死ぬことさえ、許されない。
ならば、運命を斬り開くまで。
製作年度 2010年
上映時間 114分
原作 藤沢周平『必死剣 鳥刺し』(文春文庫刊『隠し剣 孤影抄』所収)
脚本 伊藤秀裕/江良至
監督 平山秀幸
音楽 EDISON
出演 豊川悦司/池脇千鶴/吉川晃司/戸田菜穂/村上淳/関めぐみ/高橋和也/小日向文世/岸部一徳
藤沢周平の時代小説「隠し剣」シリーズの中でも、現代に通じる傑作と名高い「必死剣鳥刺し」を『しゃべれども しゃべれども』の平山秀幸が映画化。剣豪であるがゆえに、過酷な運命に翻弄(ほんろう)されていく武士の心情が描かれていく。
江戸時代、海坂藩の近習頭取・兼見三左ェ門(豊川悦司)は、藩主・右京太夫(村上淳)の失政の元凶である愛妾(あいしょう)・連子(関めぐみ)を3年前に城中で刺し殺すものの、寛大な処分によって再び藩主に仕えることに。亡妻・睦江(戸田菜穂)のめいであり、身の周りの世話をしてくれる里尾(池脇千鶴)との日々の中で生きる力を取り戻すが……。
ハドリー・チェイスや、R.チャンドラーなどにわくわくしながらも、一方で10代の頃から浸った池波正太郎や藤沢周平の描く男の世界に惹かれていました。
山本周五郎の武家モノとはまた違った剣客の孤独な世界観を、なぜか若い頃から好きだったです~。
で、私としては山田洋次郎監督の武士の一分ぶりの藤沢原作モノ。最初の『たそがれ清兵衛』が特に好きですが、
時代劇にはちょっと不安のある(ゴメン!)トヨエツの高い声も、セリフが少なめなのでよかった(笑)
主君の愛妾を刺殺する―、それも公然と!
それは死を賭けた行為であったはず。
兼見三左ェ門の人生は、そこで完結するはずであった。
しかし、そうはならなかった。そうさせない力が働いた時、捨てたはずの人生をまた受け入れようと努める。
閉門蟄居の間、
亡き妻の姪の援けを借りながら彼の脳裏を去来する、穏やかだった妻との日々―、
城中での連子の我が侭勝手な振る舞いに、それを許す愚君、振り回される人々のこと―、
民衆の現状を知り、唯一殿に進言できる御別家・帯屋隼人正のこと…、
そして何より腑に落ちない軽すぎる処罰。誰が、何のために?!
1年の無禄の暮らしを支えた姪の里尾との暮らしで生きる力を取り戻した時、再び中老・津田から声が掛かる。
津田は秘剣を会得するという三左エ門に、殿の温情に報いる為御側近くに勤めよというのだが…
平和な江戸時代にあっても、常に己を磨き、いざ鎌倉に務める。
この時代の三左エ門のように、野心のない武士にとってもそうであっただろう。
しかし、その実直で誠実な男が、必死必勝の秘剣を有する剣客であったことから過酷な運命を辿ることになる....
東北の海坂藩の慎ましい下級武士の暮らしぶりを、池脇千鶴演じる里尾の日常で感じられるし、
愚君の贅沢さと、城内で執務する武士たちの様子に哀しき宮仕えを映し、
そして淡々として来るべきクライマックスに引きずり込まれる。。。
そのクライマックスは壮絶です。
おびただしい血が流れます。
しかし、それなくしてはこの物語は終われない。
そこで眼をつぶっては、三左エ門の必死必勝の秘剣・鳥刺しを見逃してしまうのです。。。
生かされていたのは何のためか?!
閉門が解かれたときに職を辞するチャンスがあったように思えたけど、
実際は亡き妻の親戚とか、しがらみもあって無理だったんだろうなと思うけど、、、
脱藩する気でいたんだろうか。
トヨエツ、今度も愛妻家(笑)
武家の娘というよりは町娘のイメージの池脇千鶴ちゃんも頑張っていてよかったです。
美術もさりげなく凝っていて、素朴で美しい彩りの、丁寧な時代劇でした。
ならば、運命を斬り開くまで。
製作年度 2010年
上映時間 114分
原作 藤沢周平『必死剣 鳥刺し』(文春文庫刊『隠し剣 孤影抄』所収)
脚本 伊藤秀裕/江良至
監督 平山秀幸
音楽 EDISON
出演 豊川悦司/池脇千鶴/吉川晃司/戸田菜穂/村上淳/関めぐみ/高橋和也/小日向文世/岸部一徳
藤沢周平の時代小説「隠し剣」シリーズの中でも、現代に通じる傑作と名高い「必死剣鳥刺し」を『しゃべれども しゃべれども』の平山秀幸が映画化。剣豪であるがゆえに、過酷な運命に翻弄(ほんろう)されていく武士の心情が描かれていく。
江戸時代、海坂藩の近習頭取・兼見三左ェ門(豊川悦司)は、藩主・右京太夫(村上淳)の失政の元凶である愛妾(あいしょう)・連子(関めぐみ)を3年前に城中で刺し殺すものの、寛大な処分によって再び藩主に仕えることに。亡妻・睦江(戸田菜穂)のめいであり、身の周りの世話をしてくれる里尾(池脇千鶴)との日々の中で生きる力を取り戻すが……。
ハドリー・チェイスや、R.チャンドラーなどにわくわくしながらも、一方で10代の頃から浸った池波正太郎や藤沢周平の描く男の世界に惹かれていました。
山本周五郎の武家モノとはまた違った剣客の孤独な世界観を、なぜか若い頃から好きだったです~。
で、私としては山田洋次郎監督の武士の一分ぶりの藤沢原作モノ。最初の『たそがれ清兵衛』が特に好きですが、
時代劇にはちょっと不安のある(ゴメン!)トヨエツの高い声も、セリフが少なめなのでよかった(笑)
主君の愛妾を刺殺する―、それも公然と!
