神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] へリックスの孤児

2009-12-27 10:32:01 | SF
『へリックスの孤児』 ダン・シモンズ (ハヤカワ文庫 SF)




ダン・シモンズの中編集。
《エンディミオン》の後日譚(あの世界では、あんまり時間は意味無いけど)と、《イリアム》の前日譚も収録。

アイネイアーが出てくると勘違いして買った(笑)
アイネイアンは出てくるけど、アイネイアーは出てこねーよ。
しかも、「重力の終わり」以外、どれもS-Fマガジンで読んだやつだったよ!

ただ、不思議なことに、結末がどうなるか、はっきりと憶えていなかったので、十分に楽しめました。俺の記憶力の無さ、バンザイ。
返って理解が深まって、再読の方が面白かったぐらいだ。

「カナカレデスとK2に登る」なんて、最初に読んだときの記憶では「なんじゃこりゃ」だったのだが、今回読み返してみると、感動することしきり。“〈歌〉が聞こえる”を陳腐と取るか、新たな世界を象徴する“何か”と取るかで、読後感はまったく異なってくる。

ただし、ちょっと問題じゃないかと思うところがある。シモンズの自己解説もいいが、日本語版解説として、もうちょっと《エンディミオン》、《イリアム》に触れておいた方が良かったんじゃないか。「アヴの月、9日」なんて、『イリアム』、『オリュンポス』読んでないと、さっぱり意味がわからないだろう。「へリックスの孤児」だって、読むべきは《ハイぺリオン》じゃなくて、《エンディミオン》だと思うし。

こんな不親切なことじゃ、「いきなり長編は怖いので短編集から」という読者が逃げるかもよ。


[映画] アバター

2009-12-27 00:15:06 | 映画
『アバター 3D』 - goo 映画


(C)2009 Twentieth Century Fox. All rights reserved.


ひどい映画だ。映画の出来がどうとかではないのだ。見ている間中、イライラしていた。

それは、隣に座った男の鼻息が荒いとか、後ろに座ったカップルがずーっと小声で喋っているとか、そういうことではない。
近眼眼鏡と3D眼鏡が合わなくて重なりずらいからとかでもない(ちなみに視力は0.3~0.5くらい)

一言で言ってしまえば、なんでこんなに脳味噌筋肉な連中ばかりなのだ!

たとえば主人公の最初の転送シーン。おれが管理者なら、すぐに中断ボタンを押して、地球に送り返すね。
あれは足を再び獲得した主人公の高揚を表現するシーンなのだろうが、一歩間違えば転送システムの破壊や大気汚染による災害が発生していた可能性が高い。どうしてあんなことが許されるのだ。ありえない。

さらには映画全体のテーマとなる、あの戦争。まったくバカばっかりだ。

大佐が基地のメンバーを集めて演説するシーン。あそこには民間人もいるんだろう。なんで誰も反論しないのだ?
なんでおかしいという奴がいないのだ?

格好いいのは女性パイロットのみ。エロイ。美しい。かっこいい。そして、こいつだけ、頭蓋骨の中に脳味噌が入っている。

ラストシーン。確かにナヴィは勝利を収めた。しかし、その勝利はつかの間のものでしかない。
人類側はナヴィを動物だと思っているし、ナヴィ側も人間を悪魔か何かのように考えている。そこに相互理解は無い。
ジェイクは人間として受け入れられたのではなく、ナヴィとして受け入れられたのだ。だから、最後は本当にナヴィになった。

予言してもいい。人類側は明日にでも、もう一度やってくる。今度は大量の駆除(≠殺戮)兵器を持って。

科学者達がやるべきことは、銃を持ってナヴィと一緒に戦うことではなく、パンドラの生態系を民間人含めた基地世論に訴えることだったはずだ。それが理解と共感を得ることが出来れば、マヌケな命令に従うものは減ったはずだ。
それが無ければ、結局は力で力をねじ伏せただけ。それは暴力の連鎖を呼ぶだけだ。

