サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

就職氷河期(発想を転換するしかない時代度80点)

2010年11月14日 | それでも世界は回る

asahi.com(朝日新聞社):大学生の就職内定率、過去最低の60%割れ 10月時点 - 社会


2010年11月13日10時2分

 来春卒業予定の大学生の10月1日時点の就職内定率が57.6%(前年同期比4.9ポイント減)に落ち込み、政府が調査を始めた1996年以降、最低となることが分かった。2008年以降の不景気が深刻化し、「就職氷河期」を下回るほど厳しい就職環境に陥っていることが改めて浮き彫りになった。
 内定率は文部科学、厚生労働両省が調査しており、来週前半にも正式に公表される。短大生や専門学校生を含めた内定率も前年を下回る見通し。  
  大学生の10月1日時点の内定率は、ピークだった97年の73.6%から03年に60.2%まで下落した後、08年まで徐々に回復していた。しかし同年秋のリーマン・ショックを受けて企業は採用数を大幅に絞り込み、09年には前年比7.4ポイント減の62.5%と、過去3番目の低さまで下落。その後も景気回復と採用枠拡大の兆しは見えず、卒業まで半年を切った大学生にとって、これまでにない厳しい環境となっている。

就職氷河期と言うのは、過去も何回もあった。
ほとんどの人間が、高校から上位の学校に進学するようになった現在、大卒だかららくに就職できるなどということがあるわけがない。
結局、「企業」就職とのマッチングの問題なのだから、ひとつは産業成長の中で「雇用吸収力」を政策的につくりだすか、あるいは「企業就職」などこんな程度でいいではないかと、割り切ることだと思われる。
前者に関しては、掛け声ばかりの民主党政策にはまったく期待を持っていないが、ワークシェアリングの方法を「連合」などの圧力を突破して進めていくことと、林業などで数十万人単位の雇用を作り出すことなどのいくつかの方法を組み合わせれば、可能だと思える。
後者に関しては、学生の発想を変えるしかない。
自分や仲間で「起業」などという大げさなものではなくてもSOHO的に食い扶持をみつけることである。
フリーターの何が悪いのかわからない。
ひとつのことで食えなければ、すこしづついくつかの小さな収入を加算して、食っていけばいい。

もうひとつ、青田刈りの就職活動の早期化が大学の本来の役割を阻害しているとの数十年来の同じような議論がある。
こんなのは、一部商社などから内定時期をうしろにずらそうというメッセージも出されているが、簡単なことで、3年生10月からの就職情報会社の「リクナビ」とか「マイナビ」とかのエントリー機能を即刻停止させて、少なくとも4年生になるまでは(できれば夏休みに入るまでは)エントリーさせない、という罰則規定をつくるべきだ。
もちろんあの手この手で、抜け道を探すだろうが、大学のキャリアセンターも毅然として動きを揃えるべきである。
結局のところ、リクルート事件問題の根本も実は「就職協定」をめぐる駆け引きにあったのに、単なる江副氏の未公開株贈与問題だけにすりかえてしまったのだ。

売り手市場、買い手市場というものは、いつの時代にも実は並存している。超人気企業と超人気大学の「幻想」がそこを支えている。
両者の就職過熱は、ほっておけばいい。

日本の産業のほとんどが中堅以下零細、自営業、などで成立しているのだとしたら、そのマッチングの異なる仕組みを作るようにしたほうがいい。
そんなブランド志向は、多くの人々の人生には関係はないのだ。
馬鹿げたOB訪問を繰り返しながら、学生時代の唯一の利点であるかもしれない「モラトリアム」の贅沢さが、就職狂想曲のなかで歪んでいってしまっている。

世の中から、「就職の達人」を自称する無責任野郎たちを放逐すべきである。


 


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