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かえるネット木津川南

大阪市南西部で活動する日本共産党の青年後援会のブログです。

第6回アジア政党国際会議での志位委員長の発言

2010-12-03 12:36:27 | 日本共産党政策・提言等

アジアと世界の平和と繁栄をめざして

――第6回アジア政党国際会議での発言

日本共産党幹部会委員長 志位 和夫


 カンボジアの首都プノンペンで開催中のアジア政党国際会議(ICAPP)第6回総会で、日本共産党の志位和夫委員長が2日に行った発言(全文)は次の通りです。


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(写真)ICAPP総会で発言する志位委員長=2日、プノンペン(面川誠撮影)

アジアの諸政党の包括的会議>――これまでの5回の総会の到達点を踏まえ前進を

 尊敬する議長、親愛な友人のみなさん。

 私は、日本共産党を代表して、第6回アジア政党国際会議総会の開催を歓迎し、アジア全域から与野党を問わず参加されたすべての友人のみなさんに、心からの祝福と連帯の気持ちを表明します。

 「より良き未来へのアジアの探求」を主題とする今回の総会が、ここカンボジアの首都プノンペンで開かれていることへの特別の感慨を、いま、私たちは共有しています。ポル・ポト派の行った言語に絶する恐怖支配と大量虐殺に抗して立ち上がり、幾多の困難を乗り越えて、独立と平和、自由と繁栄の国づくりの努力を続けているカンボジア政府と国民に連帯のあいさつを送ります。

 私は、プノンペンでの総会が、これまでの5回の総会の到達点を踏まえ、さらに前進の一ページを刻むことを願いつつ、「アジアと世界の平和と繁栄をめざして」というテーマで、発言いたします。

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(写真)潘国連事務総長のビデオメッセージが上映されたICAPP開会総会

東南アジアにおこった平和の流れを、北東アジアに押し広げるために

 友人のみなさん。

 マニラでの創立総会からちょうど10年目の今年、アジア政党国際会議の開催地は、再び東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟国となりました。私は、この10年間に、ASEANが平和の地域共同体として発展し、その活動がアジアと世界の平和に巨大な貢献となっていることに、大きな注目を寄せています。

 とりわけ、ASEAN諸国が、国連憲章と「バンドン宣言」を土台に、紛争の平和解決、武力行使の禁止などをうたって1976年に結んだ東南アジア友好協力条約(TAC)が、58カ国の加入国、世界人口の約7割を擁し、多くのアジア諸国、欧州諸国、オセアニア諸国、北米諸国を含め、世界を覆う一大潮流として発展しつつあることは、極めて重要です。

 外部に仮想敵を持つ軍事同盟に代わって、外部に開かれた平和の地域共同体が、世界各地で発展しています。それは、東南アジア、中央アジア、アフリカ、ラテンアメリカ・カリブ海に広がり、地球的規模での平和のネットワークをつくり出しつつあります。私は、こうした方向にこそ、アジアと世界の諸国民の平和、友好、進歩、繁栄を保障する大道があることを、強調したいと思います。

 この点で、北東アジアは、多くの解決すべき課題がある地域となっているといわねばなりません。国連憲章に違反する軍事的挑発行為は、もとより厳しく退けられなければなりません。同時に、紛争の外交的、平和的解決のために、6カ国の緊急会合を持つことが大切です。さらに困難はあっても6カ国協議の再開をめざし、この枠組みのなかで北朝鮮の核問題の解決のための努力をはかることが求められています。私は、6カ国協議という枠組みが、当面する諸懸案を解決し、この地域の平和と安定のための共同の機構に発展することを、心から願うものです。

 領土にかかわる紛争問題は、歴史的事実と国際法にのっとり、平和的・外交的に解決されるべきです。また、この問題での政治的立場の違いを、経済的・文化的交流の妨げにしてはなりません。

 日本政府は、憲法9条を持つ国の政府として、アメリカ一辺倒から抜け出してアジア諸国との平和の関係を築く自主的な外交戦略を確立し、軍事偏重でなく平和外交による問題解決に徹する姿勢を堅持し、北東アジアの平和と安定を築くうえで積極的な役割を果たすべきです。また、日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配への真剣な反省を土台にしてこそ、紛争問題を公正に解決する確かな道を開き、アジア諸国との本当に心が通う友好の関係を築くことができることを、強調しなければなりません。

 日本共産党は、こうした立場にたち、東南アジアで起こっている平和の流れを、北東アジアにも押し広げるために、力を尽くす決意です。

貧困と気候変動――先進国が歴史的責任を自覚し、解決の先頭に

 友人のみなさん。

 「プノンペン宣言」草案は、貧困と気候変動を「今日人類が直面する最も重大な脅威」と位置づけ、その打開のための取り組みを訴えています。

 私は、この二つの人類的課題の解決にとって何よりも重要なことは、先進国が、それぞれの問題に対して負っている歴史的責任を自覚し、解決の先頭に立つことにあると考えています。