何がラブストーリーだ。キャメロンは恥じ入るべきだ。
こんな映画を作る国がやっていることだからな。アフガン戦争は永遠に終わらんよ。


その他雑感:
・異星生態系としては、ナヴィは鎖骨の窪みに呼吸口、わきの下に退化した第2肢、目頭の窪みに複眼を持つべきだった。CGなんだから、それぐらいできるだろ。あれじゃナヴィだけが生態系から浮いている。
・竜との交感は明らかに『パーンの竜騎士』のパクリだよね。どっちかというと、あれの映画化が見たいぞ。
・色は綺麗だったが、画面の迫力では『2012』の方が上だったかも。どっちかというと、あれの3D版が見たいぞ。



[SF] SFマガジン読者賞が当たった件

2009-12-26 12:13:34 | SF
S-Fマガジン2010年2月号で発表されたSFマガジン読者賞。


海外部門
受賞作:『フルーテッド・ガールズ』 パオロ・バチガルピ
第2位:『暗黒整数』 グレッグ・イーガン
第3位:『蟹は試してみなきゃいけない』 バリントン・J・ベイリー
第4位:『鏡』 チャイナ・ミエビル
第5位:『祝宴』 アンドレイ・サルマトフ

国内部門
受賞作:『雨降りマージ』 新城カズマ
第2位:『地球移動作戦』 山本弘
第3位:『屍者の帝国』 伊藤計劃
第4位:『星魂転生』 谷甲州
第5位:『小惑星物語』 樺山三英

なんと、両方とも投票した作品が受賞。これは自分的には初の快挙である(笑)
これまでぜんぜん外してたからなぁ。
世界が俺様に追いついたか(笑)

2010年1月号でも評価の高かったバチガルビバチガルピ。受賞常連のイーガンを倒しての第1位獲得。そろそろ短編集なり、長編訳なりが出てもおかしくないと思うんだが。

個人的な好みではイーガンよりも、チャンよりも上の、現在もっとも注目すべき作家である。社会的にも話題の環境問題や食料問題に言及した作品も多く、2010年はバチガルビの年になる……かもよ。


[コンサ] ゴンに続いてコン

2009-12-26 08:48:13 | Weblog
中山に続いて、近藤もオフィシャルに来てたー。

近藤 祐介 選手 コンサドーレ札幌に完全移籍

新聞発表から時間がたったのでガセネタ説も浮上していましたが、これで確定。
今回はwikipedia遅いよ。なにやってんの!(笑)

石崎監督はポストプレーができる大型フォワード(都倉とか都倉とか都倉)を希望していたらしいが、ポストプレーは微妙な大型選手の獲得だ。

ノナト以来の大型選手ということで、早くもネタ選手扱いされているが、最近の本人を見ていないのでなんとも。

近藤といえば、サカつく5でウチのチームのエースだったことがある。ノーリセット、2年目でJ1昇格した立役者だった。
(もっとも、サカつく5は結構ヌル目だったけど)
しかも、その後、新居にポジションを奪われるという可哀想な人(笑)

これでFWの獲得は内村、中山に続いて3人目。やっぱり、買い手市場ということと、キリノ、ハファエル移籍の保険なんだろうか。
そうなると、選手総数24人前後というのも、多いほうへ振れそうか。

上原や横野を成長させるための方法も考えなきゃいかんよな。
気になるのが、来年サテライト廃止ということ。サブの選手は練習試合のみということになりそうだが、道内だとめぼしい相手がいない。遠征するにしても金がかかる。九州とか関東とかの、J2密集地域がうらやましい。


ところで、GKとSBはどうすんの?

[コンサ] おーなかやま!

2009-12-23 21:51:37 | コンサ
おーなかやま!
なかやま なかやま ゴンごーる!

