神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] S-Fマガジン 2009年12月号

2009-10-31 23:09:05 | SF
『S-Fマガジン 2009年12月号』 (早川書房)




秋のファンタジイ特集。
やっぱり、ファンタジイは向いていないかな、と思った。
なんだろう、起承転結というか、あらすじの面白さが伝わってこない。表現や描写は美しかったりするんだけど。

それと、ファンタジイには、まったく違う2種類のものがあるのではないかと思う。どうしてこれが同じジャンルに分類されているの

かというレベル。SFとオカルトが同じジャンルだと思われているのと同様なんだろうか。ハイファンタジイ、ローファンタジイという

わけかたもあるが、それともちょっと違う。「その世界では」筋の通った話と、最初からそんなことは放棄したような話。

前者は『指輪物語』だったり、『グイン・サーガ』だったり。後者は、どちらかというと、御伽噺とか、寓話のような話。後者は詳しくないから作品名は上げられないけど。

前者の作品群はSFと同じ楽しみ方が出来るんだよね。最終的に、腑に落ちるとか、世界の謎が解けるというか。後者の作品群はあんまり……。なんだか雰囲気を楽しむことは出来るんだけど、読み終わっても、もやもやした何かが残ってしまう。



『最後の粉挽き職人の物語』 イアン・R・マクラウド
 ○:失われゆく歴史と“何か”を惜しむ話。やっぱり、結末に納得がいかない(笑)

『アボラ山の歌』 シオドラ・ゴス
 △:詩人が世界を作る話と、作った世界の中で詩人を作る話、だと思う。いまひとつ理解できない。

『図書館と七人の司書』 エレン・クレイギス
 ○:図書館萌えな人のための寓話。あるいは、誰かの自伝の話。

『王国への旅』 M・リッカート
 ○:日本なら怪談。

『鎧と薔薇』 菅浩江
 ○:女性が化粧をするのは自分のためという話。日読子のエピソードが、主題の原点提示だけではなく、もうひとつのストーリーになりつつある。

『すばらしい新世界』 樺山三英
 △:この話って、なんだっけ?
 ○:わからないので読み直してみた。これは特定の事件を題材にしたのではなく、嫌韓とかネトウヨとか、その手の自然発生的な何か(もしかしたら民主主義)を題材にしたもののように読める。


実は、今月号で面白かったのは対談3連発。
・神林長平/円城塔/桜坂洋/辻村深月
 フムン、フムン(笑)
 自分の神林読書体験と重ね合わせると、ムチャクチャ趣深い。
・岩郷重力×大森望
 大森さんの本名は“あぼみくる”。“あぼ”は知ってたけど、“みくる”だったのか。
 朝比奈さんネタは聞いたことが無かったような気がするんだけど、コレって有名なの?
・上田誠×森見登美彦
 舞台は見たこと無いのだが、表現方法としての違いが良くわかる。
 森見氏は、ついにS-Fマガジン初登場?


[コンサ] 天皇杯3回戦:清水 - 札幌

2009-10-31 22:18:56 | コンサ
天皇杯3回戦:清水エスパルス 2-0 コンサドーレ札幌 @日本平

日本平アウトソーシングスタジアム。略してアウスタ。アウアウスタジアム。

去年は渋滞にはまったり、山の麓でバスから下ろされたり、土砂降りを喰らったりで散々だった清水バスツアー。
今年は天気も良く、富士山もバッチリ見えて往路は気分上々。

そんな気分もすっかり吹き飛ばしたのがキックオフ直後の失点。

石川が相手選手の頭を蹴ってしまい、ファール。石川が、蹴った選手に謝りに行っている間にリスタート開始。これでマークがずれて、岡崎シュート→ポスト→永井→コロコロとゴール隅へ。高原激怒。

2点目はオフサイド崩れ。石川と高原で、なかばばお見合い状態となり、石川と競争になった永井がすべりながらボールに触って、これもコロコロとゴール隅へ。高原自滅。

前半は、とにかくボールが前へ進まない。前線の動き出しが少なく、ボールの出しどころが無いために横パス、バックパス、さらには、キリノに預けようとしたボールと、ことごとく狙われて奪われる。