 貧困問題では、先進国から途上国への援助が必要になりますが、そのさい途上国の経済主権を尊重し、経済発展にはそれぞれの国ごとに多様なアプローチがあることを尊重する姿勢を貫くことが大切です。援助と被援助の関係に、かつてあったような支配と服従の関係を持ち込んではなりません。また、新自由主義の経済モデルの押し付けが大きな失敗をもたらした歴史的教訓を忘れてはなりません。政府開発援助(ODA)も、途上国の自主的、自発的発展に資する形で取り組み、基本的生活分野や社会セクターへの支援を中心に「ひも付きでない」援助を行い、後発途上国への比重を高めることが必要です。私たちは、日本政府が、こうした基本的立場にたって、世界とアジアの貧困問題の解決に取り組むことを、促していくものです。

 気候変動問題では、地球温暖化に歴史的責任を負っている先進国が、国連気候変動枠組み条約に定められた「共通だが差異ある責任」の原則にたって、(1)率先して野心的な中長期の法的拘束力のある削減目標を掲げ、他の国はどうあれ、それを自らの責任として実行する(2)途上国に対して、先進国と同じ道をたどらなくても経済成長は可能であることを示し、それにふさわしい技術・資金援助を行う――という「二重の責任」を果たすことが、まず強調されなければなりません。

 その上で、人類共通の課題であるだけに、途上国の側にもふさわしい努力が求められます。その際、先進国並みの発展水準を達成する途上国の「発展権」を保障することは当然必要です。途上国が、温暖化ガスを大量排出しながら経済発展をとげてきた先進国とは違う、削減しながらの発展の道を開くことができるよう、先進国による途上国への支援の強化が必要不可欠です。こうした先進国の努力を前提として、途上国としても国際的な拘束力のある枠組みに積極的に加わることが期待されます。

 こうした立場にたって、2013年以降の地球温暖化対策の新たな国際協定成立に向けた真剣な努力が行われなければなりません。

 日本は地球温暖化防止のための「京都議定書」と、10月に行われた生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で採択された「名古屋議定書」という、地球環境を守る二つの主要条約の議長国となりました。日本共産党は、日本がそれにふさわしい役割を果たしていくよう努力を強める決意です。

いまこそ核兵器禁止条約の締結をめざす国際交渉の開始を

 友人のみなさん。

 私は、人類が直面するもう一つの「重大な脅威」にかかわって発言したいと思います。それは、「核兵器のない世界」をめざす取り組みです。

 昨年9月のアジア政党国際会議総会は「アスタナ宣言」で、「あらゆる地域で核兵器のない世界を目標とすべきだ」と世界に呼びかけました。その後1年間、核兵器のない世界をめざす国際的な努力は大きく発展しています。

 とりわけ、今年5月にニューヨーク国連本部で行われた核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議で全会一致で採択された「最終文書」は、(1)「すべての国が核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを確立するための特別な取り組み」が必要だと明記するとともに、(2)核兵器禁止条約の交渉の検討を提案している「潘基文(パンギムン)国連事務総長(5項目)提案に注目する」と明記しました。これらは、「核兵器のない世界」に向けて、重要な一歩前進です。

 今年8月6日、潘基文氏は、国連事務総長として初めて広島の平和記念式典に参加し、「私たちはともに、グラウンド・ゼロ(爆心地)からグローバル・ゼロ(大量破壊兵器のない世界)を目指す旅を続けています。それ以外に、世界をより安全にするための分別ある道はありません。なぜなら、核兵器が存在する限り、私たちは核の影におびえながら暮らすことになるからです」と呼びかけました。

 私たちがアスタナで呼びかけた「核兵器のない世界」の追求は、いまや核保有国も含めた世界の圧倒的世論となっています。人類に対する核の脅威をなくす最も確実な道は核兵器をすべてなくすことだという真理が世界に広がっています。核兵器禁止条約の締結をめざす国際交渉が、国際政治の現実課題となりつつあります。

 以上を踏まえて、私は、「プノンペン宣言」(案)に、「われわれは、とりわけ、2010年NPT再検討会議の最終文書で述べられている『すべての国が核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを確立するための特別な取り組みが必要である』との国際的合意、および核兵器禁止条約の交渉を含む国連事務総長の5項目提案を支持する」と明記されていることを、心から歓迎するものです。

 この「宣言」(案)が採択されるならば、「核兵器のない世界」をめざす国際社会の努力と各国諸国民の運動への大きな励ましとなると、私は確信します。核兵器禁止条約の締結にむけた国際交渉の開始を、このプノンペンの地から世界に呼びかけようではありませんか。

 世界とアジア各地で広がる非核地帯条約は、「核兵器のない世界」を実現する上でも、大きな意義を持つものです。私は、「プノンペン宣言」において、東南アジア非核地帯条約、中央アジア非核地帯条約、モンゴル非核地帯宣言を高く評価するとともに、中東非核地帯化のための国際会議の開催を支持する共通の意思を表明することを提案するものです。

 私は、唯一の被爆国・日本で、戦後一貫して核兵器廃絶のためにたたかいつづけてきた政党を代表して、「核兵器のない世界」への扉を開くために、知恵と力をつくすことを誓って、発言を終わります。

