先日、沖縄の米軍基地内で米軍ヘリが墜落し、米兵1名が死亡するに至った。日本のマスコミはこぞってオスプレイ問題と絡め、「それ見たことか！だからオスプレイなど認めない！」という論調を多く見るようになった。しかし私は不思議な感想を抱いている。
まず最大の疑問は、ヘリコプター事故でも飛行機事故でも、日本国内ではそれなりの頻度で事故は起きている。例えば、オスプレイのことを危険だ危険だと騒ぐ報道機関では騒いでいるが、しかし報道関連のヘリの事故だけでも結構な数の事故が起きているのは事実である。それも驚くことに、ヘリ同士の空中衝突を、朝日新聞社と毎日新聞社は10年程度の間に2度も起こして、しかもそれぞれで死者を出している。
産経ニュースWest 2011年11月4日「取材ヘリ空中衝突事故 一度ならず二度までも」
それも墜落したヘリは民家の上に落ちて屋根などを大破しているという。ここまで初歩的な事故を、同一の当事者で繰り返すというのは（笑っては不謹慎だが）非常に面白い事態でもある。それも、オスプレイなどに厳しい態度で臨む双璧とも言うべき朝日、毎日の報道2社が当事者というのも偶然なのか必然なのか、色々考えさせられるものがある。
報道取材のヘリは、何かあると大挙して一か所に集中するため、インパクトのある映像を取ろうとすると特攻取材を余儀なくされ、それがこの様な事態となっている。しかし、事故を起こしたからと言って、同型機や同業者の飛行禁止措置や、それを求める報道側の要求などと言うのは聞いたことがない。別にヘリでなくても、旅客機レベルでも何年に一度かは事故は起こるが、だからと言って原因究明がなされるまでの間、飛行禁止措置を求めるなどという事態にはならない。極端な例は、ボンバルディア機の事故が頻発し、明らかに問題があることが明らかになっても、国土交通省は改善命令を出しただけで終わっている。何とも寛容な措置であり、今回の米軍ヘリの事故との対応のギャップに驚かされる。
勿論、だから米軍に対しても甘い寛容な態度で接するべきとは言わないし、結果的に米軍が同型機の飛行を一時的に禁止したり、オスプレイの搬入をペンディングしたりという対応は、米軍の日本に対する配慮が非常に大きいということを理解する上でも歓迎したい。しかし、だからと言って日本の報道ヘリの事故は寛容であって良いわけがない。物事にはバランスがあり、そこにダブルスタンダードがあるのは宜しくない。大体、今回のヘリは30年以上前に導入された機種であり、徐々に老朽化が問題となりそうな頃合いである。だから、見方に寄っては新型機への入れ替えを急ぐべしという見方もあって然るべきだ。オスプレイとは目的が違うのかも知れないから同列で議論すべきではないかも知れないが、長年の経験でバグが修正されて安定度が高まる部分と、逆に老朽化して危険度が高まる部分とは微妙な関係にある。その辺の安全性を定量的に議論することもなしに、何でもカンでも米軍はけしからん、厳しいことを言わせてもらうよ！という主張は、何処かで見たような景色でもある。
それは、嫌いな日本のことであれば、理屈もへったくれもなく「何でも駄目！」と言い、身内のことであれば相当常軌を逸した事態（例えば、原爆を「神の懲罰」と言ったり・・・）であっても寛容にそれを許してしまう彼の国の振る舞いに通じるものがある。韓国や中国が日本を叩くのと同様に、日本のマスコミがその矛先をアメリカに向け、米軍のやることを叩きまくる。米軍のことは何でも許さないが、韓国や中国がやる無謀な反日行動や、身内の報道機関が危険を顧みずに特攻へり取材をすることには「大人の態度」で寛容な接し方をしましょうと自制を求める。その様なダブルスタンダードは、物事に対するフェアな視点を濁すものであり、決して認められない。しかし、その様な議論に耳を傾けるマスコミは限りなく少ないだろう。
ここから先は推測にすぎないが、米兵は、次に沖縄で民家にヘリや航空機を墜落されたら、国家的な防衛戦略に多大な影響を及ぼすことを頭に叩き込まれ、何かトラブルがあっても早期に着陸可能な避難場所を探すことをせずに、とにかく米軍基地の敷地内まで生還しろと叩き込まれているのではないだろうか。であれば、今回の事故では米兵が無理に米軍基地の敷地内に辿り着くまで着陸しまいとするあまり、死なずに済むはずの兵隊が死に至った可能性もある。それは、我々が日米地位協定を不平等と感じるように、米兵にも不平等と感じさせる環境を我々が作っている可能性も否定できない。
理屈はともかくとして、現実として次に沖縄において市街地にヘリなどが墜落したら日米同盟に致命的な傷がつくのは事実だと思うから、今回の防衛省や米軍の対応は極めて賢明である。しかし、弱みを持つ者を、寄ってたかって叩くという虐めにも似たマスコミの構図は、民度を問われてしかるべきものだと私は思う。