今日は休日なので、無いかと思ってたら、オフィシャルにも来てましたね。

中山雅史選手 コンサドーレ札幌へ新加入のお知らせ

SFファンでコンササポとしては、今日はあんまり追加情報無かろうと、「ビートたけし緊急報告超常現象(秘)Xファイル」を肴にサッポロビールを飲んでいたわけだが、某巨大掲示板はすっかりゴン祭りの雰囲気である。

gooひとことの方にも書いたけど、来たからにはウチの選手。応援します。
まぁ、フルタイム出場は無理だろうけど、日本代表では“スーパーサブ”という言葉を定着させた選手だし、75分の男として定着してくれたら嬉しい。

西が新潟レンタルで、ダニルソンの名古屋移籍もどうなるかわからない状況。人数的に不足しているのはサイドバックとボランチなので、FWが増えてもあまり嬉しくないというのが正直な気持ちなのだが、何しろゴン中山である。日本のサッカー選手では、知名度としては三浦カズと肩を並べるであろうゴン中山。

ニトリのCMで“タンスにゴン”とか、ぜひ実現して欲しい。<プレーじゃなくてそっちかよ。

ただ気になる処が無いわけではない。コンサドーレが獲得した有名選手の中で、攻撃的な選手で活躍した選手がいないのである!

“友達ならあたりまえ”アルシンド
“アジアの大砲”高木琢也
“レフティーモンスター”小倉隆史
“スピードスター”小島宏美

どれも活躍しなかったよねぇ。
元ブラジル代表のホベルッチとかベットとかは存在すら忘れた(ゲラ)

ディフェンダーだと、“初代Mr.コンサドーレ”ペレイラ、“コンサド-レU-15名監督”名塚善寛とか、活躍した選手はいるんだけど。

あ、高円宮杯準々決勝進出おめでとう>U-15札幌&名塚監督!

話はずれたが、ゴン中山には、「ネームバリューで獲った攻撃的選手は活躍しない」というジンクスを、ぜひ覆してもらいたい。

そして、J1復帰で磐田からゴールを奪ってやれ!


【追記】
“ゴリ”森山泰行を忘れてたぜ。活躍しなかったどころか、赤黒ユニフォームでのプレーを見た記憶がないんだけど(笑)

ボバンババンボンボンバボン

2009-12-22 22:31:11 | Weblog
第3次忘年会は諸般の事情により、一次会で解散。
まぁ、中には、今日は第6次なので、もういいとか、このあと会社帰ってなんとかという人も多かったし。

その帰り道、ふと口をついてでたメロディ。
♪ボバンババンボンボンバボン

そのとき、やっと、フィッツのCM「♪かむんとにゃんにゃん」が狼少年ケンだと気が付いた。

みんな知ってたの?
本当?


[コンサ] 佐藤ゆーや手術?

2009-12-22 07:01:08 | コンサ
佐藤優也が手術だってよ。
(ただし、ソースは2ch)
ホーム最終戦に欠席は関係なかったみたいだけど、以前から噂は出てたからな。

じゃぁ、ぎーさんを大宮から呼び戻しかと思ったら、新潟に決まったらしい。
あとは0円選手、あんまり残っていないしなぁ。
第2キーパーだから、あんまり金かけられないし。

あ、シャイニング林がいるか。^^;


ところで、近藤祐介獲得がオフィシャルに出ないんですが、契約で揉めてるんですかね?
本当に500万ならお値段以上だと思われるんですが。


ゴンはもう熊本でいいよ。FWは数だけなら余ってきた。


あとは、やっぱりSB不足な気が。
サテでSB出場経験もあるが、上原はFWとして育てた方がいいと思う。
ここは古田にポジションを奪われそうな藤田征也の右SB再挑戦に期待してみるか。


[SF] 激戦! 蒼橋跳躍点

2009-12-21 22:47:33 | SF
『激戦! 蒼橋跳躍点(銀河乞食軍団 黎明篇[3])』 鷹見一幸 (ハヤカワ文庫 JA)




野田昌宏原案、鷹見一幸著な《銀河乞食軍団 黎明篇》の3冊目。
まだ乞食軍団は結成されません。

野田節乞食軍団とはかなり違い、今回は壮絶な宇宙艦隊戦。本当はこっちの方がやりたかったんだという著者の意図がありあり。
主計科のコック長に滔々と宇宙戦の説明をさせたり、まさにノリノリである。

そうは言っても、〈蒼橋〉事変の最終巻としては、先行巻と比較しても、どうしても粗が目立つと思われ。
特に、正直言って、どうしてそこまでという動機の部分が納得いかなかった。〈紅天〉艦隊側にしても、キッチナー中将側にしてもだ。

まぁ、戦争というのは経済的な困窮と政治的な意地の張り合いから、傍から見ると馬鹿馬鹿しい理由で起こるものだという主張なのかもしれないが。

さらに最後は無理矢理結末をつけた雰囲気が丸見え。ロイスの取材を巻頭に持ってくるぐらいで、読後感は大幅に変わったと思うんだけど、先に連続刊行が決まっていたせいで時間と枚数の制約があったのだろうか?

