神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[映画] 20世紀少年<最終章>ぼくらの旗

2009-08-31 22:46:27 | 映画
『20世紀少年<最終章>ぼくらの旗』 - goo 映画


(C)1999,2006 浦沢直樹 スタジオナッツ/小学館
(C)2009 映画「20世紀少年」製作委員会


期待の映画版20世紀少年が遂に完結!

わざと平日に見に行ったのに、まだ夏休み(?)の小学生が来ていて、うるせぇ。
黙って見られないなら、ともだちと映画館なんて来ないで、ママとお家でビデオ見てろよ、FucK'in!
だいたい、ガキが見て楽しい映画じゃないだろ、これ。

そのせいかどうかわかりませんが、あんまり楽しめなかったという感想。原作とは違う、あっと驚くラストとか、期待度を煽りすぎたせいかも。この三部作、残念ながら、第一部が一番面白くて、だんだんと尻すぼみの竜頭蛇尾。どうしてこうなっちゃうかわかりません。

細かいポイントのシーンは悪くないのだけど、映画全体を見た場合に、どうしてもつながりが悪かったり、テンポが悪かったり。

特に最後の方はラストシーンをどこに持ってくるかで、製作サイドの葛藤が相当あったのではないかと思える。3つのクライマックスがあるんだが、重要度の順番と盛り上がりの度合いが反比例するので、どれを本当のラストシーンにもって行くかが難しかったのではないか。思い切って、ひとつに削っちゃった方が、映画としての完成度は上がったんじゃないかというのが、素人の素直な感想。どうせテレビとかDVDで特別編集やるんだろうし(笑)

さらに気になるのが、各シーンで泣かせようとしているのか、笑わせようとしているのか、なんだか良くわからないところ。
UFO撃ち落とし関連のエピソードに象徴的だが、すべて冗談なんだか本気なんだか訳のわからない展開。これは演出の問題じゃなくて、役者の演技の問題なのかな。バイクのケンヂがステージにぶつかるくらいのわかりやすさじゃないと、笑っていいのか、嗤っていいのかわかりません。その辺の切り替えは、第一部だとほぼ完璧だったと思うんだけど。

そんな中で、最優秀助演女優賞を与えたいのが小池栄子。ラスト近くのタイマン対決でも、完全に常盤貴子を喰っている。
逆に、どうにかなんないのかと思ったのが豊川悦司。もうちょっとかっこよく撃てよ、あのミサイルランチャー。

感想書いているうちに、だんだん、もっと貶したくなってきた。
やっぱり、あれか。あいつらガキのせいで集中できなかったせいか!


[SF] 敵は海賊・海賊版

2009-08-31 21:43:12 | SF
『敵は海賊・海賊版』 神林長平 (ハヤカワ文庫JA)



敵は海賊シリーズの最新短編集。
神林長平の「デビュー30周年記念作品」との帯つき。
S-Fマガジンによれば、今年は神林長平、谷甲州、野阿梓の30周年だそうだ。

収録作品は下記の4つ。
「敵は海賊」(S-Fマガジン 1981-4)
「わが名はジュディ、文句があるか」(S-Fマガジン 1999-9 1臨時増刊=星ぼしのフロンティアへ)
「匋冥の神」(書き下ろし)
「被書空間」(『戦闘妖精・雪風解析マニュアル』収録)

一番最後のは知らないで読んだので、一瞬の戸惑いのあと、何じゃそりゃとコケた(笑)

「匋冥の神」は書き下ろしとあるが、なんだか読んだことがあるような既読感がある。こういうのもデジャブと呼んでいいのだろうか。

この短編集を読んで、もっとも気になったところは、神林長平の小説にあんまり乗れなくなってしまった自分のことだ。

高校生や大学生の頃は、神林作品に本当に傾倒し、物語に託された意味や主張を、著者の意向とは無関係にであれ、ビンビンというか、ゆんゆんと感じていたものだ。それが、今ではすっかりなくなってしまっている。

