観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
※無断転載は一切禁止。

「世にも奇妙な物語 20周年スペシャル・秋 ~人気作家競演編~」

2010年10月05日 | 映画・ドラマ
 全5編が恐怖物ではなく、ファンタスチックかつ深い物語だった。さすが、人気作家競演編だけのことはある。どの話しも切なくそして心に響いた。この20年の中での最高傑作だ。特に堀北真希主演の「栞の恋」は「世にも奇妙な物語」をスピンオフ(でいいのか?)して単独のスペシャルドラマや映画でもいい内容だ。また、どの話しもいい役者を使ってる。

京極夏彦「厭な扉」主演 江口洋介
 ホームレス役の江口洋介がゴミを漁る。家族も仕事も生きる希望も何もかもをなくした男の前に謎の中年紳士現れた。

万城目学「はじめの一歩」主演 大野智
 マジメなサラリーマンの大野智の口癖は…恋人の田中麗奈はそんな口癖が嫌で…。伊東四朗演じる怪しい神さまが降臨して。

朱川湊人「栞の恋」主演 堀北真希
 1冊の本に挟まれた栞がとりもつ不思議で切ない恋物語。

東野圭吾「殺意取扱説明書」主演 玉木宏
 殺意取扱説明書を手にした玉木。殺したい相手とは…そして思いもかけないその結末は。

宮部みゆき「燔祭」主演 広末涼子
 復讐という秘密で結ばれた男女のつながりと互いの恋心を広末涼子と香川照之切なく大人の恋を魅せてくれます。

「明日への遺言」。戦犯物は観る度に理不尽さを押し留められず

2010年10月05日 | 映画・ドラマ
 こういった戦犯物を観る度に思うのが、「理不尽也」。実行犯だったのは一兵卒。「私は貝になりたい」での名台詞、「どこの軍隊に話しをしているのですか」が耳に焼き付いている。「命令でも断ればいい」といった米軍からの意見に対しての台詞だった。
 「明日への遺言」では、陸軍中将だった岡田資(藤田まこと)は、名古屋大空襲の際に撃墜され、脱出し捕らわれたB29の搭乗員を、ハーグ条約違反の戦争犯罪人として略式命令により斬首処刑した罪で、B級戦犯として横浜法廷(軍事裁判)で裁かれる。
 映像は、この裁判シーンがほとんどを締める。よって、役者の器量がかなり重要だと言う事だ。言葉と表情だけで演じ切らなくてはならない。
 岡田は戦勝国による理不尽な裁判と戦うため、米軍による無差別爆撃の非人道的行為の違法性を主張し、アメリカ軍側の無差別爆撃の正当化を批判する一方で、捕虜処刑に関わった部下を庇い、一切の責任を負い露と消える。
 本当に、米軍はどれだけの日本人非戦闘員を殺したのだろう。それを分かっているのだろうか? 核爆弾まで落とし、これは殺戮だ。そのことを棚の上に上げて、あんな無駄な戦争を生き抜いた人たちを戦犯として、よくも処刑できたものだとつくづくと思う。一種の精神的高揚の狂気でもある戦争が終われば、またみんな普通のおっちゃんや普通の青年なのに。
 ソビエトなどもってのほか。連合軍の勝利が確定してから戦線表明し、終戦後北方領土に攻め入って、戦争が終わっているにも関わらず、命を落とした日本の青年たち。そして、協定無視の戦後の拘束・強制労働でどれだけの日本人が死んだと思ってるんだ。
 敗戦国からのみ、戦犯を出すのは、古来からの習わしかもしれないが、「喧嘩両成敗」のキリスト教の教えに逆らってはいないかい? 欧米の方々よ!