この企画を聞いたときには眉唾状態だったのだが、第1巻を読んだときに意外な拾い物だと思った。しかし、終わってみれば、こんなものか。いや、野田大元帥が偉大すぎるのかもしれない。

〈蒼橋〉は星系全体が乞食軍団と言ってもいい雰囲気の星だが、ムックホッファやロケ松はまだまだ退役していない。そういえば、退役時にはムックホッファは中将だったんだよな。黎明編はもう少し続きそうだが、この先どこまで行くのやら。

個人的には乞食軍団の続き(第2部?)が読みたいんだが、それは無理か。




[NF] 0と1から意識は生まれるか

2009-12-19 18:24:59 | SF
『0と1から意識は生まれるか 意識・時間・実在をめぐるハッシー式思考実験』 橋元淳一郎 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)




最近ネット書店でばかり買い物をしているのだが、久しぶりにリアル書店で見つけて衝動買いしたもの。
0と1から意識は生まれるか。なんという甘美な響きの命題か。
鉄腕アトムの時代からの科学少年の夢ではないか。

でも、なんだか読んだことがあるような……。《ドクターψ》って、ずいぶん前にS-Fマガジンで連載してた奴じゃん(笑)
なおかつ、表題の“アンドロイドは電気羊の夢を見るか?”的な命題に関する思考実験は一部のみ。どちらかというと、エントロピー増大と時間とは何かという議論の方が比重が大きい。

第1章:葉緑体人間は可能か
第2章:人工生命は自己意識を持てるか
第3章:自己意識とは何か
第4章:時間とエントロピー
第5章:時間はなぜ過去から未来に流れるのか
第6章:真の実在を求めて

自分は人間機械論をある程度正しいと認識している方なので、生命と機械には自明な差があるとする本書の議論は前提条件レベルで納得がいかない。

人間やチンパンジーの知能と、人工生命の知能の差として発見性や創造性が上げられているが、十分な計算量と最適化手法を用いた探索アルゴリズムと、人間のヒラメキに有意な差があるとは思っていない自分には説得力に欠ける。アルゴリズムがどうこう言うならば、入力とほぼ同時に出力が出てくるニューラルネットワークでもなんでもいいけどさ。

あと、意識一覧表も見解の相違がありあり。犬に自己意識が無いって、どうやって調べたのだ?
ペットに意識があるかないか、喜怒哀楽があるかないかを判断するのも人間という意識であることも含めて考えるべきだろうけど。
チンパンジーと人間は遺伝子がほとんど同じだから同じようなものだとか、昆虫と人間も70%ぐらい一緒だからどうこうとか、まったく根拠の無い決め付けで思考実験らしくない。

一方、後半の時間とエントロピー関連は非常に興味深かった。この頃のS-Fマガジンも読んでいたはずなんだけど、ほとんど記憶が無い。いや、酔っ払ってトラになるとかは覚えていたりするんだけど(笑)

“時間”という変量は“実存”ではないという主張は、結構目からウロコ的な衝撃である。時間が過去から未来に流れるのは絶対的な実存ではなく、意識がそう認識しているだけということなのだろう。

逆に、そうであれば、もう一度意識の問題に立ち戻って、時間を認識できるかどうかを意識一覧表で見直したりとか、そういう方向に議論が進めばよかったのに、と思う。

看板に偽りありで、期待した内容ではなかったけれど、科学ノンフィクションとしては非常に読みやすく、おもしろかった。
さらに、一度読んだはず内容をまったく覚えていない自分の記憶力に悲しくなった(笑)