悲願。

ついに念願がかなった。

20年前に見たのを最後に，実物を見る機会は訪れなかった。

やっと，野外で蛍を見ることができた。

点滅しながらふわ～りふわりと漂う，不器用な飛び方をしていた。

ときどき葉っぱにとまって不思議なリズムで明滅を繰り返しているものもいた。
それは間近で観察することができたが，辺りは暗く，蛍も小さいので，光っているのがどうも腹の先に二箇所あるように見えたくらいで，詳しく観察したというほどではない。

二匹が空中で激しく衝突したり，木の上から急降下して地面に墜落する個体があったり，葉に止まっている数匹の明滅パターンがシンクロしたりと，小一時間ほどであったが，蛍の舞の様々な側面を垣間見ることができて，大満足である。

不器用な飛び方や，呼吸のリズムにも似た蛍光の明滅を見ていると，蛍への愛おしさがこらえがたいほどにこみ上げてきた。
彼らが活動している様子そのものがなんだかとてもいじらしくてかわいらしいのである。
これも一種の「萌え」であろう。蛍萌え。

今回訪れたほたるの里には数十匹がいた。ぜひ今後も末永くほたるの里であり続けてほしいものである。