関東学院の第一回の入学式(大正8年 1919年)の様子が記されている。
この時、建学の精神『人となれ』『奉仕せよ』が祈りにより定められたとされている。
以下、坂田祐著「恩寵の生涯」より
・・・従来ミッションスクールは入学式とか卒業式などには、日本の国旗を掲げないで米国の国旗を掲げるのが多かった。聖書の朗読、讃美歌の合唱はあったが、教育勅語の奉読、国歌君が代の斉唱はなかった。これは私の気に入らないことであった。関東学院はキリスト教主義の学校ではあるけれども、日本の学校で、日本人を教育するのであるから、この創立第一回の入学式に、日の丸の国旗をたて、君が代を斉唱し、教育勅語の奉読し、聖書朗読、祈祷をもって挙式した。私は式辞にキリスト教の精神を高調して建学の精神とし、これを具体的に表現するために『人となれ』と力説した。これは私が祈って上から示された言葉であった。『・・・諸子は将来学者になり、教育家になり、実業家になり、政治家になり、弁護士になり、医者になり、軍人になり・・・になるであろうが、何者にかなる前に、まず人にならねばならない・・・・』と強調した。
次に述べたことは『奉仕せよ』であつた。人のために、社会のために、国のために、人類のために尽くすことであると力説した。爾来キリスト教の精神をもって本学院建学の精神とし、これを具体的に表現するために『人となれ』『奉仕せよ』の二つの言葉を校訓として、機会ある毎にこれを強調して今日に至ったのである。
キリストの教訓をもって人たる人格をみがき、キリストの愛の精神をもって奉仕することである。入学式をもって、ここに学校は開始された。・・・・
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