「敵は海賊」はS-Fマガジンベストセレクションで読んでいたが、この短編が一番、“敵は海賊”という言葉の意味をクールにシリアスに表現していて、素晴らしいと思う。

しかし、それ以外は……。

神林氏が変わったのか、読者としての自分が変わったのか、それとも両方すれ違うように変わってしまったのか。どちらにしろ、昔ほどノレないということがわかって、非常にさびしさを覚えた。

このあたりの変化については、S-Fマガジンのインタビューでも言及されてはいるのだが、自分がひっかかっているところは「そこ」なのかどうか。

雪風第3部の『アンブロークン・アロー』も積読になっているんだが……。連載で途中まで読んでいたので、残りは自主的に封印した最終章だけなんだけど。


[コンサ] J2第36節:草津 - 札幌

2009-08-30 20:55:15 | コンサ
J2第36節:ザスパ草津 2-5 コンサドーレ札幌 @スカパー withアンカー・サマービール

アンカースチームで有名なサンフランシスコのアンカーのサマービール。
小麦が入って、ドイツのヴァイスビールのようなフルーティーな風味。
やっぱり、アメリカのビールではアンカーが一番だな。一本300円ぐらいだったらいいんだけど。

そんなことはさておき、何かが起こる草津戦。
前回4/15は格好良く風に吹かれるサポーターがテレビに映っていたが、今日は土砂降りのホイッスル。
本当は自分も関東後援会バスツアーに参加予定だったんだけど、諸般の事情により見送り。……モンハンやるためじゃないよ!

今日はボールを回してビルドする札幌と、カウンターを狙う草津の戦い。
キックオフ直後のダニルソンのシュートも、こうなると勝てないいつものパターンかと思いきや、西があっさりゴールを奪い、完全に

札幌ぺース。ここから札幌のゴールラッシュ。

遂には藤田がフリーキックから今期初ゴールを奪い、前線唯一のゴール無しの汚名を返上する。

ところで、今日は上里がフリーキック蹴っていなかったんだけど、怪我した?
それとも、何かの作戦とか、げんかつぎ?

それでも最後はやっぱり、残り20分から2点を奪われて完封ならず。
荒谷に変わって先発したキーパーの原を責めるのは酷かもしれないが、どちらかは止めて欲しかったかな。

さて、これで引き分けを挟んで4連勝。あの13連続不敗をもう一度といったところだが、昇格のためには、もう不敗ではなく、引き分けすら許されないんだよな。

個人的には、もう半分以上諦めてるんだけど、ここから4強に絡んで、最終戦の味スタ決戦とかになったら、まじで昇天しそうです。
いや、昇天したいです。


片手剣は初心者向けの武器ではない!

2009-08-30 18:05:23 | Weblog
昨日、PSPとモンハンP2Gを買ってきたので、一日やってみた。

うぜぇ!
ストレスたまりまくり。
マジでキレそうになったというか、キレた。

ドスギアノスの野郎ですよ。
ダメージ溜まったら逃げるので、罠を仕掛けたり、爆薬で吹っ飛ばそうと思ったり、いろいろやっても倒せない。
ゲームの中で初心者は片手剣がオススメと言われたので、片手剣を買ってみたり、強化してみたり、防具を強化したり、いろいろやってもダメだった。

やっと倒せたときは、何も考えずに追い掛け回したときだけだ。それも、運がよかっただけかもしれない。

しかーし、試しに武器をガンランスへ変えてみた。

うはっ!
なにこの強力さ加減。雑魚は一撃だし、ドアギノスだって、罠で動きを止めたら楽勝じゃん。
ウェブの攻略サイトに攻略方法が詳しく書いてなかった意味がわかったよ。

誰だよ慣れるまで片手剣なんて説明書書いたやつ。
銃弾全部売っちまったじゃないか!!

そんなわけで、これからモンハン始める人(なんて、そういないかもしれないが)は、片手剣はやめて、最初からランスや大剣を練習したほうがいいと思うデス。

片手剣、大好きっていうハンターもいるかもしれないけど、それは使いやすいからじゃないんじゃね。
ぜひ、片手剣の素晴らしさを教えて欲しい。
難しいから挑むってのは無しよ。

あ、あと、クエストで採取に欲張る必要はないみたい。採取オンリーの村長クエストが無料で参加できるので、それでやればいい。
こういう、本当に初心者向けの注意書きがまとめてあるサイトはないのか?

