180269 『社会起業家』斎藤槙著
「社会責任ビジネスの新しい潮流」
猛獣王S ( 30代 東京 営業 ) 08/06/29 PM03
『社会起業家-社会責任ビジネスの新しい潮流』(斎藤槙/著 2004年07月発行)
●本の内容http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0407/sin_k184.html
エコノミーとエコロジーの両立をめざして
21世紀になっても相次ぐ企業の不祥事や長引く景気の低迷から、今の日本ほど企業で働くことの意味が問われている時代はないのではないでしょうか。
そういう中で、単に収入を得る手段としてだけではなく、自己実現のために、そして環境・人権などの課題に使命感をもつ――このような価値観をもって働く社会起業家が注目されてきています。
「ビジネス界のチアリーダー」と自称してロサンゼルスで活躍している、自身社会起業家(社会責任コンサルタント)でもある著者が、社会責任投資の高まり、企業とNPOのパートナーシップといった新しい動向を明らかにしながら、アメリカ・日本の社会起業家の生き方・働き方を紹介し、その意義を考えてみようという一冊です。
利益至上主義の企業の在り方に疑問を感じている人、ビジネスを通じて環境や社会によいことをしたいと思っている人、就職活動・転職活動で迷っている人などに是非読んでいただきたいと思います。
(新書編集部 平田賢一)
●目次http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0407/sin_k184.html
はじめに
第1章 NPOのような企業、企業のようなNPO
1 アイスクリーム屋? それとも環境・社会運動家?
――ベン&ジェリー・アイスクリーム――
2 高い経営手腕を発揮するNPO
――コモングラウンド――
3 社会起業家とは何か
4 良識ある消費者が社会を変える
第2章 ビジネスの社会化、NPOのビジネス化の潮流
1 ビジネスの社会化の潮流
(1)企業のグローバル化
(2)ステークホルダー(利害関係者)の行動の変化
(3)エンロン事件の影響
2 NPOのビジネス化の潮流
(1)「小さな政府」の増加
(2)資金調達の困難
(3)ベンチャー・フィランソロピーの登場
3 企業とNPOのパートナーシップ
第3章 社会起業家を生み出す基盤
(1)社会起業家のサポーターたち
(2)社会改革につながる社会責任投資(SRI)の高まり
(3)未来の社会起業家の育成システム
第4章 活躍する社会起業家たち アメリカ篇
1 会社は社会を変えるための道具
――パタゴニアのイヴォン・シュイナード――
2 企業に社会責任を認知させたパイオニア
――CEP、SAIのアリス・テッパー・マーリン――
3 始まりはテイクアウトのコーヒーショップから
――ホワイト・ドッグ・カフェのジュディ・ウィックス
第5章 活躍する社会起業家たち 日本篇
1 同じ価値観の人と暮らせればよい
――ムパタ・サファリ・クラブと雑誌『ソトコト』の小黒一三
2 健常者と障害者のバリアをなくすために
――(財)共用品推進機構の星川安之
3 毎日をアースデーにする地域通貨
――アースデー・マネーの池田正昭
4 社会責任投資(SRI)普及をリードする
――株式会社インテグレックスの秋山をね
結びにかえて――社会起業家たちのインパクト
あとがき
●著者からのメッセージhttp://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0407/sin_k184.html
企業の社会責任(CSR)や社会責任投資(SRI)という言葉がメディアを賑わすようになって久しいですが、私もロサンゼルスに住みながら、日米を拠点にこのテーマでコンサルティングの仕事をしています。その中で、悩みを抱えながらも活躍する企業担当者や、素敵な社会起業家たちとの出会いがたくさんあります。2000年に出した『企業評価の新しいモノサシ~社会責任の基準から』(生産性出版)では、ご紹介しきれなかったこれらの方々の魅力や想いをお伝えしたいと思い、今回は人に焦点を当てた本を書きました。
社会起業家から教わった生き方、働き方の10の極意を披露すると……
1.自分の好きなこと、楽しいことに夢中になろう。
2.いろいろな人と喜びや悩みを分かち合おう。
3.効率を優先させない。何が大切かを見極める。
4.かわいい子には旅をさせよ。かわいい子だけでなく、自分がかわいい大人も旅に出よう。きっと名案が浮かぶから。
5.おかげさまで、の気持ちを忘れずにいよう。
6.あきらめるから失敗する。成功するまで頑張ろう。
7.人と競争するのではなく「協奏」しよう。
8.人生に無駄はない。一見、マイナスなことでもそこから何かが見えてくる。
9.人がどう思うかではなく、自分がどう思うかを大切にしよう。
10.たまには自分を褒めよう。
皆様にも元気が伝わりますように。そして生き方、働き方のヒントになりますように。
●著者情報 http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/31405604/pg_from/rcmd_detail_5
斎藤 槙(サイトウ マキ)
1967年東京に生まれる。1991年聖心女子大学卒業後、広告代理店電通入社。1998年米国コロンビア大学国際関係大学院修士号取得。その後、ニューヨークを拠点として、企業の社会責任度調査・格付けを行うシンクタンクCEP並びに世界労働規格SA8000を認定する組織SAIなどを経て、インターネットを媒介として企業・NPO・市民をつなぐEarth Sectorの共同設立者として起業。現在はロサンゼルスにてコンサルティング会社ASU International代表・社会責任コンサルタント