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三多摩・憲法ミュージカル2009 「ムツゴロウ・ラプゾディ」/今年を振り返って、劇場編

2009-12-31 23:44:14 | 演劇・舞台
 3年前に始まった三多摩憲法ミュージカル、今年は「ムツゴロウ・ラプソディ」が上演された。総勢100名の市民による息の会った素晴らしい演技は、大事な憲法上のメッセージも発信していた。

 最初の公演は、生き物たちの創世から、キムジナーを通して視た沖縄の歴史を描いた「キムジナー」で、憲法9条の意義を考える作品であった。未だ、沖縄では、基地問題が解決していない。米兵による犯罪は絶えることがない。歴史教科書から、一部の人々の圧力により、軍による住民の集団自決の関与の記事が消えた。裁判でも、確認されたにも関わらず、文部科学省は記述を変えようとしない。
 この公演で、初めて、憲法ミュージカルを観ることが出来た。三多摩地区では初めての試みであった。障害者も参加しての舞台は、楽しいものでもあり、沖縄戦の悲しい歴史も描いていた。

 去年は、フィリピンの従軍慰安婦問題を描いた「ロラ・マシン物語」であったが、残念ながら、都合が悪くて観ることが出来なかった。

 だから、今年の「ムツゴロウ・ラプソディ」は、是非、観なくてはと思っていた。公演最終日の立川公演の昼の部を鑑賞した。

 あの諫早湾のギロチン堤防により、水門が閉ざされた時から、もう12年もたっている。自然環境が、無駄な公共工事の名の下に、いとも簡単に破壊されていく。失ったものを取り戻すことは容易ではない。豊かな諫早湾の生物の多様性が破壊されても、政治家は動かなかった。動いたのは、お金だったのだろう。佐賀地方裁判所の判決で、水門の開門命令が出るも、国は無視し続けた。

 ミュージカルでは、諫早湾に暮らしていたムツゴロウや他の生物の訴えという形で進行していく。第1楽章「序」では、かつての豊かな海に繰り広げられる生き物たちの営みが描かれる。第2楽章「破」では、ギロチン水門が絶つ生命の営みと、丘に上がった漁師の苦しみ。第3楽章「急」では、人間に対する問いかけ。人間はどこから来て、どこに行くのか?国家とは何か?ミュージカルの中では、水門が開いていく。

 憲法25条が保障する生存権。人間ばかりでなく、地球に生きる生き物たちにも多様性は保証されなくてはならないだろう。
 地元の高尾山に、圏央道のトンネルが掘られようとしている。そうまでして、一体、何を人間にもたらそうとするのであろうか。

 今年は、政権交代が重大ニュースのトップであろう。しかし、民主党のマニュフェストも、以前の諫早湾開門の姿勢が、今回の選挙では、地元の声を聴くということに後退してしまった。ムツゴロウ達が望んでいたようにはいかない可能性も出てきた。また、地元の長崎県の知事選の出馬予定の民主党推薦の候補は、水門を絶対に開けないと言っている。政権交代にかけた希望が、少しずつ潰えていくようだ。

 この地球は、人間だけのものなのだろうか。

 憲法ミュージカルでは、実績のある大阪のPVが紹介されていた。

大阪・憲法ミュージカル2009 「Mutsugoro Rhapsody」 PV




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