【追記】
クエストをすすめていくうちに、片手剣が難しいとか悪いとかではなく、ケースバイケースで使い分けなければならないというのが正解だということがわかってきた。初期装備の片手剣はダメージ弱すぎだが、改造したらそれなりに使えるようになった。
ひとつの武器を極めるのではなく、敵を知り、弱点を突く武器を選択せよということか。

[SF] アナンシの血脈

2009-08-30 09:52:00 | SF
『アナンシの血脈』 ニール・ゲイマン (角川文庫)




『アメリカン・ゴッズ』と同様の背景で描かれた、もし現代に神々が生きていたら、というIFの物語。

『アメリカン・ゴッズ』に出てきたアナンシは黒い小柄な老人だった記憶があるんだけど、化身のクモにひきづられて、間違ったイメージになってしまったか。こちらのアナンシは、老いてますます盛んなチョイ悪ダンディー親父。まぁ、冒頭で死んじゃうんだけどね。

それで、主人公の父親がアナンシだったり、双子の兄がいたりと衝撃の事実が明かされるんだが、この双子の兄というのがいけ好かないヤツで。

主人公のチャーリーがナードで非モテ(婚約者はいるけどキスもしていない)で運が悪いのに対し、兄のスパイダーはアナンシの霊力を受け継いで、傍若無人でやりたい放題。チャーリーの仕事を奪い、部屋をのっとり、婚約者まで寝取ってしまう。本当にいらいらするやつで、現実にいたらマジでぶん殴りたい。

相手は神さまだから、ぶん殴ろうとしたら蹴躓いて殴れないんだろうがな!

そこからチャーリーが奮起してスパイダーをやり込める話になるかと思いきや、物語はあらぬ方向へ。最後には、まぁスパイダーは許してやろうかと思ってしまう。

アナンシは物語の神で、すべての物語はアナンシに属する。本当にゲイマンはアナンシのような。

物語の解釈はひとつではないし、語る側が違うだけ、見ている角度が違うだけで異なる意味を持ってしまう。
そこを理解していながら、物語の神は気ままに物語を語るわけだ。
しかも、悪意が無く、天然で。

ある意味、一番怖いよ、アナンシ。
そして、デイジー、かわいいよデイジー。

じつは、2冊買ったらブックカバーくれるというので、あんまり期待せず買った本だったので、以外に面白くてびっくりだった。

PS3を買おうと思っていたけどPSPを買ってしまった

2009-08-29 22:39:47 | Weblog
PS3が安くなるし、そろそろ買ってもいいかなと思っていた。
テレビがまだアナログだから、Blue-rayは無くてもいいんだけどさ。

そこに「サカつく」がPSPで出るというニュース。

DS版がすっかり期待はずれだっただけに、どんなもんかと思いきや、カードゲーム方式から育成シュミレーションに戻っているし、皆藤愛子は出るは、既存Jクラブを自チーム選択できるは、こりゃ久しぶりにはまるかと思うような内容だった。

Jのチームでプレイできるってういうのは魅力的だな。最初から金満チームでプレイなんて、これまで無かったしな。

もちろん、俺はそんなチームじゃプレイしない。弱小チームがだんだん強くなっていくのが楽しいゲームじゃないか。

金欠コンサをいかに早くJリーグチャンピオンにするかというプレイは一回やってみたいけど。

今回のライバルチームの監督はラモスだそうだ。そして、ライバルチームとしてJのチームも選べる。

あれ、旭川に新チーム作ってコンサをライバルにしたら、コンサの監督がラモスになるのか。それは、かなりイヤだ。

思い返せば、DreamCastはほとんどサカつくマシンだったしな。
遂にPSP買うしかないかと決心した。

PS3?
なに、それおいしいの?

