to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

永遠のこどもたち

2008-12-30 17:29:44 | the cinema (ア行)
愛を信じたら、本物の光が見える。
原題 EL ORFANATO/THE ORPHANAGE
製作国・地域 スペイン/メキシコ
製作年度 2007年
上映時間 108分
監督 J・A・バヨナ
音楽 フェルナンド・ベラスケス
出演 ベレン・ルエダ/フェルナンド・カヨ/ロジェール・プリンセプ/ジェラルディン・チャップリン/マベル・リベラ

『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロをプロデューサーに迎え製作されたスペイン発のホラー映画。
孤児院で育ったラウラ(ベレン・ルエダ)は、長らく閉鎖されていたその孤児院を買い取り、障害を持つ子どもたちのホームとして再建しようと夫のカルロス(フェルナンド・カヨ)、息子のシモン(ロジェール・プリンセプ)とともに移り住んでいた。だが、シモンは遊び相手のいない寂しさから空想上の友だちを作って遊ぶようになり、その姿にラウラは不安を覚える。そして入園希望者を集めたパーティーの日、シモンはこつ然と姿を消してしまい……。(シネマトゥデイ)

かなり前になるけど、一度だけ観た予告が怖そうで、
またも私の中のセコムが警報を鳴らしたの(笑)で、気になりつつもパスする予定だったのですが
我想―個人映画美的女人blogのmigさんが、ホラー苦手の方にもと、オススメしてらっしゃったので行ってきました!
結論から言うと、とっても良かったです~

怖いし、やっぱり「ホラー」なんでしょうが、
私にはホラー的怖さには感じられず、サスペンスフルなドキドキ感のほうが上回ってました。

いかにもな古い洋館といい、光の効果的な使い方などにも
ちょっと「パンズ・ラビリンス」を彷彿とさせる雰囲気があるけど、
あのような痛いシーン(拷問トカ縫い針など)はなく、そこが苦手だった私にはセーフでした。

内容も、忽然と消えたわが子を案じ、狂気のように捜し求める夫婦の葛藤が描かれ、
手がかりを求めるうちに行き会う人たちや、
不思議な現象を通して、混乱しながらも立ち向かうラウラの姿を、
ただ祈りとともに見守っていました。

母というもの。その子育ての日常に起きるささいな行き違い。
親なら誰にも覚えのあるその時の優先順位―ああ、しかし、時は巻き戻せない....



そして悲運というよりも、宿命というのでしょうか、
人それぞれに神から与えられた”命題”というようなものも感じる物語でした。
ラウラが辿り着く真実――それは神が彼女に望んだことなのでしょうか。

シモンのつぶやいた「大人にならないんじゃない。・・・なれないんだ」が最後思い出され、
そして・・嬉しそうなカルロスの表情にも胸が詰まります。
このラストもまたギレルモ・デル・トロらしいですね。
とっても良かったです~