かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

僕の心細道(106:キリマンジャロへの旅編-第十二章)

2010-05-08 11:27:50 | 旅行
-8日目(1月1日)-
ホロンボハット2日目の朝、いつもの時間帯に起床、そして朝食。
本来なら初日の出というところだが、今日も日の出には間に合わなかった。
呼吸数20、脈拍数92
3,700mの高所ではこんなもんだろう。
相変わらずお腹の調子は良くなく、ウンチは軟らかい。
今日は、最後の山小屋 4,700mのキボハットを目指して進む。


  【最後目指すはあの白い頂】

8時半頃出発。
ポレ ポレ(ゆっくり ゆっくり) 
最初やや急な坂をひと越えすると、その後しばらくは、草原帯のようなところを進む。
キリマンジャロのピークを見やりながら。



樹木はすべて身長より低い。
マウェンジ・リッジ(溶岩流の高まりか?)あたりで少し急な上りがあるが、おおむね緩やかな斜面だ。
やがて、湿原のようなところLast Waterに到着し、休憩となる。



ここでほぼ標高4,000m。
食べ物を少し腹に入れる。
ゆっくり歩いてきたおかげで息切れも頭痛もない。





この後しばらく進むとザ・サドルと呼ばれる広々とした砂漠帯となり、植物はほとんどなくなった。
乾燥しているため土ぼこりがすごく、靴が白っぽくなってきた。
時々強い風が吹き、乾いた土をまき上げる。
どんどんキリマンジャロの山頂(キボ峰)が迫ってくる。
が、しょっちゅう雲が出てきてなかなか頂上まで見えることは少ない。

しばらく進んで、砂漠帯の所で休憩&ランチとなった。
植物がないので岩の陰に風を避けるようにして、みなさん思い思いに座り込む。
冷えるのは良くないので、オーバーズボンをはく。
ウン、これならば少々の風もほとんど気にならず快適だ。



やがて、ルートは右に回り込むようになる。

最後4,400m付近で休憩。
グループのメンバーの中には、しんどそうにしている人もいるが、
私はなんとか行けそうだ。 
リーダーから利尿剤を1個いただき飲む。念のため。

ここからキボハットまでの上りが、今までよりは少しきつくなる。
あせらず、確実にゆっくり上る。 


【キリマンジャロの頂上部キボ峰。その麓に本日の山小屋がある。 ん? 小さいが竜巻かな?】

昨日出発した別グループの日本人数人とすれちがう。
午後2時半頃、やっとキボハット到着。
標高4,703m、自己最高記録更新だ。 

ここの山小屋では大部屋(12人)。
しかし、ベッドの広さはこれまでと同じで、一人分のスペースがきちんと確保できるので、日本の山小屋のギュウギュウ雑魚寝状態より、格段にましである。 
小屋のベッドは2段式で、少し体調を落としているメンバーを下段にするということで、私は上段が割り当てられた。
窓際のベッドなので、寝そべってマウェンジ峰が見える。
とはいえ、この高度だとベッド上段への上り下りがかなり億劫になる。
これも高所障害なのだろう。
スローモーションのように、ゆっくりゆっくり身体を動かす。
 さらに、トイレは小屋の外にあるため、これまた、ゆっくりゆっくり歩かないとすぐに息切れしそうになる。
行くのが面倒なのだが、お腹の調子がまだ本調子ではないため、回数も他の方より多くなる。

ロッジの外には、日本人男女とイギリス人のチームがテントを2張り。

例のパルスオキシメーターで測定してもらったら、酸素濃度77程度で、脈拍105。
私はなんとか順調だが、同じグループのうち2人の体調が悪化してきたようで、2人とも酸素濃度50前後とのことだ。
そのため、ツアー・リーダーが彼らをガモウバッグに入れたりして、対処していた。
ガモウバッグというのは、寝袋より大きめの円筒状の袋で、人力でポンプを踏み、袋の中の酸素分圧をあげて、平地に近い状態にする装置で、高所障害の一時的な改善を図るものである。
しかし、改善が見られないようで、この後2人は今朝出発した山小屋まで現地ガイドに付き添われて下りることになった。

夕方から2時間ほど霰のような雪が降った。
赤道直下とはいえ、やはり高度が上がると気温もぐんと下がってきた。
明朝の登頂には差し支えないと思うが・・・。

 いよいよ明日はキリマンジャロの頂上を目指す! 
しばしの睡眠に浸る。 
  ≪つづく≫


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