 ご清聴、ありがとうございました。

日本共産党HPより

歴代自民党政権の日ロ領土交渉方針の根本的再検討を

2010-11-15 08:18:44 | 日本共産党政策・提言等

歴代自民党政権の日ロ領土交渉方針の根本的再検討を

2010年11月9日 日本共産党委員長 志位 和夫


 日本共産党の志位和夫委員長が9日、菅直人首相あてに申し入れた「歴代自民党政権の日ロ領土交渉方針の根本的再検討を」の全文は次の通りです。


(1)

 ロシア連邦のメドベージェフ大統領は、1日、ソ連時代を含め同国最高指導者としては初めて千島列島の国後(くなしり)島を訪問した。同大統領は歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)を訪問するとの情報も伝えられている。この間ロシア側は、日本が連合国への降伏文書に署名した9月2日を「第2次大戦終結の日」(事実上の対日戦勝記念日)に制定し、千島は「第2次世界大戦の結果、ロシア連邦の領土になった」とし、その変更は許さないとの姿勢を示してきた。これらの一連の行動は、日本の歴史的領土である千島列島と歯舞、色丹の不当な領有を将来にわたって固定化しようとするものであって、絶対に容認できない。

 ロシアにこうした強硬姿勢を許した根本に、歴代自民党政権が、日ロ(日ソ)領土問題について、国際的道理のない立場と方針で対応しつづけてきたという問題がある。領土問題を公正に解決しようとすれば、国際社会はもとより、ロシア国民にも説得力を持った強い論立てが必要になる。ところが、戦後の日ロ(日ソ)領土交渉において、歴代自民党政権は、歴史的事実と国際的道理に立った交渉を一度もしてこなかった。その積み重ねが、ロシア側にこうした強硬姿勢を許す結果となっているのである。

 民主党政権は、政権交代をした以上、これまで自民党政権が進めてきた日ロ(日ソ)交渉の方針を無批判に引き継ぐのではなく、半世紀にわたる不毛の領土交渉の総括に立って、根本的に再検討することを求めたい。

(2)

 今日の日ロ領土問題の根源は、第2次世界大戦終結時におけるスターリンの覇権主義的な領土拡張政策にある。スターリンは、ヤルタ会談(1945年2月)でソ連の対日参戦の条件として千島列島の「引き渡し」を要求し、米英もそれを認め、この秘密の取り決めを根拠に、日本の歴史的領土である千島列島(国後、択捉(えとろふ)から、占守(しゅむしゅ)までの全千島列島)を併合した。これは「カイロ宣言」(1943年11月)などに明記され、自らも認めた「領土不拡大」という戦後処理の大原則を蹂躙(じゅうりん)するものだった。しかもソ連は、千島列島には含まれない北海道の一部である歯舞群島と色丹島まで占領した。

 第2次世界大戦終結時に強行された、「領土不拡大」という大原則を破った戦後処理の不公正を正すことこそ、日ロ領土問題解決の根本にすえられなければならない。

(3)

 なぜ戦後65年たって日ロ領土問題が、まったく解決のめどすらたっていないのか。それは、歴代の自民党政権が、戦後処理の不公正をただせというこの主張を、国際社会にも、ロシア(ソ連)にたいしても、ただの一度もしてこなかったからである。

 歴代政権は、二重の根本的な誤りを犯してきた。

 第一の誤りは、1951年、サンフランシスコ講和条約第2条C項で、千島列島にたいする「すべての権利、権原および請求権を放棄」したことである。この条項は、ヤルタ秘密協定の千島条項を追認した、不公正なものだった。歴代政権は「千島放棄条項」をあらためるという態度をとってこなかった。

 第二の誤りは、ヤルタ協定とサンフランシスコ条約の「枠内」で領土問題の「解決」をはかろうとして、国際的に到底通用しない議論を領土交渉にもちこんだことである。日本政府は、1955年に始まった日ソ国交正常化交渉のなかで、突然それまでの立場を変え、「国後、択捉は千島列島ではないから返還せよ」と主張し、歯舞、色丹とあわせて「四島返還」を要求しはじめた。しかし、サンフランシスコ講和条約で日本が放棄した「千島列島」に国後、択捉が含まれることは、日本政府自身が講和会議と同条約の批准国会で、公に表明してきた解釈であり、それを後から覆す主張は到底通用するものではない。

 こうした誤った立場に固執しつづけた結果、日ロ(日ソ)領土交渉は、何一つ具体的な成果があがらないばかりか、日本側の一方的な譲歩だけが繰り返されるという事態となっている。1993年の「東京宣言」をはじめ、90年代以降の日ロ両国政府間で一連の「合意」がなされているが、それは、つぎのような重大な問題点が含まれている。

 ――領土交渉の対象を国後、択捉、歯舞、色丹の「4島」に限定したため、北千島の返還要求は最初から放棄されたままとなっている。

 ――全千島列島が返還されるべき正当な根拠をもった日本の領土であり、北千島と南千島を区別する条約上の根拠はまったくないにもかかわらず、その一部分である北千島を最初から領土返還交渉の枠外に置いたために、残りの部分である南千島(国後、択捉)についても返還を要求する正当な根拠を失うことになった。

 ――千島の一部である国後、択捉と北海道の一部である歯舞、色丹という性格の異なる4島を同列に並べ、一括返還の立場をとることによって、歯舞、色丹の早期返還への道を閉ざす結果になった。歯舞、色丹は、放棄した千島列島には含まれない北海道の一部であり、平和条約締結を待たずに早期に返還されるべきである。

