神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[映画] バトルシップ

2012-04-22 23:44:17 | 映画
バトルシップ - goo 映画


(C) 2012 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.



なんとなく地雷っぽかったので躊躇していたのだけれど、『ジョン・カーター』が不完全燃焼っぽかったので、勢いで梯子。

いや、この映画は面白かった(笑)


劇場に入ったら、客層がDQNばっかりでどうしようかと思った。何あれ、リアーナのせい? 浅野忠信のせい? 上映中も友達としゃべってるし、スナック菓子ばりばり食いまくるし、ケータイをパカパカするし。あいつら、映画館から追放しろ。

しかし、映画自体はそんなことを忘れさせる程のいい出来だったよ。


いや、映画も最初は駄作だと思った。宇宙空間にシグナル投げて、何日後に来たんだお前ら。どこの超空間通信だとか、いろいろおかしい。

しかし、最後の駆逐艦1隻になって絶望的な戦いを挑もうとする兵士たちが泣かせる。あの手この手の大逆襲。しかし、成功一歩手前で撃沈する駆逐艦。だが待て、我々には、まだあれがあった!

海上とは離れた山の中の物語もなかなか。両足を失って気力も失くした古参兵、戦い嫌いの技術者、そして提督の娘の3人組の活躍にも大注目だ。


なんというか、男の子のための映画。すべてがありがち、お約束なんだけれど、いわば戦争ごっこの集大成みたいな感じ。

原作としてクレジットされているのは古典的なゲーム「BATTLESHIP」。今でもFlashゲームでネットに転がっているし、テレビゲームが出てくる前にはアナログ版もあった。実はとっても欲しかった記憶が(笑)

このゲームもシステムは重要なシーンで使われているのだけれど、こういうゲーム感覚で生命を懸けた勝負をやってしまうのも戦争ごっこ風。

そして、本当のBATTLESHIPが出陣するシーンの老兵たちが泣かせる。戦争ごっこをやっていた若造たちに本当の戦争を教えてやるといった趣。あのシーンは痺れたね。


SFファンとしては、どうしても科学的におかしいところが粗に見えてしまうのでアレなんだけれど。たとえば、宇宙からの飛来物が周期表に載っていない物質って何よ。どんだけ重たい元素だそれ。そこは同位体の割合が地球のものとはまったく違うとかなんとか、どうにでももっともらしく言えるだろうに。

こういう些細ないい加減さがそこら中にあっては嘘臭さが倍増してしまう。どうせ最初から嘘臭いからどうでもいと思っているんだろう、お前ら。ちゃんとした科学考証担当をつけるだけで随分変わったろうにと思うんだけど。

しかし、そういう粗を差し引いても、笑って泣いて、ハラハラドキドキの楽しい映画だった。


あ、エンドロール終わる前に出て行ったDQNたち、お前らいいシーンを見逃してるぜ(笑)



[映画] ジョン・カーター

2012-04-22 23:05:10 | 映画
ジョン・カーター - goo 映画


(C)2011 Disney. JOHN CARTER TM ERB, Inc.


言わずと知れたあの名作、『火星のプリンセス』の映画化。原作の初版はなんと1917年である。俺が読んだのも中学生の頃だし、すっかり忘れてしまってますが……。

えーと、ウーラは原作では10本足だし、あんなジャバ・ザ・ハットみたいな顔じゃない。とか、細かな違いはどうでもいいけど、原作の雰囲気はそれなりに出ていたんじゃないか。

何と言っても、地球側の年代を、ちゃんと19世紀末に持ってきたところがいい。スチームパンクと大西部というファンタジックな過去という異界のさらに向こうの異界という距離感が、ファンタジーをすんなりと受け入れる下地になる。これが、21世紀に火星に飛んだらこうだったという話では、ちょと嘘臭さが鼻についてしまう。

ジョン・カーターの力が火星の重力の低さから来るところも、しっかり描画できている。そのために、スーパー能力としてはジャンプ力ぐらいしか取り柄が無いところもばっちりだ。


問題は、原作においてはすべての原点でありながらも、映画としては『スター・ウォーズ』や『アバター』の2番煎じになりがちなところですかね。砂漠が舞台というのも、『スター・ウォーズ』、『砂の惑星』、そして『ジョン・カーター』と、原作と映画が逆順になってしまっていて、なんとなく残念な感じ。

砂をもうちょっと赤くして、独特な雰囲気を出せればよかったのかもしれないけれど。

さらに、デジャー・ソリスがおばさん過ぎ。事前には聞いていたけれど、やっぱりこの目で見てもおばさん。火星のプリンセスじゃなくって、火星のクイーンの貫禄だよ、もう。

緑人族は、4本の腕をもうちょっとビジュアル的に生かせなかったものか。上下の腕がおんなじ動きをしていたり、「俺の右腕」とか言っちゃったり(それはどっちの右腕だ)、いまいち中途半端。

