トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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読書「ヘンリー・ブラウンの誕生日」

2009-01-19 20:23:17 | 読書
ヘンリー・ブラウンの誕生日
エレン レヴァイン,カディール ネルソン
鈴木出版

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 ヘンリー・ブラウンって誰?今では、オバマ大統領が誕生するアメリカでも、19世紀半ばには、400万人もの黒人奴隷がいました。この大型絵本は、自由を求めて南部から北部へ脱出した黒人奴隷で最も有名なヘンリー・ブラウンの生い立ちと自由を求めての脱出の旅を描いています。当時は、白人の中に彼ら奴隷の脱出を助ける「地下鉄道」という組織がありました。力を貸してくれる人は「駅長」とか「車掌」と呼ばれました。逃亡することはとても困難なことでした。何百キロという距離を様々な手段を使って危険な旅をしました。ヘンリー・ブラウンは小包として箱の中に隠れて逃亡することに成功しました。27時間、トイレも我慢しての脱出。

 奴隷は人間扱いされませんでした。だから、誕生日なんてものはなかったのです。ヘンリー・ブラウンの誕生日は何時かって?脱走が成功した1849年3月30日、彼が自由を手に入れた日です。その日から新しい名前「ヘンリー・ボックス・ブラウン」と呼ばれるようになりました。もちろん、箱の中に入ってきたからね。

 子どもの本は、分かりやすく、読みやすく書かれています。絵本の場合は、絵の表現も重要な要素です。物事の本質を、簡潔に、短い文章で表わすのは大変困難な作業です。大人になっても、すぐれた絵本や児童書を読むことは、十分意義のあることだと思います。本書は、奴隷制と自由の獲得という重いテーマを子どもに分かりやすい話と魅力のある絵で作られた本でした。

読書「靖国への帰還」 内田康夫

2009-01-19 19:08:21 | 読書
靖国への帰還
内田 康夫
講談社

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 読み終わるのにかなり時間がかかってしまった。靖国神社に「英霊」として祀られている青年が現代にタイムスリップしたら、今の世の中をどう見るのか。武者中尉は夜間戦闘機「月光」でB29と戦闘中に負傷し、帰還中に現代にタイムスリップしてしまう。武者中尉には心を寄せる女学生がいた。沖有美子である。今は、根元有美子。ラストに至るストーリー展開はベタなものだが、本書を「靖国問題」の解説書として読むこともできる。靖国神社の存在意義に対する肯定・否定説の両方が言及されている。したがって、読者の思いにより、この小説から受ける印象は正反対のものになる可能性がある。
 武者中尉の思いにも揺れが生じる。「月光」の整備担当の自衛隊員の木村の発言が防衛大出身の情感より的を得ていることが面白かった。たとえば「英霊は語らないものです。当事者である英霊が語ると、誰でも反論できないのでしょうか」。
 単純明快に思えた武者の考え方に現れた揺れを見れば、本書が単なる靖国賛歌でないことが分かる。テレビ局のやらせの発言、その内容に含まれる戦病死や飢えで死んだ兵士の存在が無視できないものとなるのだから。実際に、南方前線では戦闘ではなく飢餓で死んだ兵士が多いのだから。

 最後に、60年間、待つ者として描かれている有美子の発言がこの作品の救いとなっている。

 「A級戦犯合祀のことです。すでに合祀された以上、いまさらどうすることもできませんけれど、わたくしは嫌い。とくに東条さんが大嫌いです」

 「武者さんが一つだけ勘違いしていらっしゃることがあります」「靖国神社のことですけど。軍人さんが『死んだら靖国神社へ還る』っておっしゃってらした気持ち、とてもよく分かるんですけど、それはやはり男性の考えですわね。女のわたくしたちは、そうではなく、その方のご家族や恋人や愛する人の心の中に還って来て欲しかったのだと思います。心の中に、いつまでも消えることのない蝋燭のように、灯をともしていただきたかったわ」
 

【派遣切り】派遣労働法改正の原点/動画から

2009-01-19 09:42:37 | 格差社会・貧困化社会
 小泉政権と経団連、一部野党の反応、マスコミの取り上げ方を振り返ってみることは、今後の民主主義を考える上でも必要でしょう。自公政権の性格も総括する時期が来ているようです。

【派遣切り】派遣労働法改正の原点


 年越派遣村の閉村後の国会へのデモ行進の時に、能天気の公明党の国会議員が出迎えに出ていましたが、タスキまでかけて、デモの参加者から罵声を浴びていました。当然の事でしょう。

公明党議員に対して派遣の人が罵声を浴びせる



寝る前に一言「阿修羅像」

2009-01-19 02:01:44 | 日記
 おいらの好きな仏様、正確には神様だが、が東京にやってくる。場所は上野の国立博物館。はるばる奈良の興福寺から阿修羅が他の八部衆像と十大弟子像も連れてやってくる。興福寺の送検1300年記念という大切なお勤めだという。
 初めて観たのは、中学生の時の修学旅行であった。なかなか関西には出かけることができなかったのが、阿修羅がはるばる東京まで来てくれる。ぜひ、行って再会したい。「国宝阿修羅展」は3月31日から6月7日までの長期間の開催なので、時間を作っていってみたいと思っている。
 以前、阿修羅像の復元図を見たことがあるが、彩色された派手なもので、ひげまで描かれていた。今は、色が落ちて、少年のような表情になっている。昔の仏像は、塗金されていたり彩色が施されていて、現在見るような姿は時間がさらに作り上げたものが多い。他の神像も魅力ある姿をしている。

 悪乗りか、去年行われたジュノンスーパーボーイコンテストで、「阿修羅」賞が特別に設けられたそうだ。

 阿修羅を描いた特異なSF小説に光瀬龍「百億の昼と千億の夜」がある。釈迦からキリストまで登場する壮大な物語で、高校の時からの愛読書である。未だ、内容の完全な理解には至っていない。プラトンも道標としての役柄で登場する。この難しい話を漫画に描いたものが、萩尾望都の同名作品である。この本は、萩尾さんの眼を通してのストーリーが展開されており、やはり、おいらの愛読書の一つである。ただ、イエスの描き方は、クリスチャンの人には認めがたいものであろう。この作品では、阿修羅が重要な役割を演じている。

 ※なお、身障者手帳で、本人と付き添い1人の入場料が無料になる。

百億の昼と千億の夜 (ハヤカワ文庫 JA (6))
光瀬 龍
早川書房

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百億の昼と千億の夜 (秋田文庫)
光瀬 龍,萩尾 望都
秋田書店

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