サイレント・プア――「声なき貧困」、あるいは「見えない貧しさ」。
現代における貧困は単なる経済的貧しさを意味しない、地域における孤独や弧立こそ、
新しい今の時代の貧しさなのだという、取材を通じた現実を基に、
真の豊かさとは何かを問うドラマ。
ドラマ10 『サイレント・プア』毎週火曜 午後10時00分~10時48分
作者 相良敦子
演出 伊勢田雅也/清水拓哉/長谷知記
音楽 佐橋俊彦
主題歌 Hold Your Hand/Perfume
出演 深田恭子/北村有起哉/桜庭ななみ/北村総一朗/長内美那子/市毛良枝/米倉斉加年
【第5回】30年の孤独
涼が作った引きこもりの自立を支援するサロンに否定的な自治会長の園村幹夫(北村総一朗)。だがその園村のひとり息子で海外で成功しているはずの健一(阪田マサノブ)は、実は何と30年間も自宅に引きこもっていた。息子の行く末を案じた園村は、涼に健一の存在を打ち明ける。涼は背景に、人生の選択の全てを父である園村が決めてしまっていた問題があると見抜き、それぞれに語りかけることで親子の間を変えようとする。。
涼たちが支援している、引きこもりの自立をサポートするカフェに
園村が現れ、手当たり次第に「何で出てくる気になったんだ?」とその場にいた青年たちに詰め寄り、
その様子に何かを感じた涼は園村に話を聞こうとします。
しかし、その存在を隠し続けていた園村も、引きこもりの息子がもう50にもなることから、
自分ではどうすることも出来ずにいた息子の存在を打ち明け、涼に助けを求め―。
毎日声掛けをする中で、健一の気力を奪った傷に触れる涼は、
自分の価値観を息子に押し付け、受験の失敗から、人生の落伍者のように傷つけ、
他の選択を許さなかったことが誤りだと園村に静かに断じます。
そんな事で、と思う人も多くいると思います。
しかし、そこで親に聞き入れてもらえず家を出る勇気のない人が、きっかけを掴めぬまま30年…。
何かの記事で、実は40代、50代の引きこもりが多いというのを目にしたことがありました。
それは引き籠っている方も苦しいかもしれないけど、年々老いを感じる親にしてみたら
藁にもすがりたい思いであったという気がして、、この親子を見守りました。
あの絵を観た時には、思わず知らず、、涙が出ました。。。
彼が30年ぶりに描いたのは、、地平線まで真っ直ぐ延びた「道」でした。
課長のいう「声なき声を拾う」涼の、
心の感度がいいというのか、
誰もが自分から訴え出てこれない問題に力を貸してくれるCSWの存在は、
縦割り行政の隙間の苦難であり、その為に予算確保もままならない現状の救いです。
いろんなケースの対応(支援)もまた、彼女たちが奔走して地域の協力者をみつけて成り立っているのですよね~・・。
着古した古い服も、ちゃんとキレイにアイロンをかけて身に着ければ
昨日とは違った、新しい自分になれる気がする――新しい日になる気がする…。
心を込めて、夢中で仕事をして、やっと生きて息がつけた、、涼自身の
過去から解き放たれ、自分から解放される日は何時なんでしょうか・・?