買うと決めたら、せっかくなのでハード(もちろん赤)とモンハンMHP2Gを買ってきた。こんなことなら、先月、新米ハンターズセットかっておけばよかった(笑)

そして、試しに買ってみたモンハン。まだ訓練所で練習中なんだが、コントローラーのデザインのせいか、移動したくて十字キー押していたり、間違えて□押してアイテム消費したり、ぜんぜん慣れません。でも、来週くらいにこのブログが狩り日記になってたらどうしよう。

どうでもいいが、PSPのアダプター接続位置はこれでいいのか?
充電しながら遊ぶには、ものすごく邪魔。ソニーのハード担当は相当頭悪いな。


[SF] ペルディード・ストリート・ステーション

2009-08-29 18:04:32 | SF
『ペルディード・ストリート・ステーション』 チャイナ・ミエヴィル (早川書房 プラチナ・ファンタジイ)




長かった。その割にはぜんぜん退屈しないけど。
とにかくでかい、重たいというのがネックで持ち歩かなかったので、読みはじめからはずいぶん時間がたってしまった。

異形の住まう異形の街、ニュー・クロブゾンで巻き起こる事件を重層的に描いたSFファンタジー。
というか、パンクだな。サイバーでもスチームでもないけど。言うなれば、マジック・パンク?

SF的ガジェットとファンタジー的アイテムと溢れんばかりのイマジネーションのごった煮。
ストーリーラインは何本も(失われた翼の復活、蛾の化け物退治……)あるんだが、これがストーリとしてはまったく絡まずに終わる(笑)
登場キャラクターが同じで、発生する時系列が同じというだけ。キャラクタの背景や感情の面でもつれ合うものの、まったく別のストーリーラインになっている。この手の小説では、川の流れが集まって大河になるように複数のストーリーがひとつにまとまって大円団となるのが常なのだが、そんなことは構っちゃいないという風情。まさしく、ごった煮というか、闇鍋状態。

最後の締めも、ちょっとハッピーエンドとは言いがたい終わりかた。予定調和を望む人には悲しすぎるラストシーンかも。

全体的にちょっと、とっ散らかった雰囲気があるものの、それが限りない魅力となっている不思議な読み物だった。
共通の世界を舞台にした《バス=ラグ》シリーズとして続くそうなので、今後の刊行に期待したい。

ところで、なぜか本書の付録ではなく、SFマガジンに用語解説が載っていたので、そちらを確認しながら呼んでいた。が、それにすら載っていない用語も頻出。ウェブ検索してみても、すぐには語源のわからないものがあったり。

ガルーダはもちろん、両性人間やサボテン人間の種族名はそれぞれ元ネタがあるようだ。
その中でも、もっとも独創的な形状の人類といえばケプリなのかもしれないが、エジプトの神様ケプリの絵を見たことがあるので、まったく違和感ない。ただ、ケプリが本当に実在したらどんな生態なのかという考察として読むだけでもワクワクする。

お祈りジャックも切り裂きジャックのパロディなんだろう。
それじゃ、世界を現す名前のバス=ラグってなんなのよとググって見たら、……バスマットのことかい!(嘘です。たぶんつづり違い)


[SF] 無限記憶

2009-08-24 23:44:27 | SF
『無限記憶』 ロバート・チャールズ・ウィルスン (創元SF文庫)





今年の星雲賞を受賞した『時間封鎖』の続編。全3部作予定の第2部。

夜空から星が消えるという衝撃的シーンから始まり、少年の淡い恋物語が壮大な宇宙の物語に繋がる前作は、SF的アイディア、スケール、ストーリーテリング、すべての面で素晴らしく、星雲賞の受賞に依存はない。

しかし、この作品はどうだろう。

前作の設定が無ければ、シャマラン監督の新作映画みたいな感じ。突然、空から奇妙な灰が降ってきて、その吹き溜まりから異様な生態系が現われる。灰の中に取り残された主人公達の運命は!?
特にラスト近くの逃避行なんてそんな感じ。よくショッピングセンターにこもるよね、ああいう映画(笑)

作品中に出てくる名前は“クーブリック”だから、そっちを狙ったのかもしれないけど。

地球を封鎖した存在(仮定体)が、神か、超生命体か、ただのオートマトンか、といった議論はあり、タイトル通り過去のすべての記憶を持っているところまでは明らかになるが……。アーチで繋がった新世界はただの新西部だし、結局、曖昧なほのめかしだけで、驚くような真実が明らかになるわけでもなく。

水準以上の面白さはあるんだけど、前作からの期待感にはぜんぜん答えてくれない肩透かしだった。

3部作の2作目というのは、えてしてこんな感じになりがちだが、3作目の中で「あれが伏線だったのか」と唸る展開があったりするので侮れない。

そんなわけで、この作品の評価は第3部の『Vortex』が出るまで保留。
って、未訳じゃなくて、未刊かよ!

