そう熱心な映画ファンではない。テレビでやるのをたまに見るていどであるが、おとといのザ・シネマHDの番組欄にあった「バベットの晩餐会」という題名に惹かれた。1987年デンマーク作品というのも興味を誘った。
【内容】
19世紀後半、重苦しい雲と海を背景にしたデンマーク・ユトランド半島の小さな村。牧師である老父と美しい姉妹、マーチーネとフィリパが清貧な暮しを送っていた。姉妹の元には若者たちや、姉にはスウェーデン軍人ローレンス、妹にはフランスの有名な歌手アシール・パパンが求愛するが、父は娘二人に仕事を手伝ってもらいたいと願い、また姉妹も父に仕える道を選び、申し出をすべて断り清廉な人生を過ごしながら年老いていく。父亡きあと、姉妹の元に家族を亡くしてフランスから亡命してきた女性バベットが、パパンの書いた手紙を携え家政婦として働くようになる。父亡きあと、村人の信仰心の衰えに気付いた姉妹は、父の生誕100年を記念したささやかな晩餐会を催して村人を招待することを思い付くが…。
ハリウッドの冒険活劇などものすごい予算を使う。爆発させたり破壊したりする車両等の多さにも驚く。それはそれでおもしろいのであるが、そう派手な見せ場がなくても映画はおもしろくなるという見本のような作品である。その点で山田洋次の「男はつらいよ」に通じる映画つくりである。
海が荒れるデンマーク北部で新教を信じる人たちの実につつましい生活ぶり。粗食であるから晩餐会に提供される食材を見て何を食べさせられるか不安になる村人。彼らは食事中、食べ物や味を話題にせず、とにかく神様の話をしようと誓い合う。このへんの畏れと、いざ料理が出てきてからの、口には出さないものの、味にうっとりしている風情のコントラストが絶妙。
それとともに厨房でせっせと料理をつくるバベットの立居振舞いにうっとりしてしまう。てきぱきと働く女、とくに料理の手際のいい女は食べてしまいたいほど美しい、ということを画面いっぱいに伝える。
バベットを演じるのは、ステファーヌ・オードラン。
•出生地: フランス・ヴェルサイユ
•生年月日: 1932年11月2日
•没年月日: 2018年3月27日(85歳没)
•本名: Colette Suzanne Dacheville
【ちなみに晩餐会にババットがつくった料理】
1. ウミガメのコンソメスープ
アペリティフ:シェリー・アモンティリャード
2. ブリニのデミドフ風(キャビアとサワークリームの載ったパンケーキ)
シャンパン:ヴーヴ・グリコの1860年物
3. ウズラとフォアグラのパイ詰め石棺風 黒トリュフのソース
赤ワイン:クロ・ヴージョの1845年物
4. 季節の野菜サラダ
5. チーズの盛り合わせ(カンタル・フルダンベール、フルーオーベルジュ)
6. クグロフ型のサヴァラン ラム酒風味(焼き菓子)
7. フルーツの盛り合わせ(マスカットなど)
8. コーヒー
9. ディジェスティフ:フィーヌ・シャンパーニュ(コニャック)
アペリティフ:シェリー・アモンティリャード
2. ブリニのデミドフ風(キャビアとサワークリームの載ったパンケーキ)
シャンパン:ヴーヴ・グリコの1860年物
3. ウズラとフォアグラのパイ詰め石棺風 黒トリュフのソース
赤ワイン:クロ・ヴージョの1845年物
4. 季節の野菜サラダ
5. チーズの盛り合わせ(カンタル・フルダンベール、フルーオーベルジュ)
6. クグロフ型のサヴァラン ラム酒風味(焼き菓子)
7. フルーツの盛り合わせ(マスカットなど)
8. コーヒー
9. ディジェスティフ:フィーヌ・シャンパーニュ(コニャック)