喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

息子へつなぐ

2017-11-12 | 感動
 10日(金)、2ヶ月ぶりに息子が松山から帰ってきた。
私が20歳頃に使っていたバイクに乗っての帰省。
 松山市の白水台にあるガソリンスタンドのバイトが終わってから出発し、3時間かかったらしい。

 名車ホンダXLRの調子は、すこぶるいいようだ。
乗れば乗るほど動きがよくなる。

 30年の時を超えて、父から息子へ乗り継がれるバイク。
 バイトしたお金で新車を買うのもいいが、乗り継がれるバイクには、
到底かなわない感動というものがある。

 感動を手にしたとき、モノのすばらしさが本当によくわかる。
そして大切にしたくなる。
息子はそれを少しは、感じてくれていることだろう。




 昨夜、親子で酒を飲んだ。
私は、サントリー「オールド」ウイスキー。
息子は、新潟南魚沼市湯沢の銘酒「上善水如」(じょうぜん、水のごとし)。

 人間の最高の生き方は、水のように様々な形に変化する柔軟性をもち、
他と争わず、自然に流れるように生きること。
 これは、古代中国の哲学者である老子の言葉。

 飲みながら、いろいろな話に花が咲いた。
好みのタイプの女性、田舎暮らし、農業、どんなやり方で農業をやっていくか‥。
共通する大切なことは、まさに上善水如のような生き方。

 親子で酒を飲みながら、こんな話ができることをうれしく思う。
田舎で生まれ、育った幸せを感じる。



 昨日は、卒業したら来年から作業していく柑橘畑に、祖父母と一緒に肥料をまいたようだ。
今回の帰省の目的はこれだった。
祖父母から孫へとつながれていく。


 今日、昼過ぎ、いつものように母家の神様、仏様に手を合わせ、出発。



 キックし、バイクをかける。
調子よく吹き上がるエンジン。
 思わず、自分が乗っていた20歳の頃と重なって思えた。


「ありがとう。じゃあ行ってくるけん。」
「ん、気をつけての。」
バイクは、勢いよく走り出していった。


 ゴーロの道を白いヘルメットが通過した。
それが見えなくなるまで、見送った。
 これもまた、30年前私の祖母が、福岡へ行く私を見送ってくれた様子と同じだ。
祖母はもういないが、見送る者の思いはつながっている。



 ふるさとの田舎には、つないでいきたいものが多くある。

              岬人(はなんちゅう)

 

 


 

 
 

 

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