to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

南極料理人

2009-08-27 00:57:22 | the cinema (ナ行)
おいしいごはん、できました。
氷点下54℃、
家族が待つ日本までの距離
14,000km
究極の単身赴任。

上映時間 125分
原作 西村淳 『面白南極料理人』『面白南極料理人 笑う食卓』(新潮文庫刊)
脚本・監督 沖田修一
出演 堺雅人/生瀬勝久/きたろう/高良健吾/豊原功補/西田尚美/古舘寛治/小浜正寛/黒田大輔/小出早織/宇梶剛士/嶋田久作

南極観測隊に料理人として参加した、西村淳原作のエッセー「面白南極料理人」を映画化した癒し系人間ドラマ。
西村(堺雅人)は南極の昭和基地からも遠く離れた陸の孤島、南極ドームふじ基地に料理人として派遣される。妻(西田尚美)と娘を置いての単身赴任生活で、彼は8人の男性南極越冬隊員たちの胃袋を満たすという大役を任される。基地では雪氷学者(生瀬勝久)をはじめ、雪氷サポート隊員(高良健吾)らが彼の料理を心待ちにしており……。

南極ドームふじ基地。
日本から14,000キロ。平均気温ー57℃。ペンギンもアザラシも、ウィルスさえ生息できない環境。
西村は志願したわけでもないのに、越冬観測隊の一員として1年半を過ごすことになる。
その1年半の隊員たちの胃袋に消えていった、美味しそうなメニューと、
8人の夫々の仕事をこなしながらの日常を、ゆるいタッチで映していく。

氷はあるが水はない南極。
節水を心がけながらも、一応の日常生活に支障を来たすほどではないが、
朝の洗面風景とか
夜の娯楽のひと時とか個室の様子、電話の横に置かれた砂時計など
基地の中の様子はなかなか興味深かった。
快適さの中にある孤独感や距離感も伝わってくる。

おそらくはどんなにまつげが凍った映像とか見ても、その過酷さは私たちには想像も出来ない、きっと。
その過酷な毎日に食事の愉しさを与える西村は、さながら8人家族の母親のよう。
赤の他人が、仕事とはいえ、1年半も毎日一緒に顔をつき合わせていく。
単調になりがちの娯楽に乏しい日々を、いかに楽しく過ごそうかという大人少年たちの南極暮らし。

個性豊かなメンバーの中で、
ラーメン命の隊長(きたろう)のエピ、
超~ポジティブ思考のドクター(豊原功補)の存在が楽しい

一番若い兄やん(高良健吾)はしばしばホームシックにかかる。「渋谷とか行きてぇ・・」にキュン。
ケンカのとばっちりで、愛娘のお守りが消え消沈してしまう西村が、みんなの作ったから揚げを食べるシーンでウルル。

作品中、何度出てきたか分からない食事のシーン。
美味しい」を封印したかのような、隊員たちの貪り喰らう様は気持ちがいいくらいだけど、
やはり心を込めて作った料理は、素直に美味しい顔をして「美味い!」というのが自然。
頑なにそこを避けて、ようやく美味しい顔で、極上の「うまい!」がきけて嬉しかった

ちなみに豪華料理がバンバンでてきますが、
私が一番そそられたのは、堺さんの手で握られるおにぎりでした~



あなたは何に心をわしづかみにされましたか(笑)
お腹が空いたままでコレを見ると、少しムカつくかもしれません(笑)

究極の単身赴任の男たちの、ユーモアと美味しいご飯で乗り切った1年半。良かったです
コメント (14)
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