守備の鉄則はボールを持った選手をサイドに封じ込めること。そうすると、ドリブルする方向も、パスコースも制限される。それなのにサイド攻撃が有効なのは、サイドがオープンスペースになっいて、守備側の数的優位を作らせずらいからだ。ということは、サイドラインぎりぎりで立ち止まってボールを受けても、すぐに守備に囲まれるというコンサのサイド攻撃は、なんか間違ってないか?
(まぁ、シロート考えなんだが)

今日は両サイドの古田、藤田が不在で、砂川、石井が先発だったが、砂川なんてサイドのスペシャリストだろう。どうして立ち止まってボールを要求するのだろう。裏へ抜ける動きの重要性はよく知っていると思うんだが。

後半は石井に代わってハファエル投入。右サイドにはなぜか上里が回る。どう考えても砂川と位置が逆。ここれも古田のせいでポジションが崩されているような気がする。利き足と逆サイドの選手を使うということは、サイド攻撃よりも、サイドから中央への切り込みを期待するということだろう。石崎監督の選手起用は、本当に戦術と合っているのか?

案の定、サイド攻撃はやっぱり機能せず、ハファエルの強引な中央突破だけが有効な攻撃となる。

その後、中山、上原を投入し、こまめにシステムを変えてみても、結局ゴールは奪えず。一段ギヤを落とした清水もチャンスを潰し続け、結局2-0で終了。

サイド攻撃を武器にするなら、上里は左で使いたい。石井は2トップで使いたい。なんだ、最初から3-5-2でいいじゃん。負けているとシステムをこまめに変えるわりに、先発は無理矢理当てはめたようなメンツになるのはどうしてなんだろう。

この試合でひとりだけレベルの違いを見せたのがダニルソン。移籍の違約金が4億円というのもうなづける。
キリノは、もっとゴールへの執念を見せて欲しい。ボールが回ってこないからと、1トップが下がってきたら、誰がシュートを撃つのか。
今日のハファエルは良かった。しかし、ひとりで清水から1点獲ってくるまでは至らず。天皇杯の勝敗だけではなく、選手にとっては来期の契約もかかっているということをわかっているのは、ひとりだけかもしれない。

今回も良い思い出を残せなかった清水戦バスツアー。何はともあれ、主催の関東後援会スタッフのみなさん、参加者のみなさん、お疲れ様でした……。


[SF] 運命の子

2009-10-28 21:12:28 | SF
『運命の子 グイン・サーガ129』 栗本薫 (ハヤカワ文庫JA)




最近、誰だかわからない表紙も多いのだけど、今回はわかる。フロリーとスーティですね。
イメージ的には、スーティーはもっと育っているんだけど。

子供の精神的な成長は環境に左右されるものだが、スーティはなかなかすごいな。
父親のイシュトヴァーンを越える男かもしれない。

今回、グラチウスが現われて、ドリアンとスーティとまだ生まれていないグインの子供がどうこう言い出した。
栗本薫が、グインやイシュトの子供たちが主役の“グイン後伝”を書くと言い出したのは、最初の第2世代、マリニアが生まれた頃だったか。その企画がちょっとだけ顔を出した感じ。何事もなければ、本当に永遠に続いたのかもね。

マリウス×オクタヴィア=マリニア
イシュト×フロリー=スーティ
イシュト×アムネリス=ドリアン

あと、誰がいたっけ。

レムス×アルミナ=アモン はもう出てこないのか。
スカール×リギアとか、イシュト×リンダもまだ候補には残っているだろうし。
あ、シルヴィアの子供を忘れてた……。

ところで、ガーガーの大群と一緒に現われたきょぬーな女といえば、ザザじゃないかと一瞬思ったんですが、違いました。
こいつもサイロンにいたヤツだけ?
やっぱり、『七人の魔道士』を読み直さなきゃいかんなぁ。


[SF] 地球移動作戦

2009-10-26 22:05:03 | SF
『地球移動作戦』 山本弘 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)




青い髪のツインテールでダーティ・ペアなコスチュームを着た少女が、「あたしの歌を聞けー!」と叫んで地球を救う話(←大嘘)

