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峠(1)

2009年01月14日 | 仕事とか堅苦しい話
今の自分のイギリスのおける立場というのは「駐在」ではなく「研修」。
「駐在」は何か具体的なゴールを達成するという前提で海外に派遣されるのだが、「研修」というのは乱暴な言い方をしてしまえば「勉強をしてきなさい」というもの。

つまり、日常的に携わる業務には責任が伴わないことが多い。
故に、振られる仕事というのも中途半端なものが多かったりする。

この点についてここ半年、相当悩んでいた。
何か成果を挙げたいのだけれども、やはりイギリスにおける実績がなかったり、先の「立場」のこともあり、日本にいた時のような責任感ある仕事が任されないという実情があり、ここ半年は何となく停滞気味だった。

そういうことも含めて、年末に日本に帰った時に色々な方に相談をさせて頂いた。不完全燃焼気味な状況下で何をしたら良いのか、今のこの状況をどう解釈したら良いのか、今後のキャリアをどう考えれば良いのか、それは例えば部署移動をすれば変わることなのか、会社を変えるべきフェーズにいるということなのか。



また、海外に来て、いかに自分のスキルが足りないかについても痛感させられた。例えば、今まで英語が苦になったことはなかったからイギリスでも仕事は出来るだろうとタカをくくっていたのに、それが無様なまでに打ち砕かれたことであったり、世の中には想像していた以上に色々な考え方や価値観、手法やツールが存在していて、それを駆使することによってソリューションに幅や深みが出るということであったり、いかに自分が狭い世界で、あたかも全てを知ったような気になっていたのか、そしていかにそういうスキルが足りないことが致命的なのかであったり。



「井の中の蛙大海を知らず」

今までも、仕事をしている中で、ある種のBreak Throughがあった時に「今、俺は大海に飛び込んだ」と感じることは多々あった。ただ、今になって思えば、あれは大海ではなくビニールプールぐらいだったのだけれども。

また、何をもって「大海」とするかを考えることも、今のグローバルなビジネスシーンにおいては大事なことなのではないかと思っている。例えば「日本海」のことだけをやたら知っているだけで、最適かつ差別化の図れるソリューションは提供出来ない。それには、例えばインド洋やエーゲ海の知識が必要となる場合もある。

だからこそ、日本海に対する理解ばかりが深まっていく環境から、ケルト海が分かるような環境に移動をした。だけれども、それも所詮「日本海とケルト海」が分かる程度にしかならないということにある日気付く。

世の中、こんなにたくさんの大海があるのかよ・・・どうするよ。



現実的には、色々な知識や経験を持った個人を集めて、その集合体を組織として回していくのだから、「私」という個人が全ての大海の詳細を把握する必要は無い。そうなると、ポイントは「自分は集合体の中で何が出来るのか、どういうポジションにいたいのか」という話になってくる。

また、その集合体がどう有機的に動けるのかも大事なポイントになってくる。集合体をまとめるための考え方、考慮しなければならない価値観などは数多存在するし、集合体の活動を促進し、他社との差別化を図るための手法・ツール・アプローチなども数多く存在する。

そういう諸々を考えていくと、一つの考え方として、特定の業務や業界、ひいては特定の国という、極めて範囲が限られた世界で、限定された知識や経験を蓄えるのではなく、もっと大雑把に、ビジネスにおける事象を俯瞰(ふかん)的に、Bird Eye Viewで見る、勉強するというアプローチもアリなのではないかと、漠然とではあるが思うようになってきた。

そういう意味で、社外教育、分かりやすく言ってしまえばMBAなどを考え始めるようになっていた。別にMBAにこだわるつもりは一切ないのだけれども、ただ、社外で勉強をして客観的に今の業務や業界、さらには他業種について学ぶという機会があっても良いのかもしれないと考え始めていたのだ、漠然とだけど。



で、思い立ったが吉日、今のこの停滞した状況を打破するために、部署異動やら社外教育の可能性について、色々な人に話を聞いたり、上司やら人事やらと掛け合いを行っていた。

ここらへんは辛い思い出が多いので詳細は割愛するとして、とにかくどれもイマイチ上手くいかなかったというのが結論。

これが去年の12月中旬くらいまでの話。

こういうモヤモヤを抱えながら、12月下旬に帰国をした。

(続く)
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