けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

こんな消費税増税法案は如何だろうか?(毎年1%ずつ増税してみたら・・・)

2012-03-28 23:07:02 | 政治
長い長い議論の末、やっと民主党の消費税増税法案がまとまろうとしている。議論すること自体は民主主義の原則として良いのであるが、どうも方向性が怪しく、無駄に時間を浪費しているようでならない。賛成、反対の両論に潜むお互いが仕掛ける地雷を見つめることで、本来のあるべき姿をあぶりだしてみたらどうだろうか?

報道によれば、法案には付則としており込む景気弾力条項の中に、数値目標を明記する代わりに、その条件を増税実施の必須条件とするのではなく、努力目標とするという如何にも日本の政治家が好みそうな超玉虫色の決着をつけている。増税時期は2014年4月に8%、2015年10月に10%であるから、例えば10%に上げる場合にはその半年前の2015年4月頃の景気が判断材料になる。大分、後ろ伸ばしになっている東日本大震災の本格的な復興は今年から始まり、2年程度は復興特需が続くだろうが、その後は徐々に息切れ状態となることが予想される。しかも、2014年4月の8%への増税に関しては直前の駆け込み需要と直後の買い控えが聞いてくるので、これらのダブルパンチで2015年4月頃の景気はあまり良い状態とは考え難い。8%への増税に関しても、半年前の2013年10月時点での景気状況は、例えばイラン問題やギリシャ問題などがどの様に推移するかに強く依存する。さらには、原発が停止した状況で産業界が海外に流出し、空洞化現象が進めば国内の景気は一気に冷え込むかも知れない。だから、言い訳とも言うべき景気弾力条項は、その時の状況を無視して増税に走る政権の息の根を止める時限爆弾としか機能しない。今の政権で責任を取るのではなく、先の政権に時限爆弾を先送りする法案としか読み取れないのである。

まさに、消費税増税に対する反対派の狙いはそこにあるのである。もし、その時に自分達が政権を取っていれば(「民主党」ではなく「反対派」が政権の中枢にいるという意味)、ちゃぶ台を単純にひっくり返せば痛くも痒くもない、政権を取っていなければその時限爆弾が炸裂するのを待てばよい、・・・と。消費税増税賛成派から見れば、明らかに努力目標でしかなく、法的拘束力はないのだから何とでも出来ると思いがちだが、結果的にはボディブローの様に効いて来るのではないかということを、リアリティを持って感じているようには見えない。というより、どうせ次の選挙では負けるから、そんなことを考えても仕方がないということなのかも知れない。

私が気にするのは、先にも書いた通り、急激に高まる復興特需が徐々にフェードアウトする状況と増税タイミングのシンクロ、および駆け込み需要と後から来る買い控えの不安定な消費者行動をどの様に処理すべきかという問題である。だから、急激な状況変化を回避し、一方で、長期的にみた景気動向への方策を冷静に判断しなければならないと感じている。

そこで提案である。2013年4月(つまり1年後)から2017年4月までの間、1年毎に消費税を1%上げるという法案を政府案に対する対案として国会に提出するのである。今からでは時間的に間に合わないというのは現実的な意見であるが、私もこんなボヤキが現実になるとは思っていないので、そもそも論的な議論として聞いていただきたい。

もし、野田総理が消費税増税と引き換えに話し合い解散をする覚悟があるのであれば、この対案に乗ってくる可能性があるのではないかと考える。もちろん、何らかの景気弾力条項を盛り込んでも良い。この法案のミソは、毎年、1%ずつ変化するという点である。もちろん、消費税を完全外税方式にするとか、納税者番号制度の導入やインボイスの導入などを合わせて行なうことは必要だと思うが、この影響は結果として消費者物価の上昇率が毎年1%以上となることを担保することになる。日銀のインフレターゲット発言だけで為替レートが変動し、株価などにも景気の改善が表れてくる状況を考えれば、緩やかな消費税率の増加は、もともと増税が持つ経済活動へのマイナス効果を抑える働きがあるのではないかと素人ながらに予測する。おりしも復興特需が期待できる状況であり、急激な買い控えを抑えながらも長期的にはインフレに対抗して繰り上げ的な消費活動をした方が有利なため、気が付くと財布の紐が緩むというのが私の予想である。

もちろん、誰もが感じるように「インフレ=経済成長」ではない。原因と結果が逆というべきか、本来であれば経済成長して好景気になると、結果的にインフレになるというのは解りやすい。逆にインフレになると好景気になるかと言えば、そんな単純でないのはその通りなのだろうが、これだけ長期のデフレが続いた国では、藁にもすがる思いでデフレ脱却を感じさせる何かを待ち望んでいる。日銀総裁の如何にも中途半端なインフレターゲット宣言があれだけの効果を挙げたのもその証拠なのだろう。格付け会社は日本の増税を評価するだろうし、その結果、外国人投資家が日本株を買うことで株価が高騰すれば、お金が回って景気が回復する。国債の金利高騰リスクも低減できるから、財政破綻リスクも低減できる。増税が景気にブレーキをかけるとの恐れも、緩やかな増税ではリスクは小さいし、仮に大きなブレーキを体験したら景気弾力条項の発動をすれば、それ以上の経済の失速を防ぐことが出来るかも知れない。開き直って「インフレ=善」とは言わないが、意外に経済音痴の素人の考えの中にも何かのヒントがあるのではないかと専門家に問うてみたい。

もちろん、コロコロと税率が変ってはたまらないという意見はあるだろう。消費税率の変更は、例えばスーパーのレジを取り替えるなど、それなりにインパクトがあることではあるが、今時のレジであれば消費税率など設定で簡単に変更できるように作っているのであろうから、多分、事務的なミスの多発という程度の形でしか表には見えてこないであろう。

また、以前にも提案していることであるが、景気弾力条項のあるべき形は、経済成長率とかの絶対的な値ではなく、時の国会議員の良識に任せるというのが妥当な考え方だと思う。つまり、国会決議があれば、増税時期の延長(後ろ倒し)を1年毎に認めるとすれば良い。具体的には、増税の半年前の時点(つまり、毎年9月か10月頃)で与野党のいずれからでも提案があれば国会の採決にかけ、仮に延期と判断されれば全体が1年ずつ後ろ倒しになりながら、ただし最終的には税率10%までは増税を続けるということである。

細かいところでは考えなければならないことがあるのだろうが、ひとつの考え方としては十分に考慮に値するのではないかと思っている。多分、国会議員さんは私のブログなど読んでいないだろうから現実味はないが、変なテクニカルな議論に終始するのではなく、そもそも論に照らし合わせて考える習慣を国会議員さんには求めたい。

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