ニコニコ動画、THE IDOLM@STER、初音ミク、各種エロゲ、その他いろいろをエクストラポレートして未来の地球社会を作り上げ、電磁波は発しないので見えないが質量はあるので重力はあるミラー物質でできた妖星ラゴスをぶつけるというシチュエーション。

こうやって書いてみたただけでもわかるように、アイディア詰め込みすぎで、なおかつ、SFファンやネット廃人でなければわからない内輪ネタも満載な小説。まぁ、そんなものを抜きにしても、カタストロフィ回避物としては十分楽しめる作品。

いろいろなネタが詰め込まれ過ぎているせいで、それぞれのネタが消化不良だったり、伏線っぽいものが忘れ去られたりしているような気もするが、元が連載小説なので、これはしかたが無いのか。逆に、とっちらかリ具合を楽しむべきなのかもしれない。

主人公の天才少女魅波と、ACOM(アバターを持ったバーチャル秘書みたいなもの)のマイカの関係は、アシモフのロボット3原則を踏襲しながら、親友だったり親子だったり、なかなか興味深いものがある。一方、人間不在の場所でもACOM同士が音声でコミュニケーションしていたりとか、現代のコンピューターゲーム的な枠に想像力が制限されているのではないかと思われる節もある。

自分としては、AIは人類とはまったく異なる思考方法を持つであろうという主張を強く押したいので、この扱いはちょっと不満。しかし、AIがコンピューターゲームの延長上に発展するのであれば、それもありかと思う。まぁ、話題のラブプラスとかが、AIとしてどこまで進化しているのかもある意味興味深いところではあるのだが。

妖星ラゴスから地球を逃れさせる方法も、まったく架空の技術を使っているあたり、なんともいえない。どこまで万能にするかも著者の筆加減次第になってしまうし。

しかし、これは本格SFの皮をまとった、ネット廃人オタク向け超絶バカSFとしては秀逸な出来である。とりあえず、今はわかる人だけ読めばいい。20年後くらいには、ゼロ年代を象徴する社会風刺SFとして読まれている……かもしれない。


[SF] イリュミナシオン 君よ、非情の河を下れ

2009-10-25 18:13:44 | SF
『イリュミナシオン 君よ、非情の河を下れ』 山田正紀 (早川書房)




S-Fマガジンで連載していたのだが、途中でついていけなくなって読むのを止めた小説。
単行本化されたので、早速読んでみたのだが、これがなんというか……、よくこんなもの連載してたよな。

連載時に読んでいて、時系列の混乱とか、つじつまの合わない部分があって、話についていけていないんだと思っていたら、本当に時系列と因果関係の整合性に混乱がある小説だった(笑)

大きなものでは、伊綾剛は拉致されたのか、されなかったのか、いつ拉致されたのか。
小さなものでは、パウロはショットガンを捨て、拳銃を拾い、ショットガンを撃つのだ(笑)
これはすべて意図的な混乱なのか、書き間違いや勘違いも含んでいるのか?

『ハイぺリオン』を下敷きにしているというのは、言われなくてもSFファンならばわかるだろう。
巡礼たちが次々に語る彼らの物語。あのエピローグで手に手を取って、「OVER THE RAINBOW」を歌いながら向かう時観城こそ、この小説のモチーフとなる結晶城なのである。そして、シュライクがスピンクスで、あれがこれで、それがあれで……。

なんでそこで、アルチュール・ランボーが出てくるのかはさっぱりわからないが、聞き慣れないフランス語の響きが、混乱する物語をさらに悪夢へと引きずり込む麻薬のように作用する。

タイトルの『イリュミナシオン』が、英語読みの『イルミネーション』だったとしたら、なんと興覚めなことか。

そして、主人公達が乗り込むこととなる船。この名前が“酩酊船(バトー・イーヴル)”である。正義の船なのに、“罵倒いびる”である。英語のevilを連想するのである。

対する悪の船が“性愛船(バトー・セクスユエル)”。セックス言えるんである。おまけに美少女型戦闘ロボットである。笹本祐一に特許料を払わなければいけないのである!