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まず最大の疑問は、ヘリコプター事故でも飛行機事故でも、日本国内ではそれなりの頻度で事故は起きている。例えば、オスプレイのことを危険だ危険だと騒ぐ報道機関では騒いでいるが、しかし報道関連のヘリの事故だけでも結構な数の事故が起きているのは事実である。それも驚くことに、ヘリ同士の空中衝突を、朝日新聞社と毎日新聞社は10年程度の間に2度も起こして、しかもそれぞれで死者を出している。
産経ニュースWest 2011年11月4日「取材ヘリ空中衝突事故 一度ならず二度までも」
それも墜落したヘリは民家の上に落ちて屋根などを大破しているという。ここまで初歩的な事故を、同一の当事者で繰り返すというのは（笑っては不謹慎だが）非常に面白い事態でもある。それも、オスプレイなどに厳しい態度で臨む双璧とも言うべき朝日、毎日の報道2社が当事者というのも偶然なのか必然なのか、色々考えさせられるものがある。
報道取材のヘリは、何かあると大挙して一か所に集中するため、インパクトのある映像を取ろうとすると特攻取材を余儀なくされ、それがこの様な事態となっている。しかし、事故を起こしたからと言って、同型機や同業者の飛行禁止措置や、それを求める報道側の要求などと言うのは聞いたことがない。別にヘリでなくても、旅客機レベルでも何年に一度かは事故は起こるが、だからと言って原因究明がなされるまでの間、飛行禁止措置を求めるなどという事態にはならない。極端な例は、ボンバルディア機の事故が頻発し、明らかに問題があることが明らかになっても、国土交通省は改善命令を出しただけで終わっている。何とも寛容な措置であり、今回の米軍ヘリの事故との対応のギャップに驚かされる。
勿論、だから米軍に対しても甘い寛容な態度で接するべきとは言わないし、結果的に米軍が同型機の飛行を一時的に禁止したり、オスプレイの搬入をペンディングしたりという対応は、米軍の日本に対する配慮が非常に大きいということを理解する上でも歓迎したい。しかし、だからと言って日本の報道ヘリの事故は寛容であって良いわけがない。物事にはバランスがあり、そこにダブルスタンダードがあるのは宜しくない。大体、今回のヘリは30年以上前に導入された機種であり、徐々に老朽化が問題となりそうな頃合いである。だから、見方に寄っては新型機への入れ替えを急ぐべしという見方もあって然るべきだ。オスプレイとは目的が違うのかも知れないから同列で議論すべきではないかも知れないが、長年の経験でバグが修正されて安定度が高まる部分と、逆に老朽化して危険度が高まる部分とは微妙な関係にある。その辺の安全性を定量的に議論することもなしに、何でもカンでも米軍はけしからん、厳しいことを言わせてもらうよ！という主張は、何処かで見たような景色でもある。
それは、嫌いな日本のことであれば、理屈もへったくれもなく「何でも駄目！」と言い、身内のことであれば相当常軌を逸した事態（例えば、原爆を「神の懲罰」と言ったり・・・）であっても寛容にそれを許してしまう彼の国の振る舞いに通じるものがある。韓国や中国が日本を叩くのと同様に、日本のマスコミがその矛先をアメリカに向け、米軍のやることを叩きまくる。米軍のことは何でも許さないが、韓国や中国がやる無謀な反日行動や、身内の報道機関が危険を顧みずに特攻へり取材をすることには「大人の態度」で寛容な接し方をしましょうと自制を求める。その様なダブルスタンダードは、物事に対するフェアな視点を濁すものであり、決して認められない。しかし、その様な議論に耳を傾けるマスコミは限りなく少ないだろう。
ここから先は推測にすぎないが、米兵は、次に沖縄で民家にヘリや航空機を墜落されたら、国家的な防衛戦略に多大な影響を及ぼすことを頭に叩き込まれ、何かトラブルがあっても早期に着陸可能な避難場所を探すことをせずに、とにかく米軍基地の敷地内まで生還しろと叩き込まれているのではないだろうか。であれば、今回の事故では米兵が無理に米軍基地の敷地内に辿り着くまで着陸しまいとするあまり、死なずに済むはずの兵隊が死に至った可能性もある。それは、我々が日米地位協定を不平等と感じるように、米兵にも不平等と感じさせる環境を我々が作っている可能性も否定できない。
理屈はともかくとして、現実として次に沖縄において市街地にヘリなどが墜落したら日米同盟に致命的な傷がつくのは事実だと思うから、今回の防衛省や米軍の対応は極めて賢明である。しかし、弱みを持つ者を、寄ってたかって叩くという虐めにも似たマスコミの構図は、民度を問われてしかるべきものだと私は思う。
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