とはいえ、なんだかんだ言っても、とにかくあの火星シリーズの映画化というだけで見る価値ありの映画。SFファンにとってはね。でも2Dで十分だったかも。



[コンサ] 2012 J1 第7節 札幌 vs 川崎

2012-04-22 21:36:45 | コンサ
2012年 J1 第7節 コンサドーレ札幌 2-3 川崎フロンターレ @スカパー


今日こそは勝てる。そう思った試合は何度目だ。またしても逆転負け……。しかも、今度は2-0からである。

前半はとにかくぶっちぎりだった。

川崎の前線に動きが乏しく、縦パスをどうしても足元で受けようとするものだから、札幌の守備陣が面白いようにパスカットする。そのボールをシンプルに縦に繋ぐ。前が詰まれば、ちゃんと後ろに戻してサイドチェンジする。まさに理想の守備と攻撃。

いったいどうしたのだ。……というほどでもない。これまでの試合も、最初の20分はこんな感じでリズムよくサッカーをやれていたじゃないか。

この試合では、開始9分には左サイドから岩沼の縦パスに岡本が抜け出してセンタリング、これを前田がヘディングで合わせて先制ゴール。なんと前田の初ゴールは左足ではなく、頭。まーえだーのあたーまできーめーてーやれー。

その後、32分に今度は右サイドから岡本の縦パスに日高が抜け出してクロス。これを高木がヘディングで決めて2点目。右サイドバックでの守備の重圧から解放された右サイドハーフの出場で、本人もちょっと吹っ切れた感じがあるんじゃないか。

これまでは20分過ぎから30分過ぎには失速しだす札幌なのだが、なんとリードしたままハーフタイム。しかも差は2点。これは勝てるかもしれない。


ところが、後半12分に、稲本に代わって中村憲剛が入ると、ファーストタッチでシュートを決められてしまう。変わった直後にマークがずれ、なんとペナルティエリア内でフリーにしてしまった。ここは河合が指示出しをしてマークの確認をすべきだったのかな。

そこからバタバタと札幌が崩れていく。失点のショックと共に肉体の疲労に気付いてしまった感じで一気に運動量が落ちる。逆に川崎は中村が入ることで精神的に落ち着きを取り戻し、ボールの収まりどころができたおかげで前線の選手も自由に動き始める。そこから先は、数日前に見た光景。

さすがに一人少ないわけではないので、惜しいカウンターも何度かあったが、完全にボールを支配されたワンサイドゲーム。しかも、ゴール前の混戦からボールを手に当ててハンドでPKを取られるところまで一緒。

さらに前田の負傷退場と、山瀬の恩返しゴールまで喰らって遂に逆転負け。いやぁ、札幌サポじゃなかったら、こんなに面白い試合は無かっただろう。日本代表クラスの選手が一人で試合をひっくり返すという、まさに台本があるかのような試合展開。


もう、本当に結果だけが付いてこない感じ。前半のサッカーはJ2ですら無かったようなすばらしい圧勝だったんだけど。主力が順番に負傷欠場で欠けていっても、10代の選手を含めたこのメンバーでここまでやれるということは、札幌が続けてきたことは間違いなじゃいという証拠である。そこは胸を張っていい。

だから、他の人が言うほどショックは大きくない。次こそは必ず勝てる。そう信じるだけの戦い方だった。だから、ブーイングもしない。

ただ、選手交代はちょっと遅かったような気がする。近藤は前半から疲れが見えていたし、前も前田も運動量が落ちていたので1点取られた後ですぐに変えても良かったんじゃないか。もちろん、結果論でしかないけど。


横野は一発だけだったが、ビッグチャンスがあった。あれを決めればヒーローだったんだけど、決められないところが純貴らしい。しかし、控えFWが掴めるチャンスは1試合に1回だけだと思ってもいい。あれを決められるように集中力とゴールへの嗅覚を研ぎ澄ませ。お前も栄光のコンサドーレU-18のエースだった男だろう。負傷の前田が次節ダメなら、お前がやるしかないんだ。サポーターみんなが、お前に期待している。

次節は大宮。関東だ。ナビスコカップで横浜FMに勝った時のように、いい雰囲気で選手を迎えよう。勝たせよう。そして、うまいビールを飲もうじゃないか!



[コンサ] 2012 ヤマザキナビスコカップ Bグループ 札幌 vs 鹿島

2012-04-18 23:59:59 | コンサ
2012 ヤマザキナビスコカップ Bグループ コンサドーレ札幌 1-2 鹿島アントラーズ @スカパー


これはとんでもない試合だった。いま思い返しても、「これはひどい」としか言いようがない。


俺たちの西大伍が初めて鹿島の選手として札幌ドームに登場。その対面には、アカデミー後輩の榊と、コンサドーレ入団同期の岩沼が立ちはだかる。

西と岩沼と言えば、一緒にブラジル留学に行った仲。チーム事情から途中で呼び戻された西に対し、半年間のブラジル修行を全うしたのが岩沼。言ってみれば、三沢と越中の関係。岩沼が西に負けられるはずがない。