ふぅ、熱くなりすぎた……。

わからないといえば、ランボーもわからないし、主役になるはずだった伊綾剛もわからない。
こいつはオセロのイアーゴらしいのだが、誰を裏切って、誰をそそのかしたのか。
アルカイダみたいなテロ組織に捉えられ、“酩酊船”のクルーの座も、素っ頓狂な女性自衛官に奪われ、いったい何のために出てきたのか。

いや、本当になんだかわからないが、悪夢のように興味深い作品である。
考えるな、感じろ!


読んだけど、さっぱり訳がわからないという人は、ここを読むのがいいです。
これがどういう作品なのか、すばらしくわかりやすく解説してあります。
 ↓
目次が日本一のブログ(自称w挑戦者求む)

[SF] こちらニッポン…

2009-10-25 17:21:17 | SF
『こちらニッポン…』 小松左京 (ハルキ文庫)




ある日、世界から誰もいなくなって、自分だけが取り残されたとしたら。

中学校時代は結構頻繁に考えていた。
食料はどうするか。水道は、ガスは、電気は……。
プロパンガスのタンクが並んでいるところを確認したり、湧き水の出ているところを確認したり。
自転車だけでどこまで行動範囲にできるか地図を眺めてみたり。

そんな想像を始めたのが、この小説を読んだ前なのか、後なのか憶えていないが、突然滅亡した世界でのサバイバルというシチュエーションは結構好きである。

そんなわけで、古本で見かけて買ってきたんんだが、憶えていた印象とはまったく違っていた。今回、読み返してみて感じたことは、やっぱり小松左京はすごいということ。

ただのサバイバル方法や、残された人々の人間関係だけではなく、社会とは何か、国家とは何かというところまで、踏み込んだ描写がされている。作中に天皇や三種の神器が絡んできたなんて、まったく記憶になかったよ。

サバイバルの視点も、どうやって生き延びるかではなく、現代(とは言っても、舞台は70年代なんだが)社会が、いかに分業制によって成り立っているかを強調する視点になっている。

たとえば、家庭用発電機をどう調達するか、ではなく、電力会社のシステムはどうなっているのか、それは誰が動かしていたのか、それを動かすことはできるのか……。

このあたりの視点が、当たり前なんだが、新鮮に読めた。この世界は、たとえ人間がいなくなったとしても、無人島ではないのだ。だから当然、無人島でのサバイバル技術ではなく、文明社会のサバイバル技術が必要なのだ。

そこで、しばらく想像してみたのだが……。やはり、荷が重過ぎる。

自分には、この世界を無人島に見立てたサバイバルで精一杯だ。文明のサバイバル、社会のサバイバル、国家のサバイバルなど、とうてい想像できない。

いくら解説で瀬名秀明が、小松左京を盲目的に怪物扱いするなといったところで、小説を読み終えたSFファンにとっては怪物にしか思えない。いや、まぁ、この小説のラストはアレだけどね(笑)

中学生当時には、エロ本でしかなかった『さよならジュピター』も、今読み返すと、きっと新しい読み方ができるに違いない。


[コンサ] J2第47節:仙台 - 札幌

2009-10-25 16:49:28 | コンサ
J2第47節:ベガルタ仙台 1-0 コンサドーレ札幌 @スカパー

いいよね、石川よしひろ
ベストアルバムの「DENIMS」持ってるんだけど、「二十歳の夜」とか、「明日への卒業」とか、もう青臭くて懐かしくて、最高。

……。
石川、吉弘と並んでいたら、連想するでしょ。普通に。

それでもまだDFの駒が足りない気がする。
というか、DF3人しかいないんだから、最初から3バックでいいじゃん。

トップ下も、上里+宮澤じゃ、どうしてもアタッカー不足。
組み合わせとしては、(西|ハファエル)&(上里|宮澤)なんじゃないのか。
それか、古田を中で使うか。

藤田はやっぱり右の方がいい。古田を育てるために冷や飯食わせることもないだろうに。
古田も初登場の頃のインパクトがなくなってきた。砂川先発の方が期待が持てる。

宮澤もそうだが、古田も、良いプレーと悪いプレーの差が大きすぎる。まず、チームとしての戦術ではどうすべきか、それをヒラメキで崩していくのならいいんだが、今はまだチーム戦術の理解が不足しているように見える。

