Luthier日記

弦楽器製作の様子と日々の出来事。

木ペグヘッドできた!

2010-03-16 22:39:46 | 日記
今日は曇り。
夜になって風が強くなってきました。
このところ、ペグでバタバタしてますが、今日も木ペグです。
ペグシェーパーをかけたので、ヘッドにセット出来るのですが、どうもつまみ部分の形が気に入りません。
元は写真から起こした図面なのですが、横向きのヘッドの写真を拡大したので、ペグが重なって形がよくわかりません。
大きさも正確な数値が解らなかったので、少し大きめの形にしました。
眺めていると、やはり少し大きいような気もして来たので、思い切って整形し直す事にしました。
私の持っている、オリジナル楽器がだいたい同時期の同じ国の物なので、それと同じ形にしました。
旋盤にはかけられないので、サンディングで整形です。
ちょっと苦労しましたが、いい感じに仕上がりました。
バランスも良くなりました。
今度こそ、ペグが出来たので、ヘッドにセットします。
ヘッドの穴は、ヘッドプレートに対して垂直ではなく、わずかに傾けて開けました。
ちょうど、レーシングカーのタイヤのように左右はの字になる感じです。
穴が開いたら、リーマーでペグを合わせながら差し込む深さを決めていきました。
表側に出る弦を巻く部分も全部同じ長さではなく、1ミリ位づつ差をつけています。
ペグの角度も、はみ出ている所の長さも、言われなければ解らない程度ですが、使いやすさや弦の張力にも関係するので、ちょっとだけこだわってみました。
最後に、ペグの長さを決めてカットし、木ペグヘッド完成です。
弦を通す穴を開け忘れたので、明日開けたら、ネックの仕込みに入ります。

私は、個人的に木ペグヘッドに思い入れがあります。
デザイン的な物もありますが、ちょっと使いづらい所も好きです。
使い方になれると、機械式よりも快適に使えるような気もしてます。
19世紀ギターは木ペグのものと、機械式のペグのもの両方ありますが、最初に見たのが木ペグだったせいか、私の中のイメージは、19世紀ギターと言えば木ペグです。
普通の人にとってはどうでもいい事なのですが、これも私の変なこだわりかもしれません。

今日の写真は、仕上がったペグをヘッドにフィッティングした所です。