遺影見てこぼす涙や椿散る
真冬日の花の白さや父眠る
喪の服を仕舞う夜更けや寒の星
(姉の俳句から)
このところ、冬の寒さを感じる日はありませんが、すきっとしない天気が続きます。そんな1月の終わり。日曜日から今日まで3日間、お通夜と葬儀に行くことが続きました。

お通夜と葬儀の中の話を聞きながら、いろんな思いにかられました。
今日は、2人の大切な人の命日もありました。その中の一人に父がいます。今日は、家から離れている家族も夜、お参りに来てくれました。父が亡くなってから月日が経ちました。父の葬儀の前後は、雪が激しく降った日でした。
火葬場の煙を見ているときに、空から雪が舞っている光景は今でも心に残っています。
あの日のことを以前書いたエッセイの一部です。

『午後になって、手を握る父の力がなくって来ました。看護師さんが血圧が落ちてきていると教えてくれました。父に話したり優しく接してくれました。もう私に父が手を握ってくれることはありませんでしたが、私たちは、真剣に父の手を握りしめていました。孫たちも「おじいちゃん、がんばって。」と耳元にささやいていました。
機械が確実に心臓、血圧の機能も低下を示しています。
一番上の姉は、二番目の姉に「Sちゃん、早くくれば。」と祈っていた。父の最期をみんなでという願いです。涙ながらに病院に向っているに違いありません。
呼吸が乱れてきました。
「おじいちゃん、息をして。」姉が叫ぶ。すると、「ふー。」と息をする。その間隔が長くなる。「おじいちゃん、もう一回。」父は、それに答えるかのごとく、息をする。姉の声が届いているようです。
その時です。父が目を開きました。周りの人に別れを告げたかったのでしょうか。しばらく目を開けて閉じました。それからまもなく、先生から心臓停止が伝えられました。
病院の心配りで、二番目の姉が来るまで父の体を拭くのを待ってくれていました。到着した姉は、涙を流しながら父の体を抱きしめました。連れ合いや家族、姉弟の父に対する心が、一つになりました。
父の体は、冷たくなりました。頭をなでました。
「がんばったね。」「もう、病気で苦しまなくていいよ。」みんながそう感じたと思います。
天国でゆっくり、休んで下さい。
父の尊敬する看護師さんも父に涙を浮かべて声をかけてくれました。看護師が父に声をかけながら、体をふいてくれました。体が弱って、ひげをそることができなかったので、伸びたひげもそってくれました。また、生きているような元気な父の顔に戻った。
酸素療法のホースが鼻からはずれました。何年ぶりだろう。いとこが「久しぶりにホースのないおじちゃんをみたね。」と言いました。~(略)~棺に入った父が久しぶりに家に帰ってきました。』

今日は同僚のご家族の方の葬儀でした。葬儀が終わってからスクリーンに家族が歩いてきた道のスライドが上映されました。亡くなられた方とのたくさんの温かな関わりの中のほんの一部を感じることができました。
生きている一日、一日を大切にしていきたいと感じました。
真冬日の花の白さや父眠る
喪の服を仕舞う夜更けや寒の星
(姉の俳句から)
このところ、冬の寒さを感じる日はありませんが、すきっとしない天気が続きます。そんな1月の終わり。日曜日から今日まで3日間、お通夜と葬儀に行くことが続きました。

お通夜と葬儀の中の話を聞きながら、いろんな思いにかられました。
今日は、2人の大切な人の命日もありました。その中の一人に父がいます。今日は、家から離れている家族も夜、お参りに来てくれました。父が亡くなってから月日が経ちました。父の葬儀の前後は、雪が激しく降った日でした。
火葬場の煙を見ているときに、空から雪が舞っている光景は今でも心に残っています。
あの日のことを以前書いたエッセイの一部です。

『午後になって、手を握る父の力がなくって来ました。看護師さんが血圧が落ちてきていると教えてくれました。父に話したり優しく接してくれました。もう私に父が手を握ってくれることはありませんでしたが、私たちは、真剣に父の手を握りしめていました。孫たちも「おじいちゃん、がんばって。」と耳元にささやいていました。
機械が確実に心臓、血圧の機能も低下を示しています。
一番上の姉は、二番目の姉に「Sちゃん、早くくれば。」と祈っていた。父の最期をみんなでという願いです。涙ながらに病院に向っているに違いありません。
呼吸が乱れてきました。
「おじいちゃん、息をして。」姉が叫ぶ。すると、「ふー。」と息をする。その間隔が長くなる。「おじいちゃん、もう一回。」父は、それに答えるかのごとく、息をする。姉の声が届いているようです。
その時です。父が目を開きました。周りの人に別れを告げたかったのでしょうか。しばらく目を開けて閉じました。それからまもなく、先生から心臓停止が伝えられました。
病院の心配りで、二番目の姉が来るまで父の体を拭くのを待ってくれていました。到着した姉は、涙を流しながら父の体を抱きしめました。連れ合いや家族、姉弟の父に対する心が、一つになりました。
父の体は、冷たくなりました。頭をなでました。
「がんばったね。」「もう、病気で苦しまなくていいよ。」みんながそう感じたと思います。
天国でゆっくり、休んで下さい。
父の尊敬する看護師さんも父に涙を浮かべて声をかけてくれました。看護師が父に声をかけながら、体をふいてくれました。体が弱って、ひげをそることができなかったので、伸びたひげもそってくれました。また、生きているような元気な父の顔に戻った。
酸素療法のホースが鼻からはずれました。何年ぶりだろう。いとこが「久しぶりにホースのないおじちゃんをみたね。」と言いました。~(略)~棺に入った父が久しぶりに家に帰ってきました。』

今日は同僚のご家族の方の葬儀でした。葬儀が終わってからスクリーンに家族が歩いてきた道のスライドが上映されました。亡くなられた方とのたくさんの温かな関わりの中のほんの一部を感じることができました。
生きている一日、一日を大切にしていきたいと感じました。