負けてるときに中山投入はないな。役割がよくわからん。


あーぁ、行きたかったな、ユアスタ……。



[コンサ] J2第46節:札幌 - 栃木

2009-10-21 23:39:46 | コンサ
J2第46節:コンサドーレ札幌 1-0 栃木SC @スカパー

出場停止やインフルエンザでディフェンスラインがそろわないとはいえ、前節の試合で不甲斐ない試合を見せつけ、数字の上でも奇跡の逆転昇格は無くなったコンサドーレ。ホームで下位の栃木を迎え、どんな試合を見せるかが注目だった。

今日のディフェンスラインは、左から、岩沼、吉弘、西嶋、芳賀。出場停止明けの西嶋が戻ったものの、岩沼が左SBとしてリーグ戦初登場。前節スタメンの柴田はベンチ外。曽田も相変わらずベンチにも入れず。

一方の栃木は元コンサの岡田が右ハーフで先発。熊本の市村同様、コンサ戦だけは別人なのか、相変わらずの無双っぷり。今のSB不足なコンサから見れば、なんで手放したのかと悔やむ選手のひとり。

審判はポーランドから交換留学の3人組み。東欧は当たりが強いイメージがあったんだけど、意外にファールを取りまくる。前節、ファールが流されまくりだったのとはギャップが大きすぎ。勝ったから結果オーライだが、負けたらグダグダ言っていたかもだ。

さて初出場シュンピー。緊張したのか、キックオフ直後にいきなりコケて大ピンチ。それでも高原がなんとかカバーしてクリア、。
その後は立ち直って大きなミスは無かった。上里同様、守備に不安は残るものの、展開力が魅力のSBとして育つ可能性は高い。いやしかし、それなら3バックの方がモゴモゴ……。

攻撃はキリノが戻って、DFの裏を取るというか、フィジカルで強引にDFの裏に出る動きが出来るようになったものの、調子がいい時の分厚いサイド攻撃とはちょっと違うような気がする。まだまだ。キリノのバイシクルシュートで1点取ったものの、あれは偶然入っただけ。もっと確率の高いシュートが撃てなければ、得点力は上がらない。

終わってみれば、シュート数では18-9でダブルスコアをつけたものの、試合展開としては栃木の岡田、入江に両サイドは負けていた印象。栃木に惜しいシュートが何本もあり、失点しなかったのが不思議なくらい。大体、18本もシュート撃って、1本しか入らないってどういうことさ。まぁ、コンサの場合ありがちではあるんだけど。

シュート数が格段に増えた。なんと18倍だ(笑)
無失点に抑えた。
このふたつは大いに評価したいし、勝ちたい気持ち、負けない気持ちは見えた試合だったと思うけど、こんな試合を上位相手に出来るかどうかがポイント。次節は昇格秒読みの仙台。甲府を倒した横浜を見習って、J2をもっとカオスにしよう。



[SF] グイン・サーガの鉄人

2009-10-18 21:57:13 | SF
『グイン・サーガの鉄人』 田中勝義+八巻大樹・著 栗本薫・監修 (早川書房)




完全にイロモノ出版だと思ったが、期せずして追悼版になってしまったグイン・サーガのクイズ集。風呂に入りながらとか、ちまちま読んでゆっくり堪能した(笑)

問題と答えだけじゃなくて、その近辺のあらすじや解説が載っているので、グイン・サーガのストーリーを思い返すのに最適な一冊。

著者は確かグイン・サーガのファンクラブの人で、アニメ版の考証なんかもやっている。噂によれば、栗本薫が書き散らした原稿が、まがりなりにも整合性が保てる
のは、かれらファンクラブの事前チェックや校正のおかげだったとか。

読んでみて感じたのは、最初の頃はよく憶えてるもんだ、ということ。16巻までは何度も読み返したんだよな。ノスフェラスの白い砂漠とか、本当に懐かしい。

一方の最近の話は返って憶えていない。特に固有名詞が全滅。あー、知ってるけど、名前憶えてないや。中には、答えを見ても、誰だっけ、それ、っていうパターンも。

序盤の衝撃と面白さもさることながら、自分の記憶力減退には、本当に幻滅する。
小説を読んでいて、登場人物の名前が憶えられないという親をバカにしていたが、今がちょうどそんな感じ(笑)

