トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

食べること、食べられること/絵本『貝の子プチキュー』

2009-07-05 00:49:40 | 読書
貝の子プチキュー (日本傑作絵本シリーズ)
茨木 のり子
福音館書店

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 詩人の茨木のり子さんの絵本ということで読んでみました。
主人公が、貝というのも不思議なお話です。
それぞれが棲み分けをしている海の生き物たちは、自然と生きるルールを身につけているのでしょう。貝の子が住むのは、浜辺です。そこにいて、小さな口を開ければ、そこにミジンコや小魚やモズクや砂まで入ってきて、お腹がいっぱいになります。そして眠りにつく毎日の生活。ある日、波の泣きごとを聞いた事がきっかけで、自分の足で歩けることに気がついて、冒険に出かけます。今まで見たことのない世界をたくさん見ます。この度の様子は、不思議な雰囲気を持った山内ふじ江さんの絵を見ながら、絵本の中を旅してください。
 でも、貝の子にとっては、本当は、そんなに長く旅をすることは命をすり減らす事を意味していました。最後に、カニの子とけんかになります。プチキューもカニの事同じ海の子かどうかということでです。カニの子から見れば、貝の子は浜辺の子にしか思えなかったからです。争っているうちに、プチキューは旅の結末として息絶えてしまいます。そしたら、カニの子がプチキューの身体を食べてしまいます。しょっぱくておいしい味がしました。それで、カニの子はプチキューも海の子だったと分かります。でも、プチキューのことがかわいそうに思えて、自分の穴に戻ってさめざめと泣きました。

 何だろう、このラストの描き方。死んだプチキューを食べることは、カニにとっては自然なことです。でも、カニの子は無性に悲しかった。生きていくことの悲しさに気が付いたのでしょうか。本来は子どものための絵本なのでしょう。子どもたちをこの結末をどう感じるか、知りたいと思いました。


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4 コメント

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Unknown (なつ)
2009-07-05 17:56:39
今度子どもたちと読んでみたいと思います。
図書館に借りに行かなくては!
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こんばんは (トッペイ)
2009-07-06 00:11:41
 結末をどう受け止めたら良いのか、迷う所です。
 お子さんの素直な気持ちが聴きたいですね。
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貝の子プチキューを読んで (なつと子どもたち)
2009-07-30 21:33:09
小4娘 「なんで、かには悲しくなったのでし     ょう。友達でもないのだから、よく     わからない。なんで、貝は生きては     いけないところまで旅をしたの       か?わからないことだらけだったけ     ど、なんか悲しくなった本でし       た。」
小6息子「食物連鎖に従って貝を食べたかにの    この現実が悲しかくて感動した。」
母なつ (すみません…。深すぎて、一度読ん    だだけでは、本の伝えんとしていると    ころまで、いかないようです。でも、    表現できないだけで、何かかんじてい    るような、真剣な表情で読んでまし     た。)

久しぶり図書館に行きいい時間を過ごせました。きっかけをいただき、ありがとうございます。
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深い意味があるのかもしれまません (トッペイ)
2009-07-31 01:26:56
 やはり、最後の場面、蟹の子が貝の子を食べて悲しくなるという場面の受け止め方が、それぞれに悲しさを感じさせたのですね。でも、この悲しみの正体はなかなかつかみきれません。食べることが、一つのコミュニケーションになっているなんて、なんといっていいのか。
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