[SF] 謎の聖都

2009-08-23 23:07:03 | SF
[SF] 謎の聖都

『謎の聖都(グイン・サーガ127)』 栗本薫 (ハヤカワ文庫 JA)




スカールとヨナのヤガ潜入編と、シルヴィアの心の病気編。

130巻まで出る予定とは、栗本薫すごすぎ。ヤガ編は最後まで読めないと思っていたんだけど、なんとか完結しそう。なのか?

しかし、ヴァレリウスも不安がっていたものの、派遣した魔道士が間抜けすぎ。パロにもゆとり世代が出現ですか?
そもそも、フロリーをヨナよりも先に見つけられない時点で、あの魔道士が罠にかかっているのは見え見えだわさ。
さらに、ついに描写されたミロク様は、本当に弥勒菩薩でワロス。なんとかならんかったのか、金仏像。

一方のケイロニア編の黒死病は、やっぱり外伝1巻のアレなのか?
外伝にシルヴィアが病気って出てきてたっけ。確認しようにも、古いのはすべて実家の押入れの中なんだよな。
そのシルヴィアに迫る影は、グラ爺か。
とりあえず、グインはシルヴィアを姦っちゃえばいいと思うよ。話はそれからだ。

あとがきがついていたらどうしようかと思っていたのだが、さすがに無し。127巻のあとがきが、最後の文章だったんだな。と思って読み返すと、また感慨が。

ケイロニア編、ヤガ編、パロ編のエピソードが一段落して、これから新たな展開が、で130巻が終わっていたら、やっぱり栗本薫は天才だったと思うんだろう。いや、けして終わらない新たなエピソードがあるべきか……。

ところで、表紙の女性は誰?

狭山湖と赤貝の缶詰

2009-08-23 22:14:59 | Weblog
運動不足解消のために、休日は自転車で出かけようと思っているので、今日もサイクリングへ出発。
目的は新しいルート開拓。といっても、自転車好きには定番なんでしょうが。

新青梅街道→野山北公園自転車道→尾根道→六道山展望台→狭山湖→多摩湖周回→武蔵野の路→トンネルで野山北公園自転車道へ。

野山北公園から六道山公園展望台へ抜ける「尾根道」というのがあって、そこからさらに狭山湖へ抜けられる。適度なアップダウンがあって、サイクリングには最適。

との情報を見かけたので、行ってみた。

野山北公園自転車道がトンネルへ入る直前の55号線を左折。少し登って目印の第一給食センターを探す。
入り口は、あるにはあったが、どう見ても立派な柵で立ち入り禁止。頭にでっかい?マークを立てていると、奥からジョガーが出てきて、柵の横を出て行った。なるほど。看板を見ると「一般車両(オートバイ含む)進入禁止」で、歩行者、自転車はオッケーなのね。

柵の横をすり抜けて入っていくと、いきなり山道の登り。どこが適度なアップダウンだ(笑)
しばらく行くと、確かに上り下りが楽しい砂利道に。
しかし、歩行者が多く道も悪いので、スピード出すのは危険。下りのカーブはずりずりドラフト状態。ロードの人も見かけたんだけど、大丈夫なのか?

昼なお暗い森の中といった砂利と泥の道を抜けると、綺麗なトイレや建物もあり、さすが都立公園といった印象。さらに森の中を抜けていくと、行き止まり……かと思いきや、入り口と同じ車両通行止めの柵。ここを抜けると六道山公園の展望台。

展望台はRPGに出てきそうな謎の赤い塔になっていた。ぱっと見は4階建てのアパートみたいなのだが、屋上付近にはチェスのルークのような凸凹があったり、洋風なベランダに黒い鉄の手摺があったり、見れば見るほど謎の塔。なんでこんなデザインになったのだろうか?

