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元校長の処分取り消し確定=養護学校訴訟-最高裁/気になるニュース

2010-02-26 00:22:30 | 法律・裁判
元校長の処分取り消し確定=養護学校訴訟-最高裁(時事通信) - goo ニュース

 石原都政に変わってから、教育現場に自由は消え、管理体制が着々と進められていった。国家の教育統制に代わって、都の教育委員会は、学校教育を統制していく役割を担っていった。戦前に逆戻りする感すら感じられ、そのうちに、各学校に訓導が置かれるようになるというのも、あながち空想の域に留まらなくなった。

 都立七生養護学校(日野市、現七生特別支援学校)に対する、2003年7月に、都議及び教育委員会、そして、報道機関の産経新聞の記者が、同校を訪れ、同校で長い時間をかけて試行錯誤で取り組まれていた性教育に対する不当な攻撃が行われた。この件に関しては、2005年5月に、保護者2名を含む31名が原告となり、「こころとからだの学習」を破壊していった3都議、東京都、東京都教育委員会、産経新聞社を相手に、憲法教育裁判を起こした。2009年3月12日東京地裁は、3都議らの養護教諭への非難などの行動は政治的介入であり、「不当な介入」にあたる等の判決を出した。この件に関しては、次の岩波ブックレットを参考にしていただきたい。

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 国家主義を目指す人々は、極端に性教育を嫌い、純潔教育を主張する。戦時中の銃後の守りの女性という立場が頭に焼きついているのである。兵士が、国家のために命を投げ出すためには、女性だけは貞節であれというのである。安心して戦うために。

 さて、この裁判とは別に、七生養護学校に関する裁判が続いていた。
同校元校長金崎満氏に対する東京都教育委員会の不当な処分に対するものである。金崎氏の情緒障害の重い子どもたちへの柔軟な学級運営を「不適当な学級編成」とし、教職員の超過勤務を解消するための勤務調整を服務違反などと理由づけて、懲戒処分(停職1カ月)や降格処分(校長解任の分限処分)が2003年9月に行われた。その処分の根底には、性教育の実施への報復の意味が隠されていると考えられた。

 金崎氏のそうした不当な処分の取り消しを求めていた訴訟で、最高裁第3小法廷(堀龍幸男裁判長)は23日付で、都側の上告を退ける決定を行い、都側の処分を取り消した1、2審の判決が確定した。

 原告側は「都教育委員会は養護学校での性教育を不適切と決めつけ、実質的に性教育を理由に処分を行った」と主張したが、1審の東京地裁は、性教育に関する判断を回避し、処分は根拠のない事実に基づいたもので、裁量権の乱用と判断(2008年3月)、2審東京高裁も1審の判断を支持した。(2009年4月)。

 裁判所が、教育現場での、生徒の障害の程度に合わせた学級編成をはじめ、教育現場での柔軟な対応を認め、管理者としての都教育委員会の裁量権の乱用を認めなかった点は評価できる。しかし、事件の根本となった性教育への不当な攻撃に対する判断を示さなかったことは残念である。

 なお、本来の性教育裁判は、現在、東京高裁で進行中である。


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