 自民党政権は、国際的に通用する道理ある立場を何らもたないまま、ロシアとの「経済協力」や首脳間の「個人的信頼関係」を進めれば交渉を促進することができるとの立場から、あれこれの措置をとってきた。しかし、こうした対応ではけっして領土問題は解決しないことは、事実が証明している。

(4)

 歴代自民党政権の延長上の方針では、日ロ領土問題の解決の道は開かれない。日ロ領土問題を本気で解決しようというのなら、旧来の方針を抜本的に再検討し、第2次世界大戦の戦後処理の大原則である「領土不拡大」の原則に立ち、その不公正を正すという道理に立った外交力こそが必要である。自民党政権時代の二重の根本的な誤りを清算できるかどうかが、民主党政権に問われている。

 わが党は、1969年に千島政策を発表し、日本の歴史的領土である南北千島列島全体の返還を要求するとともに、北海道の一部である歯舞・色丹の早期返還を主張してきた。民主党政権にたいし、次のような立場で、歴代自民党政府の誤った対応を根本的に再検討するよう、求めるものである。

 第一に、ヤルタ協定の千島引き渡し条項とサンフランシスコ条約の千島放棄条項を、不動の前提とせず、条約そのものを根本的に再検討することである。条約の変更はけっして不可能なことではない。条約であれ、その一部であれ、国際的正義に反する条件や条項にかんしては、その国民の意思でこれを是正する権利があるということは、国際法のうえでも一般に認められていることである。サンフランシスコ講和条約についても、第3条で沖縄の施政権を米国に引き渡す条項があるが、1970年代初めに、米軍基地の問題は残されたものの、施政権は日本に返還されている。

 第二に、対ロ領土交渉にあたっては、日ロ両国間で平和的に画定された国境線は何だったかを歴史的に再検討し、それを交渉の土台とすることである。歴史の事実にてらせば、千島列島全体(国後島、択捉島の南千島と得撫(うるっぷ)島から占守島までの北千島)が、日ロ間の外交交渉の末に結ばれた1855年の「日魯通好条約」と1875年の「樺太(からふと)・千島交換条約」で、平和的に日本領と確定した正当な領土であることは明らかである。この歴史の事実を土台にすべきであって、「国後、択捉は千島列島にあらず」などという歴史をゆがめる論議に固執する態度をやめるべきである。

(5)

 スターリンが、第2次世界大戦の時期におこなった覇権主義的な領土拡張のうち、バルト3国の併合、ポーランドの一部地域の併合など、ほとんどがすでに解決をみている。スターリンがすすめた不当な領土拡大で、当事国が批判しないままで今日まで残されているのは、千島列島だけである。

 民主党政権が、これまでの自民党政権による領土交渉を根本的に再検討し、歴史的事実と国際的道理に立った方針への転換をはかることを、強く求める。

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政党の値打ちは何によってはかられるか5

2010-11-14 09:05:56 | 日本共産党政策・提言等

第五のモノサシ 草の根で国民と結びつき、草の根の力で政治を動かす

 第五のモノサシは、草の根で国民と結びつき、草の根の力で政治を動かすのはどの党かということです。

 日本共産党は、40万人の党員、2万2千の党支部、全国8割の自治体に約3千人の地方議員、140万人の「しんぶん赤旗」読者をもち、草の根で国民のみなさんと結びつき、草の根の力で政治を動かしている政党です。これはわが党の最大の誇りであります。私たちの草の根のネットワークが日本社会で果たしている役割について、最後にお話をしたいと思います。

「しんぶん赤旗」――「生きる力と希望を運ぶ新聞」

 「しんぶん赤旗」は、人間が粗末に扱われているこの世の中にあって、「生きる力と希望を運ぶ新聞」となっています。

 最近、とくに反響が大きかった特集に、連載「朝日訴訟50年」があります。お読みになっていただけたでしょうか(拍手)。重症の結核患者で生活保護を受けていた朝日茂さんが“人間らしく生きる権利”を求め、国を相手に起こした裁判を生き生きと現代に伝えた連載であります。

 朝日茂さんは、1946年4月に日本共産党に入党し、1957年の提訴以来、亡くなるまでの7年間に約1万通の手紙を病床から書き続け、全国のたたかいを組織しました。朝日茂さんは、1964年2月に亡くなる直前につぎの言葉を残しています。

 「死を前にして虚心に耳を澄ますと、人民解放の嵐のような足音が聞こえてくる。自分は日本共産党員として、党の温かい指導と同志の熱い友情に守られながら生きてきた。今、この旗の下に、静かに瞑目(めいもく)することを無上の喜びと感じている」

 私もこの一節を読みまして、胸が熱くなりました。この連載は、人間らしく生きる権利を求め、たたかっているすべての人々を励ます連載となったのではないでしょうか(拍手)。こういう内容の新聞を、140万人という規模で発行している政党は、文字通り、わが日本共産党だけであります。(拍手)

