トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

blogramランキング参加中

blogram投票ボタン

「ハートをつなごう/依存症2夜」を視て

2009-01-30 02:06:17 | 障害
 依存症の対象にはいろいろあるが、今まで潜在化して、未だ概念化されていないのが、恋愛依存・性的依存症である。対象の性格から表に出ることが少なかったからだ。

 番組では、大阪在住のセリさん(30)の生き方が語られた。子供の時に父親から精神的虐待を受けていたようだ。お前は自分の本当の子供なのかなどと言われていたが、父親には愛されたかった。高校1年の時に、1年先輩と交際を始め、1週間目に関係を持った。この時、初めて人から愛されたと実感したという。その後、二人の仲は半年後に破局。その衝撃から、リストカットを繰り返すようになった。高校中退後、「愛を求めて」男性遍歴が始まった。繁華街で、男性に声をかけられるのを待っていた。男性と関係を持つ時にはじめて自分が必要とされているという実感を得ることができたというが、関係は3回も続かなかった。実際は愛のないものなので、自分から相手の感情が冷え切ってしまう前に別れを繰り返していた。結局は、恋愛依存から抜け出せなくなった。夜中に心が苦しくなった。団員募集のポスターを見て劇団に入った。そこで、観客のカジさんと知り合い交際を始めるが、その時も複数の男性と交際していた。カジさんに別れを切り出しても、彼は今までの男性と違い、別れようとしなかった。やがて彼一人だけと交際するようになるが、セリさんには愛し方が分からなかった。何時も愛していると言って欲しかった。カジさんは、性が愛の全てではないと話したが、彼女には愛は性としか理解できなかった。精神も不安定になり、薬やアルコールに依存することもあった。

 転機は、26歳の時に大阪の繁華街で、薄汚れた子猫を拾ったことだった。目は目やにだらけで、生ごみの臭いがした。子猫を獣医に連れていった。病気だった。猫エイズと猫白血病でいつ死んでもおかしくないと言われた。子猫を看病しながら、子猫が自分を必要としている、人を愛するという意味が分かったような気がした。翌年、カジさんと結婚。初めて、セックス無しでもカジさんの愛を実感できるようになった。今は、元気になったあいとカジさんと幸せに暮らしている。

 石田衣良さんが、最近の恋愛小説や恋愛ドラマが若い女性にレンアイヲシロと背中を押していることを指摘していたのが印象的だった。追い込まれなくてもいいのだということだ。

 強迫的に不特定多数の男性を恋愛・性的対象として自分を追い込んでいく依存症はまだその概念が形成され始めたところである。

 セリさんは、苦しんでいる人にもっと自己肯定感を持ってほしいと言っていた。自分を否定しないでほしいと言っていた。