けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

50年で解決しないのであれば、50年計画で解決を試みよう!

2012-03-05 21:51:44 | 政治
プーチン首相が昨日の選挙に勝利し、大統領に返り咲くことが決まった。大統領の3選を憲法で禁止しているのに、そのルールを骨抜きにしたり、プーチン首相を批判するジャーナリストが多数、不審死で亡くなっていることなどから、この国の闇の部分は計り知れないと思うが、こればかりは外野としてはどうしようもない。ただ、この国(ロシア)の北方領土に対する対応については、日本国民として「どうしようもなくない」と思うから書いてみる。

報道によれば、プーチン首相は「引き分け」という言葉を使って、歯舞群島・色丹島の2島返還で決着を図ろうとしている。テレビに映り、明確に日本語の「引き分け」という言葉を使うあたりが策士らしい(ちなみにWikipediaでプーチンを引くと、彼がKGBに入るまでの策士ぶりに思わず唸ってしまう)。これまでメドベージェフ大統領は、相当に強硬な姿勢を見せて、日本国民に「このままでは島ひとつとして帰ってこないだろう」と思わせてきた。だから、それに対するプーチン首相の「引き分け」発言は、大分、日本に譲歩しているような錯覚を与える。しかし、答えは逆なのだろうと思う。つまり、あれだけ強硬な姿勢を示したり、今回のように軟化したように見せたりすることは、ロシアとしても「正規にロシア領化するのは困難」という感触を持っていることの裏返しなのだろう。またさらに、日本の経済力、技術力をロシアとしても利用したいという下心も隠せないのだろう。BRICsと言われるが、どの国も手放しで未来が明るい国ではない。今回の選挙でプーチンが圧勝した裏には、ロシア国民がエリチン時代に経験したハイパーインフレ等の不安定な状況を嫌い、安定した経済発展を望んだということが間違いなくある。だから、その様なロシアの弱みに対して日本としてどうすれば付け込めるのかを考えなければならない。

あくまでも個人的な思い込みであるが、こんな案はどうだろうか?ロシアに対し、歯舞群島・色丹島の2島の先行返還と共に、残りの国後、択捉は約50年後の2056年の返還で手を打つように提案するのである。1956年の日ソ共同宣言から既に半世紀以上が過ぎた。それでも問題解決は近づいた気配はない。しかし、香港でも租借期限は99年だったぐらいだから、北方領土でも香港を引き合いに、100年を目途に問題解決を迫るのである。

プーチン首相の「引き分け」は、本当の意味では引き分けにはなっていないのは一目瞭然である。4島のうちの2島だから1/2とは言うが、面積でみれば殆ど数パーセントに過ぎない。国後、択捉の島の大きさは、歯舞群島・色丹島とは比較にならない。それだけではない。地下資源に関しても、国後、択捉を起点とする排他的経済水域EEZと歯舞群島・色丹島を含めた場合のEEZでは殆ど大差ないので、資源戦略としてみれば国後、択捉の領有権をロシアが得れば、それは領土問題ではロシアの圧勝に他ならない。だから、本当の意味での引き分けは、もっと違うところにある訳である。

ただし、常識的に考えてロシアの最高権力者の立場からしてみれば、ロシアが目に見えて損をすると国民が思ってしまう解決策は選択できないのは当然であろう。だから少なくとも、ロシアが得をしたと国民に思わせる落としどころが必要なのである。50年後の返還であれば、返還に伴う損失は次の世代に先送りされる。一方で、日本の経済力、技術力をロシア側に取り込むことができるようになれば、それはロシアにとってはプラスである。小平が「(尖閣諸島問題で)我々には知恵がない。後の世代に解決を託そう」と言ったそうだが、彼は時間稼ぎを狙っていたのに日本政府側はそれに気が付かなかった。結果的に中国だけが得をした。今回は逆に、短期的には相手に実利を与えるように思わせて、長期的には実利を日本が取るのである。遠回りのようではあるが、実はよっぽど近道のように思われる。

だから、プーチン氏が大統領に返り咲いたら、即座に時の総理は「真の意味での『引き分け』の議論をしようではないか!」と提案をして欲しい。如何だろうか?

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