英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

カタカナ英語の弊害

2010-11-13 | 英語学習
先日次男が「母さん、これおもしろいよ」と持ってきたのが祖父が愛用していたコンパクト旅行英会話辞典。

 次男 「これ、どういう英語かあててみて。
     ‘サンクス アイヴ ハアド アバウチュー、トゥー’」
 私  「はあ??

どうやらすべての英会話文にカタカナがふってあるようで、次男はおもしろい、おもしろい、と笑いながら読みふけっていました。まるでクイズを解いているかのようなノリです。

 日本には外国からはいってきた単語がカタカナで表されていますが、これが「通じる英語」から私達を遠ざけているのではないかと思っています。

 日本語は50音あって、すべての文字が例えば、「カ」は'k+a'というように子音と母音でなりたっています。それとは反対に英語はアルファベット26文字にそれぞれ音があります。もちろん文字がくっついてほかの音にかわるときもありますが、原則としてはこの26文字の音を正確に発しなくてはいけません。それに、喉がふるえる「有声音」と喉が震えない「無声音」がありますから、これもきっちり区別します。日本語はすべて有声音ですから、無声音は聞き取れなかったり、正確に発するのはなかなか難しいです。

 初めてアメリカにホームステイに行った時、私はテレビのコマーシャルに釘付けでした。「へえー、英語ではこういうふうに発音するのか」と思う単語ばかりなのです。

 そのなかの極めつけが、子どもに大人気の「マクドナルド ハンバーガー」でした。ある晩、ホームステイ先のテレビでこのマクドナルドのコマーシャルを見た時は腰を抜かさんばかりに驚きました。

 なぜって、英語の'McDonald'は日本語の「マクドナルド」に似ても似つかなかったからです。

 日本語にはない音ですからカタカナでは書けません。どう説明したらいいかわかりませんが、日本語の平坦さと比べて、英語のアクセントとリズムが、その二つの単語をまったく異質のものにしていました。
 
 それからというもの私はコマーシャルで聴いた本物の音をとにかく口に出して反芻し練習しました。生の音を聴いて、それをとにかく真似することが発音の上達になります。

 こういった観点から私のスクールの生徒にはフォニックスを習いながら次のことを徹底させます。
 英語の単語や文にカタカナをふらない
 CDなどを使ってたくさん本物の音を聴いてまねする

特に幼児期は音に敏感ですから、本物の音をたくさん聞かせ、脳にインプットしましょう。

 

マザリーズの効用

2010-11-11 | 言語獲得
おなかの中の赤ちゃんがお母さんの声を聞いていることはよく知られています。妊娠中は一心同体ですから、一番よく聞く音はお母さんの声でしょう。

 だから生まれてからも赤ちゃんはお母さんの声を聞くと安心します。お母さんも生まれたての赤ちゃんに話しかけます。たとえ赤ちゃんがそれに応えなくても話しかけます。これが子どもの言語獲得の第一歩です。

 お母さんはかなり高い調子でゆったりと赤ちゃんに話しかけます。これはお母さんの赤ちゃんへの愛情が音となって表われてくるからです。このお母さんの語りかけを「マザリーズ(Motherese)」と呼びます。そして赤ちゃんはその音を快く感じ、また敏感に感じます。

 私は今までに何百人の生徒を教えてきましたが、親子でひとつの特徴があるように感じます。

 元気溌剌でおしゃべりなお母さんのお子さんは概してよくおしゃべりをします。女の子はお母さんのしゃべり方そっくりに話します。反対にお母さんがもの静かな方ですと、お子さんもどちらかというと静かなお子さんのようです。

 もちろん100%ではなく、お母さんがものすごくおしゃべりなのに、お子さんが無口というパターンもありますが、とてもまれです

 言語獲得研究者のウィークス(T. Weeks)によると;

前言語段階(単語レベルで発する前)の幼児に語りかける母親言葉は、情報というよりも情愛に満ちており、子どもの注意をひきつけ、言語習得の基礎になる大人と子どもの間の暖かい絆をつくりあげるために役立っている。
 
 抱っこする時、おむつを変える時、たくさんたくさん赤ちゃんに話しかけましょう。お母さんがたくさん語りかければ語りかけるほどに赤ちゃんは快く感じ、脳が発達していきます。

 もちろんお子さんが大きくなってきても、たくさん話しかけてください。お子さんが話しかけてきたら、手をとめて目をみて応えてほしいです。そうすればコミュニケーションを上手にとれる子どもに育っていきます。

 親子の対話がコミュニケーションの基礎になるのです。

 

ペアの言葉

2010-11-03 | 英語学習
みなさんは一日に何回「ありがとう」という言葉を言いますか?
 
 たくさんの「ありがとう」を言える人は素敵だと思います。いつも誰にでも感謝の気持ちを言葉にして言うことは大事なことです。他人だけではなくて、家族にもたくさん言えるといいなあと思います。「ありがとう」とはっきり言う子がなんだか最近減ってきているように思います クラスでも時々「こういう時はどういうの?」と促すことがあります。

  お母さんやお父さんが、子どもにきちんと「ありがとう」と伝えていれば、子どもも「ありがとう」という言葉をたくさん言える子に育っていきます。

  さて、この「ありがとう」という言葉・・・英語では'Thank you.'といいますが'Thank you'と言うと必ずかえってくる言葉が'You're welcome.'です。

 これはペアの言葉です。

 でも日本語で「ありがとう」と言われて「どういたしまして」と言う人は少ないように思います。そういう日本語の文化と言ってしまえば終わりですが、「どういたしまして」といわれるとなんだか心が温かくなるのは私だけでないでしょう。

 ほかにもペアの言葉があります。

 例えばオフィスで私がくしゃみをすると必ず外国人講師が'Bless you.'と言ってくれます。これを訳すと「神様のご加護がありますように」という意味なのですが、欧米文化では、くしゃみをすると悪魔を吸い込むという伝えがあって、この言葉を言うようになったとされています。

 'Bless you.'と言ってもらったら'Thank you.'と返します。

 20年以上も前のことですが、私がロサンゼルスの空港でスーツケースを引きながら歩いている時にふいにくしゃみをしてしまいました。その音がちょっと響き渡っちゃって恥ずかしいと思ったのですが、私から50メートルくらい離れたところに立っていた黒人のお兄さんが私の方に向かって'Bless you.'と言ってくれた時には、おもわずにっこりしちゃいました。

 素敵な国だな、と思いました

 ペアの言葉をたくさん使うとコミュニケーションが楽しくなります。会話のキャッチボールを楽しみましょう。