天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

着替えにテーマを授ける

2016-08-16 06:11:48 | 身辺雑記


きのう孫二人を預かった。
といってももっぱら妻が下で世話をしていてぼくが二階にいた。
女の子が二人もいると泣きわめいてうるさいこと。なにかが原因で小さい子が泣いたり大きい子が怒ったり、騒々しいこと。
応対しきれなくなった妻が一時どこかへ買い物に連れ出した。
帰ってきてなにかやっているようであった。

前より静かだ。
下りていくと食台のうえでなにやら細かい物を動かしている。みるとそれは女の子に衣服を着せたりバッグを持たせたり、帽子をかぶせたりとかいう「着替えシール」というものだった。プリンセスなんとかなる名称がつけられている。
やわらかいプラスチックのような素材で粘着力がありつけたり剥したりが簡単にできる。最近の商品はよくできている。

「じじも加わって」とややがいう。
しかし素材の量に対してプレーヤーが4人になると足りないのがわかった。さらにこの3人はこの着替えを漫然と行っていることもわかった。
何のために着せているのか。
これを明らかにしないと着替えはできないのではないのか。
テーマがあることが大事である。
「よし、じじがテーマを出して審査をする」といってまず
<仲の良い子と待ち合わせてデパートへ行く場面>というテーマを出す。
これで一年生の子の目が輝いた。
下の子も姉が変わったのでテーマなるものはよくわからないものの前より興味が湧いたようだ。
ばばは停滞していた着替えに光が差したようで感動している。
テーマを設定することがいかに大事か。
<家に帰って一人でぼんやりしたい装い>では一年生は地味な色の上衣、下衣にし足は裸足にすることを知っている。

テーマがしかとあれば採点をしてもいい。
「ばば85点、やや90点、やひろ70点、よってややの優勝。ややが90点の理由は海へ行く際の上下の色合いが空色系の長袖で暑への対策を考えたこと、マイナス10点は帽子をかぶせる配慮を怠ったことです」などと審査員が言葉を尽くせばぐっと盛り上がるのである。
言葉がカオスを位置づけて世界を構築する。
はじめに言葉ありき、なのだ。
言葉があるから世界が出現し物が輝きを放つ。そして人も存在する。
おおげさだがそんなことを感じた着替え遊びであった。

困ったことはおもしろくなった孫どもが泣いて帰らないと言い張ったことである。


コメント
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