サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

深遠の人/イングマール・ベルイマン(映画監督)/89歳

2007年08月01日 | 毎日がメメント・モリ

スウェーデンの巨匠、イングマール・ベルイマン、死去


7月31日18時45分配信 シネマトゥデイ





スウェーデンの巨匠、イングマール・ベルイマン、死去

遺作となった『サラバンド』


 『処女の泉』『秋のソナタ』など、人間の本質をするどく切り取った作風で知られるスウェーデンの巨匠、イングマール・ベルイマンが30日、同国・フォール島の自宅で亡くなった。

 89歳だった。ベルイマンは1946年に『危機』で映画監督としてデビュー以来、40本以上の作品を手がけた。1958年には『野いちご』でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞しているほか、『ファニーとアレクサンデル』(1982年製作)など3作品でアカデミー賞外国語映画賞も受賞している。2003年の『サラバンド』が遺作となった。

高校生の僕たちは、大学には行かずに、ひそかに、ロシア経由で、スウェーデンに行くことを夢見ていた。
もちろん、五木寛之の「青年は荒野を目指す」の影響があったのだろう。
なぜ、スウェーデンかと聞かれても、別に確固たるモノがあったわけではない。
なんとなく、フリーセックスのヒッピーめいた文化に、憧憬していたのかもしれない。

その流れで、ベルイマンの映画をみることになった。難解だった。けれども、なんとなく、自分たちが、インテリになったかのような錯覚があった。いまなら、もう少し、その難解さの質を解析できるような気がするが、当時は、背伸びをしていたのだ。

ベルイマンの最後の映画は、2003年の「サラバンド」。テレビ用に製作されたということだが、老いてなお、「性」への迸るようなエネルギーと執着と嫉妬と、つまりホンネを感じた。それは、決して、能天気なピースマークのフリーセックス宣言などにおさまりようもない、人間の深遠を覗き込むような、ぞっとする世界だ。・・・合掌!




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4 コメント

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アントニオーニ (latifa)
2007-08-01 15:34:27
kimion20002000さん、こんにちは。
このニュース、私もビックリしました。
そして今朝は、やっぱり映画界の巨匠が、もうお一方・・・。
ベルイマン監督の映画は、私も幾つか見たものの、どうも私の頭が足りなくて(^_^;)、良さを感じることが出来ませんでした。
『ファニーとアレクサンデル』は日本公開の時、映画館に見に行きました。80年代前半だったとは・・・時の流れを感じます・・・
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latifaさん (kimion20002000)
2007-08-01 20:47:19
こんにちは。
僕も、巨匠の相次ぐ訃報に、びっくりしました。
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Unknown (Bianca)
2007-08-21 18:06:01
>なんとなく、自分たちが、インテリになったかのような錯覚があった。
>いまなら、もう少し、その難解さの質を解析できるような気がするが

ホントにその通りでした。
「ベルイマンの映画は絵である」と言う友人がいました。その人も他人の受け売りでしたが。

>スウェーデンに行くことを夢見ていた。
ホントに、行ってしまいましたよ、わたし。そして、現実と芸術は違うと言うことを、つくづく実感させられました。
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Blancaさん (kimion20002000)
2007-08-21 22:43:58
こんにちは。
顔から、火が出るくらい、恥ずかしいことって、いっぱいありますけど、昔のスェーデン幻想も、そのひとつかもしれません。
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