赤い塔を横目で見ながら、狭山湖を目指すが、分かれ道でどちらへいけばいいのかわからず悩む。総合案内看板が随所にあるが、初めての道はちょっと心細い。

こっちかなという道を進んでいくと、なぜかオフロードバイクに追い越されたり。六道山公園から狭山湖への道は車両通行止めではないらしい。

さらに、道幅いっぱいに向こうから進んでくるのはジープ!
免許取立てっぽい女の子がキャイキャイ言いながら運転中。後ろから生暖かくみまもりつつ、すいませんと頭を下げる両親。

進めば進むほど、道は悪くなって穴ぼこだらけ。しかもその中には雨水が。思い出した頃に現われる対向車を気にするのも確かだが、道の悪さにスピードが出せない。自転車のホルダーに突っ込んでおいたペットボトルが飛び出し、2度も落として泥だらけ。こりゃ、洗わないと飲めませんが……。いや、道が過酷過ぎて、飲んでる暇なんてありません。

自転車でサイクリングなんてイメージではなく、完全に山道。アップダウンがあるとは言え、全体的に下りだったので助かったが、この道が登りだったら途中で引き返していたかも。普段、舗装道路ばかり走っているマウンテンバイクの本領をやっと発揮か(笑)

そして砂利道がいきなり舗装になったかと思うと、目の前にはぶどう園。ありゃ、間違ったかなと思いながらも、戻れないので、さらに進む。さすがに本当の山の中じゃなくって、東京都と埼玉の県境なのだから、間違っててもいずれ幹線道路に出るでしょ。

どう考えても未整備の砂利道に出て、心細くなりながらもやっと幹線道路に接続。そこが狭山湖の堤防だった。見慣れた風景に、やっとほっとした。

狭山湖堤防は相変わらず、取水塔のデザインのせいで、どこのヨーロッパかと思うような風景。六道山展望台もそうだが、どういう趣味なんだろうか。




とりあえず水を飲もうと、トイレの手洗い場で、落として泥だらけになり、へこんだペットボトルを洗う。ラベルもボロボロで、よく漏れないもんだ。

ミステリーに遭遇したのは、そのときだった。

赤貝である。

狭山公園の男子トイレには個室が二つある。ふと見ると、個室の扉は二つとも空いていた。ひとつは普通の和式便座が。もうひとつは、……赤貝?

もうひとつの扉の中に便座は無く、中には何もないただの狭い個室になっていた。床の中央に上げ蓋があるので、もしかしたら便座を設置するように出来るのかもしれない。しかし、今は何もないただの床。その床に、なぜか、赤貝とタケノコの煮物の缶詰が。

ミ、ミステリー!

おそらく、ホームレスか酔っ払いが雨宿りがてら酒盛りした後なんだろうが、便座の変わりに赤貝の缶詰とは。あまりのことに背筋が寒くなってしまった。




その後、多摩湖周回道路回って、カブトムシの橋を渡り、トンネルを抜けてカブトムシの道、野山北公園自転車道へ戻る。トンネルの中は泥水だらけなので、泥除けのないマイチャリには鬼門である。しかし、今日は散々泥だらけの山道を走った後なので、気にせず通過。泥水が足や腕や胸に飛んで、返り血を浴びたホラー映画のようになってしまった。

どうせなので、カブトムシ自転車道の端まで行ってみようと、新青梅街道を渡ってさらに突き進むが、道路に細切れにされて自転車道という雰囲気がなく、気持ちよく走れない。そして、その終端には看板も何も無く、住宅地の中でひっそりと途切れているだけだった。




この道は昔の引込み線の跡らしい。自分が生まれた家の側にも子供の頃には引込み線があったが、今では歩行者専用の緑道になっているが、あそこもこんな感じだったか。日本中でよくある光景なのか。

最後はポツポツと振り出した雨にもおびえながら、帰路についたのであった。