とっさに出てこないんだよね、ブランの本名なんだけ、とか訊かれても。その割りに、25年前に読んだトーラスのオロとか、アルゴンのエルとか、はっきり憶えてるし。

やっぱり、SFの黄金期は14歳だよ。というのが結論ですか。と思う39歳の秋(笑)


[SF] SF Japan 2009 AUTUMN

2009-10-18 13:44:41 | SF
『SF Japan 2009 AUTUMN』(徳間書店)




『2008 WINTER』の成り行き吸血鬼特集に続き、今回は成り行きJ-SF特集。

J-SFって何さ。
J-Pop、J-ブンガク、J-Walkで「何も言えなくて」?
ハヤカワは“僕たちのリアルフィクション”やめちゃって、Jコレクション一本みたいですが、徳間はJ-SFってレーベルでも立てるのか?

とか、いろいろ3秒くらい考えたけど、J-SFの正体は「時代SF」。
一通り読んでみたところ、古代/中世日本を舞台にしたものにかぎらず、時代劇っぽいSFのことですかね。
『S-F マガジン』でも、谷甲州や朝松健が時代SFを連載していたので、確かにシンクロニシティ。

で、巻頭掲載の久美沙織『夜の虹』を読んでいて思ったんだが……。

欧米小説でシェイクスピアの引用が出てきたりするじゃないですか。しかも、欧米ブンガクかぶれの日本人作家もシェイクスピアだの、聖書だのを引用したり。

日本人でシェイクスピアを暗唱できたりする人はあまりいないし、格好いいと思われている節がある。TVドラマの『小公女(志田未来は名前がSFっぽい)』でもやってたし。でも、あれって、文化が根ざしているからこそ、意味があるんだよね。

正直言って、ダン・シモンズの作品も、シェイクスピアやオデュッセウスを読んで無くても面白いんだが、やっぱり日本人には理解できない部分が絶対あると思っている。

ところで、日本にもあるじゃないですか、そういうの。あなたも暗唱できるでしょ。
“祇園精舎の鐘の声……”とか、“春はあけぼの……”とか。

『夜の虹』に出てくるのは万葉集だけど、なんとなく聞き覚えがあるでしょ。
山田正紀の『イルミナシオン』はランボー(乱暴者の方じゃなくて、詩人の方)が主役だが、これにも万葉集が出てくる。
内地の人は、百人一首だったら、結構暗唱できたりするんじゃないのか。道民は教養が無いから下の句しか知らないけどな!

聖書やギリシャ神話を引用する前に、古事記とか日本書紀とかを引用したらどうだろう。その方が日本文化に根ざした小説にもなるし、返って世界にも通用するものが出来るんじゃなかろうか。
……え、右翼?

まぁ、そんなわけで、時代SFというか、和製SFは大歓迎なのだが、“J-SF”という呼称はどうかと思う。



『夜の虹』 久美沙織
 ○:うっひゃ、男の娘。しかも皇族。萌えるかっ!

『人喰い納豆』 タタツシンイチ
 ◎:醸すぞ醸すぞぉ~。

『葉コボレ手腐レ死人花』 中里友香
 △:タイトルは秀逸なんだが、いかんせん読みづらい←J-SFを勧めておいてそれかよ(笑)

『とんぼ』 北國浩二
 ○:これだけじゃ、ちょっとなぁ。連載しないの?

『つつがなきよう』 新井素子
 △:アイディアは面白いんだけど、一発もの。新井素子にしては……。

『ゴースト』 図子慧
 ○:これもちょっと、消化不良。オープンエンドなんじゃなくて、ただの尻切れ。

『呪文』 貴志祐介
 ○:『新世界より』の世界が宇宙規模に広がったような話。
   時間を越える部分をSF的に解決できないと、オカルトホラーで終わってしまうと思うのがSFファンの嫌なところ。

イラスト先行小説は、やっぱりやめた方がいいと思う。
これだけの作家をつぎ込んでも、面白い小説が出ていない。
題材が抽象画みたいなイラストだから、同じイラストから生まれたという面白さも出ていない。
もっと小道具を共通化するとか、別な形の競作の方が言いと思う。