トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

今年を振り返って/第九回日本ろう者太鼓同好会 府中公演

2009-12-31 00:38:01 | 演劇・舞台
 今年は、例年と違って、文化に触れてみようと、色々が劇場に足を運びました。透析に入ってから、出不精になっていたのですが、人生限られた時間を、劇場という演技者と観客が創る1回限りの空間を出来るだけ共有して、楽しんでみたいという心境になったからです。
 国立能楽堂にも、やっと行くことが出来ました。ベネズエラの文化週間では、ハコメのアルパカの演奏を堪能出来ました。

 新型インフルエンザの感染のリスクも有りましたが、マスクをして出かけて行きました。

 今年は、三多摩地区の府中で第9回日本ろう者太鼓同好会の公演がありました。2年に1回、東日本と西日本で交互に開かれる大会が、府中で開催されるというのは、まさに好機でした。他の地区には、とても出かけることが出来ないからです。
第8回の時の様子は、YouTubeにアップしてあった動画で、少しだけ見ることが出来ましたが、実際の演奏を楽しめるなんて、最初は思ってもいませんでした。

 ろう者の太鼓奏者のソロの演奏家の人は、何年か前の地元の手話まつりの時に演奏を聴くことが出来ました。ギターベースの聴者との掛け合いもありました。その時は、ろう者が風船を持って、太鼓の響きを受け止めていました。

 ろう者と音楽といえば、地元には、東京で、ろう者のバンドを集めてライブを開催し、自らもパフォーマーとして活躍する原伸男さんがいます。彼のライブの様子は、YouTubeで見ることが出来ます。

 ろう者と音楽というと、不思議な取り合わせと思われる方もいるかと思いますが、このように、音楽に関わっているろう者も少なくありません。

 さて、今回の府中公演は素晴らしいものでした。早めに会場に行って、かぶりつきの席で観て、聴くことが出来ました。演奏者の息遣いも聞こえ、恰好よく決めている青年の耳に光るピアスまで見えました。

 各団体は、それぞれの特色を生かした熱演を繰り広げました。

 播州ろう者龍姫太鼓集団「鼓鼓呂」は、手話唄も演じ、その際には、小道具を使っての表現など、視覚的にも楽しむことが出来ました。

 伊丹ろう者太鼓同好会「楽鼓」は、結成10周年ですが、会員数の減少にもめげずに力演してくれました。

 甲州ろうあ太鼓は、結成28年目という驚くべき団体で、その技量は素晴らしいものでした。

 吹田市聴言障害者協会和太鼓クラブ 吹田ろうあ太鼓「和龍耳」は、聴者も交えての演奏で、大阪らしい「持車(だんじり)囃子」を聴くことが出来ました。当日は、だんじりの踊りも披露される予定でしたが、新型インフルエンザの影響で、縁者が休みとなってしまいましたが、お祭りの雰囲気は十分に楽しめました。

 釧路市聴力障害者協会「蝦夷太鼓」も、技量の素晴らしい団体でした。北海道らしく、アイヌの民族楽器ムックリで始まる「サルルンカムイ」は、アイヌの伝統文化とも融合した素晴らしいものでした。パフォーマンスも楽しかったです。

 ㈳東京都聴覚障害者連盟文化部 大江戸助六流東京ろう者太鼓同好会「鼓友会」の演奏は、東京らしい、洗練されたさっぱりした演奏でした。今年の「さよなら!障害者自立支援法 つくろう!私たちの新法を! 10.30全国大フォーラム」の時にも、ミニコンサートで演奏し、ヒップホップダンサーとも共演していました。

 大阪からは、豊中ろう和太鼓くらぶ「鼓響」も参加しました。少ない人数ながら、2曲を力演してくれました。

 今回は、地元の府中市から、ろう和太鼓同好会「龍和夢太鼓」が演奏を披露しました。今後は、三多摩で聴く機会があるかも知れません。

 フィナーレは、各団体が出演する三宅太鼓で締めます。第1回から続いている合同演奏だそうです。

 それぞれの団体の演奏の時には、会場の観客も手拍子で演奏に加わるという、楽しい体験を味わうことが出来ました。

 練習は厳しいものなのでしょう。体で、調子をとり、残存聴力で音を拾っていくなどの困難さを克服しての演奏は、ろう文化であり、一般の太鼓文化でもあります。

 一言でいえば「恰好いい」演奏でした。

 ただ、いつもは、最後に次の開催地へのバトンタッチが行われることになっているようでしたが、今回は、事情があって次の2年後の開催地がまだ決まっていない状態でした。この素晴らしい大会が今後も無事に続くことを祈りながら、感動の余韻の中、京王線に乗り込みました。

第八回日本ろう者太鼓同好会 姫路公演


2009年9月23日宝山寺(生駒聖天)『お彼岸万燈会』播州ろう者龍姫太鼓集団




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