような安全委員会がお墨付きを与えた現在の原発が「安全」である保証はありません。国会の同意を得ること自体を無視して発足する規制委員会もまたしかりです。大多数の国民の反対を押し切って再稼働を強行した大飯原発3、4号機をただちに停止させることはもちろん、全ての原発の再稼働策動をやめ、原発ゼロへ踏み出すことが求められています。(間宮利夫)
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