that blog-ish thingy

ブログ的なアレです。

インセプション

2010年08月31日 | 本・映画・音楽レビュー
インセプション見てきました。
2回ほど。

色々と気付いたことがあったので、セルフ備忘録がてらに。
申し訳無いですがネタバレあります、ご注意を。
あと、映画を見ていない人にとってはチンプンカンプンだと思いますが、予めご了承ください。





さて、この映画の見所は何と言ってもラスト。
映画館から出てくる人たちが皆、口々に「アレってさ、最後どういうことだったのかな?」と言って出てくるわけです。
というわけで、自分なりの解説。

主人公は未だ夢の中。
つまり「コマは回り続ける」。
ただ、コマが倒れるかどうかはどうでも良い。

理由は以下の通り。

◎ 子供たちが成長していない、子供の服装(ほぼ毎回)同じ
主人公のCobbは長年故郷に帰れていない。
にも関わらずラストシーンでは子供たちが成長していない。
つまりは「Cobbは成長した子供たちの姿形を知らない = 最初から最後まで夢の中だった」という解釈。

同様に「子供の服装が同じ」というのもあったけれども、2回目に見に行ったときは服装が変わっている場面があったので、理由としては△。
まあ、一番目の理由で十分なので、後者については考察するのが面倒なのでスルー。



◎ ルールの辻褄が合わない話が多い
「夢の世界が現実だと思い込んでしまうと年を取っていく」という設定がある。
映画の最後の方で、Limboに迷い込んだSaitoがジイサンの状態で発見されるのはそのため。
一方、Cobbが若いままなのは、それが夢であると自分に言い聞かせ続けたから。

ところが、Cobbの回想場面ではLimboにいるCobbとMolは二人とも老人だった。
つまり、Cobbも夢を現実だと錯覚していたということであり、本来は「現実世界に戻る」という発想すらなかったということじゃないと、話がおかしくなる。

こういう細かいところで、ルールの辻褄が合わない場面がいくつかある。
むしろ意図的に散りばめられているような気もする。
そして、そういう矛盾が、制作段階で見落とされるとは考えにくい。

そういうのも含めて「夢の中」の証左であると理解。
夢の中だと過程はおかしくても結果的には辻褄が合うことが多いので。



◎ アリアドネ
どうも普通じゃない名前なので気になっていたのだが、調べてみたところギリシャ神話に出てくるキャラクター。
実は、この名前がかなりのキーなんじゃないかと踏んでいる。

掻い摘んで話すと、昔々あるところに、ミノスという島がありましたとさ。
この島の迷宮に半人半牛のミノタウロスという化け物がいて、定期的に人間を生贄にしないと暴れていましたとさ。
これを退治すべくテセウスという若者が颯爽と・・・だったかどうかは知らないけれども、参上。

そんな精悍な若者に一目惚れをしてしまったのが、ミノス島の王女アリアドネ。
アリアドネは、肉食女子よろしく「迷宮で迷わない方法教えてあげるから、ミノタウロスを退治出来たら私と結婚して!」と求婚する。
それに対してテセウスは「いいぜ!」・・と言ったかどうかは知らないが、承諾。

で、どうしたかと言うと、糸玉を迷宮の入り口に結びつけて、それを繰りながらミノタウロスの元へ。
「えいやー」・・・と言ったかどうかは知らないけれども、ミノタウロスを退治。
その後、テセウスは「よっこいしょういち」・・・と言ったかどうかは知らないけれども、糸を手繰り寄せながら迷宮を脱出。
そんでもって、アリアドネと結婚して、めでたしめでたし、というアレ。

そういう設定を映画と比較すると、映画のアリアドネは、さしずめ夢の中にいるCobbを救出するためにやってきたと言ったところか。
唯一、「私はあなたを助けたいの!」的な言葉をかけていたということもポイント。



◎ ミノタウロスついでに
奥さんであるMalが死んだといのは、恐らく事実。
それがトラウマになっていて、ある意味それを治療しにLimboまで行ったとすれば、先ほどのミノタウロス退治の話と符合する。
最後までアリアドネが夢の中に付いて行った理由も恐らく必然。

