森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「検察側の罪人」を見てきました。

2018-09-13 15:35:07 | 映画

9月12日に義母と見てまいりました。なんだか最近、この92歳の姑が、私の映画フレンドになってきました。

 

この映画を二人で見に来ようと決めたのは、もちろんキムタク&ニノのW主演映画だからという、ミーハーな気持ちだったからなのです。何気にキムタクは中年以上の元女子のアイドルでもあるのですよね。だけど姑は、
「最近は、ちょっとニノの方が・・・・」
おばあちゃんったら~。

これはあの「ブラックペアン」をずっと楽しみに見ていた影響なんですね。

だけど私的にはキムタクが今回はヒールと言うので、期待値もあがっていました。

しかし私は先入観から、二人が戦う法廷劇なのかと思い込んでいたのです。まったく違いました。そしてその物語はキャストも良くストーリーも見ごたえ十分、心に残る作品になりました。

 

 

私、我が姑様を皆さんに褒めてもらいたいと思ってしまうのは、このような映画を一緒に見ている時です。見ている最中に

「おばあちゃん、これ理解してるかなあ。」などと一度たりとも心配することもなく、集中して見る事が出来るからです。

この映画、私が思うには、状況と背景に少々「そこは勝手に推理しやがれ !」と言う部分があるのでは。

本当はちゃんと描かれているのですが、あまりにも自然体の会話で描かれていたり、ストレートな言葉無しの幸せそうな微笑みだけでその時代の最上青年の感情を描いていたりで、分かり辛い人もいるのではないかと思いました。

また話の本筋ではないところですが、ある男の忠義の行動の裏付けが、夢で描かれていたりさりげなく置いてあった看板で「なるほど、そうか」とセリフに重みを与えていたりするので、見逃してしまうかもしれないと思ってしまいました。

だけどそう言う時は、「まあまあ」とスルーしてしまえば良いのですよ。

そして後からいろいろと考える。そこに映画を見る醍醐味もあり、後からのお茶での感想を言いあう時間が、また楽しくなると言うものなのですよね。

私もストレートに、あの人はどうしてと義母に聞かれたので、偉そうに解説してしまったりしましたが、まあ、それが少々間違えていても、ばれる心配もないので問題はないかと思います (笑)

 

《情報として「キムタクヒール役に」と出ているので、そこまでは良いかなと言う基準で書いていますが、まったく知りたくない方には、この先、少々ネタバレしています。》

 

私はドラマ好きなので、この映画のストーリーで二つのドラマの事を、ふっと思い浮かべてしまいました。一つは「絶対零度」。ここの未犯と言うシステムに最上の名が挙がってくることが出来たならば、このシステムは完璧になったと言えるなとか、もう一つは「相棒」で、あるセリフに右京だったら、

「関係ありませんよ !!」と激高するんじゃないかなと・・・・・

あっ、何気に沖野と右京は通じるものがあるのかもと、今思いました。

じゃあ、彼の正義は暴走する?

いや、暴走していたのは最上じゃないのか。

 

姑の感想。

「ラスト、ドキドキしちゃったわ~。捕まっちゃったら嫌だな~って。」

この感想、意外と突くべきところをついてるなって思いました。

 

頭の中で鳴り響く

「あんたの正義はなんだ~ ♪」って言う歌の歌詞。

 

以下は普通にネタバレしています。

 

 

 これは自分の中の正義の心のあぶり出しだなと、ちょっとだけ思ってしまいました。

確かに人は、自分のやった事以外の事で裁かれてはいけないと思います。だけど、そこの冤罪から逃れられたからと言って、こんな奴の為に祝う必要があるのかしらと、モヤモヤしていたら・・・・・

正直に言ってしまえば、あの松倉の最後には、スカッとしたかも。

許されちゃいけないんだ、こんな奴。

出来るならばこのように人為的ではなく、雷鳴に当たって欲しいなどと自分の中の道徳心を守るような事を言いたいけれど、そうは都合良くはいかないのも現実なのですよね。

 

親友が残した日本を闇に導く巨悪の証拠。それと立ち向かう自分の邪魔をするなのような事を最上は言うけれど、それに立ち向かうとするならば、自分の中の復讐の想いをかなぐり捨てれば、いや捨てなければならなかったのだと思います。裁判で裁くと願い、自分の手まで染めたと言うのに、その願いは叶わず、結局は諏訪部が動いて始末をつけてしまったのですから。

それは理想だと言われても、正義の剣は澄んで研ぎ澄まされていなければならないのだと、やはり思ってしまうのです。それでも義母が言う通り「捕まったら嫌だな。」と私も思ってしまう。

人の心に潜む闇は誰の中にもあるのでしょう。

最上は、きっと諏訪部と言う闇の世界の頼もしい味方の手を借りながら、巨悪と闘っていくのだと思います。自分自身も真っ黒に染まりながら。

 

ふと思いついたので、ちょっとだけ考えすぎの事を言ってしまうと、最上が自分の手を下したのは、ある意味悪魔との契約だと思いました。この先諏訪部は決して最上を裏切らないと思います。祖父同士の共通の体験としての絆(もしかしたら恩人?)と言うだけではなく、最上は既に同じ側に立っている人間だからです。

諏訪部は頼もしすぎます。まさにメフィストですよ。じゃあ、最上はファウストか・・・・。って、暴走しすぎだw

 

コホン。

 

ニノの見せ場はやっぱり、あの検事室での過激な取り調べシーンは外せないと思います。

そしてまた最上がまるで棒読みのように自分が考えたストーリーを語って行く時に、その向こうで頭をかき乱し苦悩するシーン。この二人のシーン凄く良かったです。

 

脇を支えた他のキャストさんの事にほとんど触れていませんが、全体的にハイレベル。

八嶋さんの小田島弁護士の奥さんなんか個性有りまくりで、出ている時間などはわずかでも、橘沙織と沖野と小田島夫妻で、どんな時間を過ごしたのかが容易に想像がつくような気がしました。

又松倉役の酒匂芳は、評判どうりの怪演で、見ているだけで本当に不愉快になれました。凄いと思いました。

 

 一回投稿した後に思いだしたので、またも追記してしまうのですが、ラスト、ちょっと私、ドキドキしました。最上が隣の部屋に行って、・・・・・・・

 

あの銃がまだあったとしたらって。

手に取ったのはハーモニカだったじゃないですか。そこにはどのような意味が!?

たぶんそれはあの夢の中で祖父が吹いていた物なのかも知れませんが、それを手に取ったのは如何なる意味がるのか、私がよく分からないのはそこかも知れません。

私、分かりやすくハーモニカと銃が並んで置いてあって欲しかったと思いました。一目瞭然ですよね。だけど最上が手に取ったのはハーモニカ。ぎゅうっと握りしめながら沖野を見送る・・・

すみませんねえ。こういうのは映画好きの悪い癖ってやつですね。

もう終わりにしますからね。

 

 

コメント (2)
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