「『赤旗のような新聞にしろ』という命令は今にいたるも実現できていない」

 自民党の機関紙に「自由民主」というのがあります。その編集長が、昨年の選挙学会総会でこう報告したとききました。

 「1974年、田中角栄総裁の時代、当時の橋本登美三郎幹事長から、『赤旗のような党機関紙を考えろ』と命令を受けた(笑い)。『赤旗』と『自由民主』を比較していえば、『赤旗』は、党員・支持者だけでなく、広く党外の人々に読んでもらい、支持者になってもらう、という戦略性を持っている。『赤旗』が、スポーツ面からテレビ面まである一般紙とおなじ形態で発行しているのは、その戦略性があるからだ。『自由民主』は、中核支持者向けで、コテコテの政治記事、党関連記事で埋めている(笑い)。1974年の橋本幹事長の『赤旗のような新聞にしろ』という命令は、今に至るも実現できていない」(笑い)

 自民党が逆立ちしてもまねができないと、「自由民主」の編集長がいっているのですから、「しんぶん赤旗」の値打ちはいよいよ間違いのないものではないでしょうか。(拍手)

毎日「地球2周」を超える配達網――わが党ならではの宝の活動

 毎日、毎週の「しんぶん赤旗」は、全国の六つの工場で印刷され、トラックで各地の「しんぶん赤旗」出張所に届きます。全国で12万人を超える党員、支持者のみなさんの努力によって、読者のみなさんのもとに届けられています。トラックの走行距離は毎日約4万3千キロです。地球1周以上に相当します。配達とあわせれば地球2周を超えるでしょう。これはすごいことだと思います。

 配達・集金の活動は、簡単なものではありません。毎日、毎週、毎月の粘りづよい努力を必要とする活動で、けっして華々しいものではありませんが、日本共産党をいちばん土台で支えている、どの党にもまねをすることができない、わが党ならではの宝の活動であります。(大きな拍手)

 私は、この活動に携わってくださっている方々に、「赤旗まつり」の機会に、この場をお借りして、心からの感謝の気持ちを申し上げたいと思います。(大きな拍手)

3千人の地方議員のネットワークの力(1)――子どもの医療費助成制度

 全国で2万2千の党支部と一体に活動する約3千人の日本共産党地方議員団は、全国が連携して日本の政治を動かす素晴らしい力を発揮しています。3千人が草の根の力と一体になってがんばれば、どんなことができるか。三つほど具体的に紹介したいと思います。

 一つは、子どもの医療費助成制度であります。いまでは無料化をはじめとした負担軽減制度が、全国すべての都道府県、すべての市区町村で実現しています。

 本格的な無料化の波が進んだのは、1980年代末から90年代でした。住民運動、新婦人、民医連、保団連などの諸団体と日本共産党の支部が、ともにとりくんだ議会への請願署名が原動力でした。

 初めは、請願は、多くの議会で、日本共産党以外の各党の反対で、否決され続けます。しかし、運動の積み重ねが政治を変えていきます。自治体当局が内部で検討を始めるようになると、ほかの党も議会で実現を要求するようになるのです。どの党とはいいませんが、こういうときに急に登場する党もあります(笑い)。わが党議員団は、「超党派の要求になったいま実施の決断を」と迫り、つぎつぎと医療費助成制度が広がりはじめました。

 いったん広がりはじめたら、つぎは、「どの自治体でもとりくむのが当たり前ではないか」と全自治体に広げていきました。

 住民運動と連携して、自治体単独の制度を、すべての自治体がもつまでに発展させたのは、素晴らしいことではありませんか。3千人の党議員団の草の根のネットワークの力を、私は心から誇りに思うものであります。(拍手)

3千人の地方議員のネットワークの力(2)――国保証取り上げをやめさせる

 二つ目は、高すぎる国保料を引き下げ、国保証取り上げを許さないたたかいです。

 高すぎる国保料が払えない。そういう方々から保険証を取り上げ資格証明書に置き換える。そのため、お医者にかかれず亡くなる悲劇が後を絶ちません。

 ここでも3千人の党地方議員団が、住民運動、党支部と連携し、国会議員団と連携して、非情な国保行政の壁に大穴をあけつつあります。埼玉県では、党議員団と住民の共同した運動で、70自治体中30自治体で保険証取り上げを中止させました。

 こうした自治体からの包囲が広がるなか、ついに国の政治も動きました。保険証の取り上げを、子どもについてはやめさせ、生活困窮者の方々からも許さないという政策転換を実現させることができました(拍手)。この力に確信をもって、高すぎる国保料の引き下げのために、ともにがんばろうではありませんか。(拍手)

3千人の地方議員のネットワークの力(3)――住宅リフォーム助成

 三つ目に、住宅リフォーム助成です。これは、地域経済への波及効果が「予算額の10倍を超す」と言われるほど有効な施策です。全国の党議員団は、民商、土建、建設業界などとも連携し、住宅リフォーム助成制度を提案し、広げてきました。全商連の調査では、すでに全国約170自治体に広がっているとききました。