という話を総合すると、本来のミッションの目的は「考え方を変えさせる」ではなく「Cobbの悔恨の念を晴らす」だったということになる。

つまりはこういうこと。

奥さんを助けられなかったがために、Cobbは重いトラウマを抱える。
そして現実から逃避するために、Cobbは夢の世界で生きることに。

そんな彼を救い出すためには、彼の心の奥底にあるトラウマを解消するしかない。
というわけで、誰か(例えば父親だとか)がSaitoやアリアドネを手配。
Saitoにけしかけられてミッションに参加し、最終的にはアリアドネが救済。
おかげでCobbはめでたくトラウマを克服しましたとさ。

とか、そんな感じ。



◎ Limbo
字幕では「虚無」と出ていたが、オリジナルでは「Limbo(辺獄)」と言われていた。
これはダンテの「神曲」でも出てくるが、要するに天国には行けないけれども地獄に行くに値するわけでもない人たちがタムロしている場所。
キリストによる救済が無いと天国へ行けない、という設定。

そのLimboにいるのが「幻影(Cobbの悔恨の念)」であるMal。
妻の死を現実のものとして受け入れることなく、悔恨という名の幻影(Mal = Cobbの罪悪感)がLimboで救済を待っている。

とか、そんな感じ。
Cobbの深層心理を描くにはピッタリの表現だったりする。



◎ Mal再び
ちなみに "Mal" はラテン語で「悪」という意味。
Malicious(悪意のある)などがその典型。
多分、Cobbに悪影響をもらたらしていただとか、そういうことか。



◎ コマは回り続けたか
コマが回り続けたかどうかは、多分どうでも良いことなんじゃないかと。

夢の中とは言え、トラウマを克服して、ようやく子供たちと幸せに暮らせるようになった。
そんな状態で、仮にCobbが夢から醒めて現実世界に戻ったとする。
ようやく叶った幸せが、実は「夢オチでした」となったらCobbはどうするだろうか。
恐らく、再び絶望に打ちひしがれるだろう。

なので「もう、この際、夢の中に居続けても良いじゃない。みんな幸せなんだし、そこは触れておかないでおこうよ」なんじゃないかと。
だから、コマが回り続けたかどうかは、あんまり大事じゃないし知る必要も無い。



と、まあ、大雑把にそういう解釈です。

ホントは他にも、アリアドネが持っていた金のPorn(チェスの駒)だとか、6ケタの暗証番号(ちなみにアレ、素数です)だとか、他のキャラクターの名前の由来だとかも調べたかったんですが、めんどくさいので止めます。

そんな感じで。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トコトン混沌

2010年08月30日 | 仕事とか堅苦しい話
理由は不明なのだけれども、最近、自分の人生、何がどうなっているのかが良く分からなくなってきている。

イギリスにいる頃は、自分がどこに居て、何をしていて、何が足りなくて、何をしなければならないのかが客観的に見えていた。
だけれども、今は見えない。

なぜ自分がここに居るのかが分からない。
何をしたいのかが分からない。



ただ、もう今はこの事実や状況を受け入れるしか無いんだろなと。
足掻いたところで、どうにもならないので。

というわけで、目先のドタバタの中で適当にやっていきたいと思います。
そのうち答え出るでしょ、きっと。

そういえば、ドタバタついでにロッククライミングと水泳を始めました。
ここまで来たら、トコトン混沌にしてみようかなと。


コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そういう時期

2010年08月25日 | なんとなくアレなやつ
夏バテなのか、仕事が収集つかないぐらい忙しいからなのか、悩むことが多いからなのか、絶不調です。



天気はこんなにも良いのに、どんよりどよどよ雲に覆われているかのような気分。
どっかで妥協しないとダメだなー。


コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ある意味、奇をてらってはいるが。

2010年08月23日 | なんとなくアレなやつ
関西均一居酒屋の代表格、トリキに行ってきましたよ。
3人で飲み食いして5000円ぐらい。
安いと言えば安い。



ちなみにこのキャラクター、トリッキーと言うらしいです。
何だかトグロを巻いたアレみたいでアレです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

結果オーライメソッド

2010年08月22日 | なんとなくアレなやつ
三ノ宮にある、とある台湾料理屋。
料理が美味しい・・・というか、暖かい。
味も、店の雰囲気もアットホーム。





ただ、ビールが冷蔵庫からのセルフサービス。



ビンのフタ数を後で勘定。
とてもユニーク。

ただ、冷静に考えると、これってものすごく効率が良い。
継ぎ目無くビールが飲めるし、店側の工数も削減出来る。
元々は「めんどくさいから客にやらせよう」という動機だとは思うのだけれども。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする