英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

継続の力

2010-11-23 | レッスン風景
私のスクールでは小学校クラスから絵本の音読を行っています。2月には全クラスから代表が集まってファイナルコンテストが開かれるのですが、今月は各クラスでリーディングチェックとクラスコンテストを開いています。

 先日、あるクラスを見学に行ったところ、小学校2年生の男の子が表現力豊かに堂々と上手に絵本を読んでいました。よくよくその子を見ると、幼児期、ほとんど声を発しなかった子であることを思い出し、非常に驚きました。

 実は同じような経験があります。

 私のクラスにSくんという男の子がいました。3月生まれで身体も小さく、年中さんから私のクラスに入ってきたのですが、ちょっとしたことで泣いてしまうし、みんなが歌っている時もかすかに口を動かす程度。質問するとわずかに首を振って意思表示をします。

 「いったいこの子はどんな声をしているんだろう」と思ったものです。

 それでも年中・年長と二年通ってきてくれました。小学校にあがる時になってお母さまから相談を受けました。

 「先生、このまま続けていても大丈夫でしょうか?何にも学んでいないようで不安なんです。英語はもうやめたほうがいいでしょうか。」

 確かに私も不安がありました。でもクラスの中では私の言うことを聴いているし、私が英語で言っていることも理解している。Sくんの力を信じたかったのでこう言いました。

 「お母さん、あと半年、待ってください。小学校から内容も変わります。Sくんの力を信じたいです」

 お母さまは「わかりました、先生にお任せします。」とおっしゃられました。

 そしてその後小学生になったSくんは絵本の音読でめきめき力を発揮しました。それまで溜め込んでいた音を一揆に吐き出しているようでした。発音もいいですし、絵本を渡すともう次の週にはそこそこ読めるようになってレッスンにやってきます。

 これには驚きました

 Sくんのなかでカチッと音をたてて何かスイッチがはいったようでした。

 クラスメートも「Sくん、すごーい」と毎回、尊敬のまなざしで見ます。そしておそらくそれがSくんの自信に繋がったのでしょう。小学校では、発言も増え、手をあげて学級委員になったりして活躍し、お母さまも喜ばれていました。

 そのSくん、今は高校の進学校に元気に通っています。中学時代、英語はずっとトップだったそうです。高校の合格知らせを受けた時、お母さまがおっしゃられました。

 「先生、あの時、ほんとにやめなくてよかったわ」

 子どもの学習過程では英語に限らず、必ず波があります。波は大きい時もあるし小さい時もある。小さいからといって、そこでやめてしまうと、次の大きな波を経験することができません。

 ましてや「一生懸命やらないならお金がもったいないからやめるよ」なーんて、子どもを脅迫しないでください 全く効果がないばかりか、やる気を失います。何かやり始めたら、親は先行投資だと思って腹を据えましょう。

 大切なのはゴールを定めたら、親がぶれないこと。

 子どもの力を信じて、続けていけるように励ましサポートすることだと思います。