 ここでもいろいろなドラマがあります。茨城県取手市では、党市議団が住宅リフォーム助成条例を2回にわたり議員提案したけれども、いったんは否決されました。しかし市議団はあきらめず、取手市建設業協会会員の全44社を訪問した。そうしましたら趣旨に賛同した会員さんが建設業界を取りまとめ、関連業界も含めて、なんと61社連名で9月議会に「住宅リフォーム資金助成条例の請願」が提出され、請願は圧倒的多数で採択されたとうかがいました(拍手)。当初、請願趣旨には「日本共産党の働きかけと尽力により、われわれはこの請願を出すに至りました」という文言があったそうです(笑い)。しかし「他党も賛成しやすいように」との党市議団の提案で削除して採択に付されたということでした。これもどこかの党とはまったく違いますね(笑い)。誠実な姿勢が評判をよび、信頼を広げていると聞きました。

 みなさん。いっせい地方選挙まであと5カ月です。どうか、住民の命とくらしを守る3千人のかけがえのないこの草の根のネットワークを強く大きくさせてください。みなさんのご支援をよろしくお願いいたします。(大きな拍手)

政党としての大道を歩む日本共産党――この党を大きくして日本の未来を開こう

 きょうは、「どういう旗印・綱領をもっているか」「どんな歴史をもっているか」「外交力をもっているか」「自由と民主主義への態度」「草の根の力で政治を動かす」――この五つのモノサシで政党の値打ちを考えてきました。この五つというのは特別のモノサシではないでしょう。政党だったら、だれが考えても当たり前のモノサシですが、この五つのモノサシで立派に合格するのは、日本共産党だけではありませんか。(大きな拍手)

 政党としての大道を歩むこの党を大きくすることにこそ、日本の未来があるということを私は心から訴えたいと思います。

 この機会に、赤旗まつりに参加し、多くの人々との温かい連帯の輪に接し、私の話に共感していただけた方は、何かのご縁ですから(笑い)、日本共産党に入党されることを心から訴えたいと思います。(大きな拍手)

 きょうは「しんぶん赤旗」の話もいたしましたが、かけがえのない「しんぶん赤旗」読者を広げに広げていただいて、ひとたび「しんぶん赤旗」がキャンペーンを張れば、日本の世論がドンと動くと、そういう大きな新聞に育てていただけますよう、お力ぞえを心からお願いいたします。(拍手)

 強く大きな党をつくって、いっせい地方選挙では、みんなで力を合わせて、必ず勝利をつかみとろうではありませんか。(歓声、大きな拍手)


政党の値打ちは何によってはかられるか4

2010-11-13 11:31:52 | 日本共産党政策・提言等

第四のモノサシ 自由と民主主義への態度

 第四のモノサシは、自由と民主主義への態度です。自由と民主主義は、その発展の度合いによって人類の進歩がはかられる大きなモノサシです。ところが、崩壊した旧ソ連や外国のあれこれの例をもちだしての「社会主義=独裁」という議論が広く流布されています。日本共産党の立場をのべたいと思います。

私たちのめざす未来社会――「人間の自由の全面的な実現」

 私たちの大先輩、マルクス、エンゲルスの未来社会論のキーワードの一つは「自由」であります。国民の自由や民主的権利が、資本主義時代の価値ある成果として受け継がれるばかりか、いっそう完全な発展をとげる。「人間の自由の全面的な実現を本来の特徴とする共同社会」。これがマルクス、エンゲルスの未来社会論の重要な内容の一つとなっています。

 日本共産党は、この立場をまっすぐに受け継いでいます。私たちは、1976年に『自由と民主主義の宣言』を発表し、その立場を綱領に織り込みました。綱領では、「社会主義・共産主義の日本では、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる」、「さまざまな思想・信条の自由、反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される」、「真に平等で自由な人間関係からなる共同社会」をめざすことを、高らかに宣言しています。

 崩壊した旧ソ連のような人間抑圧型の社会を、この日本で絶対に再現させないというのが、日本共産党の確固たる立場であり、お約束であります。(拍手)

中国における人権問題――人権保障に関する国際政治の到達点に立った対応を

 劉暁波氏のノーベル平和賞受賞などにかかわって、中国における人権問題が国際的注目を集めています。この問題についてわが党の態度をのべておきたいと思います。

 日本共産党は、中国における政治体制の問題として、将来的には、どのような体制であれ、社会に本当に根をおろしたと言えるためには、言論による体制批判に対しては、これを禁止することなく、言論で対応するという政治体制への発展を展望することが、重要だと考えるという立場を、1998年の中国共産党との関係正常化以降、中国にたいしてたびたび率直に伝えてきました。言論による体制批判には言論で対応する政治体制への発展を展望することの重要性を、ここで重ねて強調しておきたいと思います。(拍手)

 くわえて、人権保障に関する国際政治の到達点にてらして、私は、つぎの点を強調したいと思います。

 かつては人権問題――各国家が自国民の権利をどのように扱うかは、もっぱらその国の主権に属する内政問題として扱われました。しかし、とくにファシズムと軍国主義による人権蹂躙(じゅうりん)が第2次世界大戦に結びついたという歴史の教訓を経て、世界の平和維持のためにも、各国の国内で人権が保障される体制をつくることが必要だと考えられるようになり、そのための一連の国際的な取り決めがなされてきました。

