かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

僕の心細道(107:キリマンジャロへの旅編-第十三章)

2010-05-15 11:07:46 | 旅行
-9日目(1月2日)-
夜中11時過ぎに目が覚め、トイレへ。
4時間ほどの仮眠だったが、よく眠れた。
調子は良い。外は暗い。
夜中12時半頃お茶とビスケットという簡単な食事で腹ごしらえをする。
寒くないよう身支度もすませる。

午前1時、いよいよ頂上を目指して、キボハット小屋を後にして、ゆっくりとした足取りで登山開始。
もちろんヘッドランプの明かりを頼りに。
最初はそれほど急な坂ではない。
しかし、歩き始めてしばらくすると、しだいに急な坂になり、火山礫や砂のガレ地のジグザグ道になってきた。
寒い! 鼻水が出る。 
やはりダウンジャケットにしていて良かった。
2度ほど小休憩する。
その合間にソーセージだけ何とか食べる。
苦しいのと鼻水とで、鼻だけでの呼吸が出来なくなり、喉がカラカラになる。
水分が欲しい!
しんどい・・・
 

標高ほぼ5,000mのハンスマイヤーズケーブの岩屋で休憩となる。
ここで、リーダーの提案で歩みの速い組(ウフルピークを目指す人)と遅い組(ギルマンズポイントまで)とに分かれる。
私は何とかなりそうだと思い、速い組について歩き始めた。
が、だめだった。 

自分にはそのペースについていくのは、ちときつすぎた。
そこで、遅い組と一緒に歩調を合わせることにした。

さすがに5,000mを過ぎるとさらにきつくなった。 呼吸も速くなる。
そして時々、「キーン」というような感じで頭が鳴る。
しかし、たいしたことはない と感じた。
呼吸が苦しいものの、幸い吐き気はない。
足元には昨夕降った雪が凍り付いていて時々滑る。
この頃になると、10m程進んでは立ち止まって、肩で息をするということの繰り返し。
・・・  ・・・・  

ガレ場道から岩場になり、頂上が近づいたことを感じさせた。
先に上った別グループの人たちの中には、ガイドに身体を抱きかかえられながら、フラフラ状態で下りてくる人もいる。
そんな光景をみて緊張しながら、自分はなんとか持ちそうだとゆっくりゆっくり頂上を目指す。

しだいに岩場の陰に雪が多くなってきていよいよ頂上が近いことを実感し、
ついに明け方、火口ふちの頂上ギルマンズポイント(5,682m)まで登りきることができた。 
 これまで見上げていたマウェンジ峰が下に見える。


  【マウェンジ峰(5,150m)



歩く速度の速い人たちは、もう既に最高点ウフルピーク(5,896m)を目指していた。
富士山でいえば、神社のある所と真の最高点剣が峰といったところだろうか。
私は、ちょっぴり残念ではあったが、頂上の氷河も見ることができたし(この氷河、一説には2020年までには完全に消失するという話もある)、時間的にも体力的にもほとんど余力はなく、ギルマンズポイントまで登れたことで大満足だった。 

グループの方たちに迷惑をかけないように、登れるところまで行ければいいや、とずっと思っていたから。


  【頂上の氷河 なぜか階段状】

  ≪つづく≫


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