サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

枯れない巨匠/ミケランジェロ・アントニオーニ(映画監督)/94歳

2007年08月02日 | 毎日がメメント・モリ

ミケランジェロ・アントニオーニ監督、死去


8月2日12時15分配信 シネマトゥデイ





ミケランジェロ・アントニオーニ監督、死去

ミケランジェロ・アントニオーニ - STEPHANE FEFER/The Kobal Collection/WireImage.com


 『欲望』で知られるイタリアの巨匠監督、ミケランジェロ・アントニオーニ監督が、7月30日に死去した。享年94歳。妻で女優のエンリカ・フィコがイタリアの新聞「レパブリカ」に語ったところによると、最期は安らかに逝ったそう。イタリアのジョルジョ・ナポリターノ大統領は「映画界の最も偉大な人物で、20世紀の表現における最も偉大な探索者であった」とコメントした。アントニオーニ監督の死の1日前には、スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン監督が死去しており、巨匠監督の死が相次いでいる。

「情事」「太陽はひとりぼっち」「欲望」・・・やはり、この人がもっとも注目を浴びたのは(世界を騒がせたのは)1960年代であろうと思う。その意味では、僕は、1970年代に、追いかけるかたちで、暗い映画館で目を凝らしながら、アントニオーニの砂漠の孤独のような映像世界に付き合ってきたのだと思う。

驚いたのは、2004年、90歳を超えたアントニオーニが、ウォン・カーウァイ、スティーブン・ソダーバーグとのオムニバスで「愛の神、エロス」を撮影したことだ。そして、そのテーマが、壮年時代から、あいかわらず強靭に持続されていることだ。日常の男女のわかりあえず不毛な衝突をくりかえすさま、孤独になったひとりひとりが、偶然のような迷路にをさまようさま、そしてギリシア神のエロスの世界への希求のように、死への憧憬と生への渇望が交錯する。

 

期せずして同日に亡くなったベルイマンもそうだが、この巨匠たちの性(生)は、枯れることがない。・・・合掌!





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