一番観たかった映画を観て来ました。
『Shall We ダンス?』以来11年ぶの周防正行監督の本格的な社会派ドラマだということで
監督自身珍しく番宣に精を出しておられた。
その番組の中でアメリカで上映された時、
「観客が笑ったんですよ。それがショックでした」「日本が哂われた気がしました」
「僕はリアルを描きたかった」「これが日本の現実なんです」と例の淡々とした口調でコメントしてらして
その時点でだいたいの予測はつきました。
そして、それがどの場面かも解り
そして私は日本人なので、そのシーンでは怒り、監督のコメントを思い出していました
周防監督の映画ではお馴染みの役所広司・竹中直人・田口浩正をはじめ
どんなに出演シーンの少ない俳優さんの誰もがぴったりと嵌ったキャスティングも流石
民事専門のチャラけた弁護士が益岡徹
似合いすぎでした
表情のないいかにもな裁判官に正名僕蔵
そして彼に代わる担当裁判官に、いい人の代表のような小日向文世
・・・でも、彼のいい人そうな顔に騙されてはいけないってこと、私知ってるから厭な予感したの
「神様、もう少しだけ」で真生(恭子ちゃん)のHIV感染の告白を聞き、
その場では優しい顔で「大丈夫だよ」って言っときながら内定取り消した人だもん
そして
『硫黄島からの手紙』でその存在感ある演技で注目された加瀬亮くん
その仔犬のような眼差しは、友人や親がどうしても頑張らなくちゃいけなくなる目でした
「火・サスペンス」などにありがちな法廷での派手な検事
弁護士などもなく
本当に客観的に
国家権力を相手に闘う、普通の人々が描かれていて
分かってはいても「やっていない事の証明」などという理不尽な宿題の提出に
腹立たしさを覚えました
この映画は司法を志す人にこそ観て頂きたい
そして「疑わしきは罰せず」の原点に基づく裁判が、普通にできる日本にして頂きたい
それと、改めて人との関わり方を考えさせられました。
何かあった時の強い味方。そんな絆を培って生きなければ・・・そんな気持ちになりました