 中国も、それらの国際的取り決めを支持・賛成してきています。中国は、1948年の世界人権宣言を支持し、1966年に国連総会で採択された「市民的及び政治的権利に関する国際規約」――言論・表現の自由を含む広範な市民的・政治的権利を増進・擁護する責任を明記した国際人権規約に署名しています。

 さらに、中国は、国連総会決議にもとづいて1993年にウィーンで開催された世界人権会議が採択したウィーン宣言にも賛成しています。ウィーン宣言は、つぎのように明記しています。

 「国家的および地域的独自性の意義、ならびに多様な歴史的、文化的および宗教的背景を考慮に入れなければならないが、すべての人権および基本的自由を助長し保護することは、政治的、経済的および文化的な体制のいかんを問わず、国家の義務である」

 ここには二つの原則がのべられています。

 一つは、自由と人権の発展は、それぞれの国によってさまざまなプロセスをとり、「多様な歴史的、文化的および宗教的背景を考慮」すべきであって、特定のモデルを性急に押し付けるような態度を取るべきではないということであります。

 いま一つは、しかし同時に、人権と基本的自由は普遍的性格をもっており、すべての人権と基本的自由を「助長し保護する」ことは、「体制のいかんを問わず、国家の義務である」ということであります。

 これは人権保障における国際社会の重要な到達点をなすものだと私は考えます。

 私たちは、中国が、これらの国際的到達点に立ち、人権と自由の問題に対して、国際社会の理解と信頼を高める対応をとることを強く望むものであります。(拍手)

人権と自由は今日の日本の大問題――将来にわたって擁護・発展のためたたかう

 基本的人権と自由の問題は、今日の日本の大問題でもあります。「社会主義は独裁だ」と攻撃する勢力が、はたして自由と民主主義の守り手と言えるでしょうか。

 堀越事件、世田谷事件、葛飾事件など、ビラ配布への弾圧事件があいついで起こりました。公務員が、休日に自宅のまわりで普通の市民として政党機関紙号外などを配布することが、どうして犯罪となるのか。開放型マンションで「都議会報告」をドアポストに入れるという平穏な活動が、どうして罰せられなければならないのか。こんな理不尽なことを、この日本で横行させてはなりません。(大きな拍手)

 私は、言論と表現の自由を求めるすべての正義のたたかいに固く連帯してたたかいぬく決意をここで申し上げるものであります。(歓声、大きな拍手)

 議会制民主主義をめぐっても重大な対決が問われています。日本共産党は、小選挙区制の撤廃、政党助成金制度の撤廃を強く求めるとともに、衆院比例定数削減の動きにきびしく反対し、比例代表など民意を反映した制度への改革を強く求めてたたかいます。(拍手)

 私たちは、議会制民主主義を壊し、独裁政治に道を開くいっさいの動きを許しません。きびしく反対してたたかいます。

 日本共産党は、将来にわたって、基本的人権と自由の擁護、発展のためにたたかいぬくことを、この赤旗まつりで私は宣言するものであります。(歓声、大きな拍手)


政党の値打ちは何によってはかられるか3

2010-11-12 08:00:14 | 日本共産党政策・提言等

第三のモノサシ 外交力をもっているか

「道理の力」と「自主独立」に立った外交力こそ重要な時代

 第三のモノサシは、外交力をもっているかということです。

 外務省元アジア局長・元駐中国大使を務めた中江要介さんが、「しんぶん赤旗」日曜版のインタビューでこう言われています。

 「日本を守るのに一番大切なのは外交です。防衛力ではありません。外交の力を強めることです。世界や相手の国の情勢をよく見て、自分の頭で考えることです」

 “自分の頭で考える外交力”こそ大切だ――長年にわたって外交分野で仕事をされてきた中江さんのこの言葉に、私は、まったく賛成だということを申し上げたいと思います。(拍手)

 私たちの綱領は、20世紀におこった世界の構造変化をふまえて、21世紀の新しい世界像を明らかにしています。21世紀の世界は、一部の「大国」の思いのままになる世界ではありません。すべての国が対等・平等の権利をもって、国際政治の主人公となる世界です。こういう世界にあって重要なのは国の大小ではありません。経済力の大小でもありません。ましてや軍事力の大小ではありません。「道理の力」と「自主独立」に立った外交力こそ重要な時代になっている。これが21世紀の新しい世界の姿だということを、私は訴えたいと思います。(拍手)

「核兵器のない世界」への流れをすすめている主役はだれか

 日本共産党は、こうした立場にたって野党外交にとりくんできました。

 とくにこの間、私たちが大きな力をそそいできたのは、日本国民の悲願である核兵器廃絶をめざすとりくみです。わが党は、5月にニューヨークで開催されたNPT(核不拡散条約)再検討会議に参加するなど、あらゆる機会をとらえて、「核兵器廃絶のための国際交渉の開始」のための働きかけをおこなってきました。私が一連のとりくみをつうじて実感していることがあります。

 第一は、「核兵器禁止条約の国際交渉」という課題が、いまや世界政治で現実的課題となりつつあることであります。5月28日、NPT再検討会議の最終文書には、その方向にむけた重要な前進が明記されました。さらに最近、10月29日、第65回国連総会の第1委員会では、「核兵器禁止条約の交渉開始」を求める決議案が、賛成121と圧倒的多数で可決されました(拍手)。私は、この前向きの流れに日本の原水爆禁止運動と日本共産党の活動が、貢献となっていることは間違いないと考えるものです。(拍手)

