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天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

じじの漢字力59点

2020-04-28 09:18:47 | 文字


小学校が休みなので5年生の孫が最近よく来る。先日来ていきなり漫画を開いて「じじ、この漢字読める?」といってテストされた。資料は『鬼滅(きめつ)の刃』という漫画。『週刊少年ジャンプ』連載中ですでに19巻が単行本になっている。
以下、読めたものが○、読めなかったものが×である。
【作者】
×吾峠呼世晴(ごとうげ こよはる)

まず作者名で躓いた。どこまでが姓か。30代くらいの女性という説もあるが明らかにしていない。
【鬼殺隊の人物】
×竈門 炭治郎 (かまど たんじろう) 主人公
×竈門 禰豆子 (かまど ねずこ) 主人公の妹
以下、鬼と闘うメンバー
○冨岡 義勇(とみおか ぎゆう)
○鱗滝 左近次(うろこだき さこんじ)
○胡蝶しのぶ(こちょう しのぶ)
○我妻 善逸(あがつま ぜんいつ)
×嘴平 伊之助(はしびら いのすけ)
×栗花落 カナヲ(つゆり かなを)
×不死川 玄弥(しなずかわ げんや)
○煉獄 杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)
○甘露寺 蜜璃(かんろじ みつり)
○宇髄 天元(うずい てんげん)
×伊黒 小芭内(いぐろ おばない)
【鬼(十二鬼月】の名前】
×鬼舞辻無残(きぶつじ むざん)最強の元祖

十二鬼月は<上弦>と<下弦>から成る最強の鬼。鬼舞辻はそれらを総べる鬼の総大将。
<上弦>
○黒死牢(こくしろう)
○童磨(どうま)
×猗窩座(あかざ)
○半天狗(はんてんぐ)
○玉壺(ぎょっこ)
×堕姫・妓夫太郎(だき・ぎゅうたろう)
<下弦>
×魘夢(えんむ)
○塁(るい)
○病葉(わくらば)
○釜鵺(かまぬえ)
○零余子(むかご)
○轆轤(ろくろ)

27のうち16が読めて59点である。
それにしてもなんと難解な名前をつける作者であることか。孫はどの名前もすらすら言えるだけでなく、各人物の台詞もほとんど諳んじている。凄い!



<ストーリー>
時は大正時代。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は家族を鬼に皆殺しにされたことで一変する。唯一生き残ったものの鬼に変貌した妹・禰豆子を元に戻すため、また家族を殺した鬼を討つため、炭治郎と禰豆子は旅立つ血風剣戟冒険譚。
吾峠呼さんは漢字の造詣が深く、難解で風情ある漢字を子供たちに与えてくれることに感謝したくなった。熱中してのめりこむことで子供たちの漢字への知識や興味がえらく深まると思う。
漢字のみならず台詞も雰囲気があっておもしろい。たとえば
「この岩を斬れたら最終選抜に行くのを許可する」
「鬼の急所は頸、しかし通常の刃物で頸を斬っても殺せない」
「鬼殺隊の爪や牙ではこの隊服を裂くことすらできない」
「上半身と下半身の激しいねじりで強い渦動を発生させる」
「血鬼術という特殊な術を使う鬼は異能の鬼だ」
漢字はすべてルビ(ふりがな)付き。吾峠さんは絵のみならず国語力がそうとう高いレベルにある。

孫が「堕姫(だき)という鬼は花魁(おいらん)だよ」という。「花魁って何する?」→「男の人に寄って酒を注ぐの」→「花魁いいなあ」→「パパも花魁が好きみたい、酒飲みに行く。じじは花魁と遊んだことある?」→「残念ながらない」。
酒以上の花魁のサービスを漫画は描いてないだろうな、今度、花魁が出る19巻を持って来て。それにしても花魁は情緒があっていいなあ。
じじがこの本から漢字を書き出すと孫も乗ってきた。
「憂鬱は大人でも書ける人が少ないから書けると尊敬されるよ」というと書くわ書くわ。次に薔薇もおもしろそうに書く。禰豆子にものめり込む。
人は面白いものを読むことで国語力がつく。作者にお礼を言いたい気分である。


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テレビより0.3秒はやいラジオ

2016-03-31 05:32:34 | 文字

3月はいろいろスポーツの見ものが多い。
それをテレビの音声を消してラジオの音声を聴いたら豪華と思いやってみた。
高校野球でやってみてびっくりした。
投手が投げたボールが打者の手前5mあたりにあるのにラジオはストライクという。ややあってテレビの審判の右手が上がる。

大相撲を同様にして観戦したところ、ラジオが「立ち会いました! おっと○○山のはたき込み」といっているときテレビの映像はまだ二人の力士が接触したばかりの状態である。ややあって一方が土俵に手をついた。
ラジオの音声通りにテレビの絵がなっていく。
ラジオの世界はテレビより0.3秒は速く新しい世の中を伝える。
ラジオのアナウンサーにもテレビのカメラにも光は同時に伝わっているはずなのにアナウンサーの目のほうがカメラの目より感知するのが速いのか。
それはあるまい。
映像、音声を伝える機構にラジオとテレビの違いがあるのか。
これも考えにくい。
「全国こども電話相談室」という番組はまだあるのか。あったら相談したい。

ラジオがあるとテレビの絵をむなしくするのでラジオは消した。
ラジオを使うときはテレビを消して映像を想像することにした。

これとは関係なさそうだが、アインシュタインが「光は重力によって曲げられる」といったことが身近に感じられた。

これはもっと関係なさそうだが、たとえば愛人とラブホテルにいて事をはじめようとしていたとき妻が踏み込んだ。それをまだいたしていないのだからそれはないことになるのか、などと考えた。どうして俺はこうも飛躍できるのか。
「まだしてないのに君がギャーギャーいうのは変、3秒後はわからんけど」という男の言い分は絶対通らないな。
これだけは確か。
ラジオとテレビの関係には怪があるが男女の関係はぎすぎすしておもしろくない、ということはわかった。
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辞書と漢字をめぐるいざこざ

2016-03-01 04:34:49 | 文字


ヨミトモF子が最近読んだ本でお奨めは何かとメールで聞いてきた。
彼女は小池真理子や島本理生の恋愛もののファン。ぼくはF子との縁で一生読まないはずの女流二人の作品をいくつか読んだわけである。
最近はまっている京極夏彦の中では百物語シリーズではなく、男女関係の不可思議な縁をベースにした『嗤う伊右衛門』と『覘き小平次』を薦めようとした。

さてケータイで字を打つ段になって「のぞき」を「覘き」に、「わらう」を「嗤う」に変換することができない。一般的な漢字しか出てこないのだ。
それで「わらう伊右衛門」、「のぞき小平次」と表記し、漢字がむつかしくて変換がしにくいことと、わらうは左が口偏で上に山がある漢字と伝えたら彼女はすぐさま「嗤う伊右衛門ですか」と正確に伝えてきた。
そのさいF子は「音読みで打てば出る。あなたは要領が悪い」と挑発するではないか。
「嗤」の音読みを知らなかったぼくは負けたと思い、辞書を引くと「シ」とある。
『学研漢和大字典』には、
嗤笑(ししょう)
嗤詆(してい)
嗤誚(ししょう)
嗤鄙(しひ)
と熟語4例があるが、『漢語林』にはこの漢字の音読み、訓読みしか載せていない。
そんな字の音読みまで知っているとは恐るべき漢字能力である。

負けたと思ったら辞書を引いて勉強すればいいのだが、最近、電子辞書の広辞苑は間違っているのではないかという疑問を持った。
「倦」という字。ワードで「うむ」で変換するとこの字が出る。ぼくは疑いなくこの字を信じていたが、
先日鷹4月号への投句で「マニュアルの厚きに倦みし炬燵かな」を書こうとして、もう一度辞書に当る気になり、電子辞書の広辞苑を引いた。
するとこの字の下の部分は「己」となっていた。
ぼくは間違っていたと思いそのように書き直した。
しかし、どうも割り切れない気持ちが続くので別の国語辞書や漢字辞書をいくつか調べるとどれも「倦」。
広辞苑の分厚い本を引くと、なんと、電子辞書と違う「倦」と表記している。
広辞苑の電子辞書はだめじゃないのか。この辞書に全幅の信頼を置くのはやめた。

ちなみに京極夏彦を良質の作家と思う理由のひとつに、「目線」という言葉を使わないことが挙げられる。
いま活躍しているそうそうたる作家の中で「視線」派ではなく「目線」派が多くなっていてがっかりする。その中で京極さんは、視線に「めすじ」とルビを振って表記している。
広辞苑に裏切られ京極さんに救われたという思い。
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