それは死を賭けた行為であったはず。
兼見三左ェ門の人生は、そこで完結するはずであった。
しかし、そうはならなかった。そうさせない力が働いた時、捨てたはずの人生をまた受け入れようと努める。
閉門蟄居の間、
亡き妻の姪の援けを借りながら彼の脳裏を去来する、穏やかだった妻との日々―、
城中での連子の我が侭勝手な振る舞いに、それを許す愚君、振り回される人々のこと―、
民衆の現状を知り、唯一殿に進言できる御別家・帯屋隼人正のこと…、
そして何より腑に落ちない軽すぎる処罰。誰が、何のために?!
1年の無禄の暮らしを支えた姪の里尾との暮らしで生きる力を取り戻した時、再び中老・津田から声が掛かる。
津田は秘剣を会得するという三左エ門に、殿の温情に報いる為御側近くに勤めよというのだが…
平和な江戸時代にあっても、常に己を磨き、いざ鎌倉に務める。
この時代の三左エ門のように、野心のない武士にとってもそうであっただろう。
しかし、その実直で誠実な男が、必死必勝の秘剣を有する剣客であったことから過酷な運命を辿ることになる....
東北の海坂藩の慎ましい下級武士の暮らしぶりを、池脇千鶴演じる里尾の日常で感じられるし、
愚君の贅沢さと、城内で執務する武士たちの様子に哀しき宮仕えを映し、
そして淡々として来るべきクライマックスに引きずり込まれる。。。
そのクライマックスは壮絶です。
おびただしい血が流れます。
しかし、それなくしてはこの物語は終われない。
そこで眼をつぶっては、三左エ門の必死必勝の秘剣・鳥刺しを見逃してしまうのです。。。
生かされていたのは何のためか?!
閉門が解かれたときに職を辞するチャンスがあったように思えたけど、
実際は亡き妻の親戚とか、しがらみもあって無理だったんだろうなと思うけど、、、
脱藩する気でいたんだろうか。
トヨエツ、今度も愛妻家(笑)
武家の娘というよりは町娘のイメージの池脇千鶴ちゃんも頑張っていてよかったです。
美術もさりげなく凝っていて、素朴で美しい彩りの、丁寧な時代劇でした。
京都には昔何度か行きましたが、外出はいつも仕事か接待(案内)で、
太秦には行ったことがないのですよ。
いつか恭子ちゃんの撮影がある時に行きたいです~。
この作品は、終盤のあの15分ほどの為に、残りの1時間半程は費やされていたのですよね~。
見方を変えると、一人の男の愛の物語ともいえる行き様でした。
この年は時代劇祭り状態でしたね。なかなか見応えがありました。死相に満ちた豊川悦司の鋭い目に釘付け。めっちゃ怖かったです。連子役の四白眼は迫力ありましたね。ビビりますよ。時代劇は目がポイントなのですね!先日太秦映画村を見に行きました。なかなか楽しかったです。キリリとした沖田さんとお芝居中に目があって台詞を言われた瞬間熱いモノが込み上げました…。Σ( □ //)
「生きる意味を失って死に急ぐ」
シンプルな男ゆえの苦悩と生き様を、観る側も緊張を持って推し量る、そんな作品でしたね。
池脇千鶴ちゃん、達者なひとですが、イメージはどうしても武家じゃない(笑)
またお邪魔します。今後とも宜しくお願いします♪
なかなか緊張感のある映画でした。ひとりの男の覚悟と生き様を見たきがしました。
池脇千鶴ちゃん下町の娘って感じでしたね。
時々はお邪魔して、美味しいお写真も拝見してるのですが
>夫としてはタイプがちょっと違っていましたが
あはは、そうですねぇ、
どちらもヤモメの愛妻家でしたが、
選ばせてくれるんなら、コチラのトヨエツがいいかな~。
一応、後追いも辞さないぐらいってことで、
静かな中にも情熱を秘めた感じがいいわあ~
残暑お見舞い申し上げます。
チョイ、おひさです
それにしても、ホント、毎日毎日暑いですねぇ
ソフトクリームの溶けるのが早いこと早いこと(←そっちかいっ)
仰るようにトヨエツ、今度も愛妻家ですね(笑)
夫としてはタイプがちょっと違っていましたが(笑)
まだまだ残暑厳しき折、ご自愛くださいませ~