 第二は、この前向きの流れを国際政治で担っている主役は、核保有大国ではなく、新興国や多くの途上国だということです。NPT再検討会議議長として大活躍したカバクチュランさんはフィリピンの大使です。核軍縮を扱う第1委員会委員長として、立派な草案の取りまとめをおこなったシディヤウシクさんはジンバブエの大使です。会議成功に大きな役割を果たした国連軍縮特別代表のドゥアルテさんはブラジル出身の外交官です。

 私は、新興国や途上国の外交官が、核保有大国を相手に堂々とわたりあい、会議運営の要として大活躍している姿を間近に見て、ここにこそ21世紀の新しい世界の姿があると胸が躍る思いでありました。

 第三は、世界の世論と運動が国際政治を直接動かす新しい時代が訪れたということです。日本からNPT再検討会議に寄せられた691万の署名を受けて、カバクチュラン議長が、(NPT再検討会議)開会演説の冒頭に、「私たちはこの情熱にこたえなければなりません」とのべたことは感動的でありました。

 8月の広島・長崎訪問から帰った潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は国連本部での会見でつぎのようにのべました。

 「(被爆の実相は)言葉にできない、私の想像を超えるものでした」「あのような苦しみを乗り越えた被爆者の勇気と力強さは、本当に感動的でした」「今回の訪問を通じて私は、核兵器のない世界の実現のために、力の限り、あらゆることをしなければならないとの信念を強めました」

 平和への新たな動きをつくっている最大の主役は、被爆者の方々を先頭にした平和を願う各国民衆のたたかいなのであります。(拍手)

 第四は、日本の原水爆禁止運動、日本共産党が、なぜ先駆的役割を発揮できるのか。それは歴史の試練を経たものだということです。

 1963年、ソ連は、部分的核実験停止条約――地下核実験を野放しにする条約を日本の平和運動と日本共産党に押しつける干渉を開始しました。このなかで社会党・総評指導部が日本原水協から脱落したわけですが、日本の運動は核兵器廃絶の大義を守りつづけました。ソ連による干渉をはねのけ、自主独立の立場を鍛え上げてきたからこそ、今日の日本の運動があるし、日本共産党があるのであります。

二つの大国からの乱暴な干渉を拒否し、きちんとした解決をはかってきた党

 日本共産党には、ソ連と中国という二つの大国から乱暴な干渉を受けながら、断固としてそれを拒否し、干渉の誤りを認めさせ、きちんとした解決をはかってきた歴史があります。このたたかいでわが党がよりどころとしたのは、道理の力、外交力だけであります。軍事力ではありません。そういうものはもっていません(笑い)。軍事力がなくても解決はできるということを、この歴史は証明しているのではないでしょうか。(拍手)

 核兵器問題でも、「道理の力」と「自主独立」の立場に立ち、日本と世界の平和運動と固く連帯してたたかえば、国際政治を動かす外交力を発揮することができる。ここに確信をもって「核兵器のない世界」が一刻も早く実現するよう、ともに力をつくそうではありませんか。(大きな拍手)

 ここでご報告したいことがあります。12月1日から4日までカンボジアのプノンペンで、第6回アジア政党国際会議が開催されます。招待に応じて私が出席することにいたしました(拍手)。その場でも核兵器廃絶をはじめとする世界とアジアの平和の問題で、積極的に奮闘する決意をのべておきたいと思います。(拍手)

日本外交に欠けているのは真の意味での外交力――核兵器問題、千島問題について

 みなさん。日本外交に一番欠けているのは、こうした真の意味での外交力ではないでしょうか(「そうだ」の声、拍手)。核兵器問題でも、米国の「核の傘」への依存を続け、核兵器廃絶の足をひっぱる。これは自民党から民主党に政権が代わっても、少しも変わらないではありませんか。

 日本政府は、10月29日に、国連総会第1委員会で圧倒的多数で採択された「核兵器禁止条約の交渉開始」を求める決議案に、またしても「棄権」の投票をしました。1996年にこの決議案が初めて提案されてから、これで15年連続して「棄権」したことになります。これは被爆国政府として恥ずべき「15連敗」ではないでしょうか(「そうだ」の声、拍手)。外交力でなく、もっぱら「抑止力」という戦争手段に訴える――これでは21世紀の世界で日本は生きていけないということを、私は強調したいのであります。(拍手)

 日ロ領土問題でも、日本政府に問われているのは道理に立った外交力であります。この問題の根本は、スターリンが「領土不拡大」という第2次世界大戦の戦後処理の大原則を踏みにじり、無法な軍事占領をおこなったことにあります。しかし、日本政府は、戦後、ただの一度も、この不公正をただせと世界にむかって言ったことはないのです。わが党は、全千島列島と歯舞・色丹の返還を強く求めます(大きな拍手)。そして、民主党政権が、旧来の延長線上でなく、戦後処理の不公正を正すという原点に立って、本格的な対ロ領土交渉に踏み出すことを、強く求めるものであります。(大きな拍手)