序盤はなぜかロングボールの打ち合い。だから、キリノと翔太のスピードコンビはこういうDFの裏に蹴り込むボールには強いんだってば。と思っているうちに、日高のアーリークロスをペナルティエリア内で受けた榊が、マゴマゴしながらも反転して利き足の左でシュートを撃ち、ナビスコ2戦連発での先制。さすが、翔太すごい。愛してる。

ところが、やっぱり札幌の調子がいいのは前半20分まで。

なんと36分に、その榊が負傷退場。大伍をマークに行った際に変に力がかかったのか、ボールにも相手にも触らず、自爆状態でその場に倒れ込み、立ち上がれない状態。足を延ばせない感じでかかとを押さえていたので、これはアキレス腱をやっちゃったかと思った。変わって古田を緊急投入。

39分にはキリノが後ろからぶつかられたときに運悪く肘があたってイエローカード。さらに、相手ペナルティエリア内で倒れたところでシミュレーションを取られてイエロー2枚目。退場。

試合後のインタビューで、石崎監督が「足から血が出るくらい」と語ったように、キリノは明らかに相手に転ばされている。ノーファールならともかく、あれがシミュレーションとは、ありえない。どこに目をつけてるんじゃボケ。

この退場がゲームを決めたひとつのポイント。これにより、札幌は一人少なくなり、さらに、この試合の武器だったはずのスピードコンピを両方とも失うことになった。これではもう攻めようが無い。

あとはパスを細かくつなぐようになった鹿島にやられ放題。それでも、フィールドに立つ残りの10人が、翔太とキリノの無念さを受け止めるように、粘り強く身体を張ってゴールを守り続ける。時には10人全員がペナルティエリア内に密集するような、まるで幼稚園児か小学生のようなサッカーだったが、とにかく守りきるのだという気持ちがはっきりと見えていた。それは感動的とも呼べるほどだった。


しかし、鹿島のシュートが30本を越えるころ。この日、3つ目の悪夢が札幌を襲う。

ペナルティエリア内で撃たれたシュートが、運悪く宮澤の手にあたる。ハンドでPK。あんなもの避けようが無い。FWのみなさん、これからは、シュートはゴールへ撃つよりも、相手DFの腕めがけて撃った方がいいですよ。

結局、このPKを決められて同点。これによって一気に魔法が解けてしまった。

ロスタイムにコーナーキックから追加点を決められ、万事休す。逆転負け。


本当に、この試合ほど勝ちたい試合はなかった。シュート数が1-35で勝てるわけがないとほざいている奴もいるが、だからこそ、この試合は勝たねばならなかった。J1での逆襲の雄叫びをあげなければならない試合には、うってつけの伝説的な試合だったじゃないか。

それをぶち壊したのが岡部拓人と言う男だ。あいつはこの試合のリプレーを見るんだろうか。おまえなんか、リプレーを見直して、自己嫌悪でうつ病にでもなってしまえ。試合ひとつぶち壊すのは、どれだけの影響があると思ってるんだ。

試合中は審判は絶対で仕方ないけれど、試合後に事実確認と反省会は絶対にやって欲しい。試合後にレフリーインタビューなんてどうだろう。今日のイエローカードのシーンですが、振り返ってみていかがですか。それぐらいやらなければ、審判のレベルが上がっていかないんじゃないか。


本当に後味の悪い試合だった。もう、こんな試合は見たくない。

榊の怪我がアキレス腱ではなくって、もっとマイナーな筋肉の肉離れで全治3週間というのが唯一の救い。まぁ、長いGWだと思って、しっかり治してから帰ってこい。


一方、敵として凱旋帰道の西大伍だが、いまいちだったですか。受け手のせいもあるんだろうけれど、大伍のところからパスカットされるシーンが多かったような気が。これじゃ日本代表復帰は遠いか。

……ところで、中継の最後の方に客席で映ってたのって、桜子?



[SF] 砂丘の子供たち

2012-04-15 23:37:21 | SF
『砂丘の子供たち 1~3』 フランク・ハーバート (ハヤカワ文庫SF)


言わずと知れた《デューン》シリーズの3作目。一応、これが完結編。といってもハーバート本人が書いた続篇やら、息子が書いている前日譚やら、シリーズはさらに続くわけですが……。

《デューン》といえば、環境SFの元祖とか、生態系SFの始祖みたいに言われることがあって、実はそれで読み始めたのだった。しかし、『砂漠の救世主』まではあんまりそんな感じではなかった。

遠い異界の宮廷物語。遥かなる時を越えた人体実験。勇敢なる少年の復讐譚と、無常なる結末。その後にこれが来たか。


今回の主役はポウルの双子の子供、レトとガニマ。すなわち、アトレイデ家とフレーメンの血を持ち、ベネ・ゲセリットが生み出した遺伝子を受け継ぐ二人の男女。この二人を巡って、祖母(ベネ・ゲセリット)、祖父(フレーメン)、叔母(忌まわしき者:ハルコネン家)、従兄弟(旧皇帝:コリノ家)、さらには砂漠に消えた筈の父ポウル本人まで出現し、それぞれの思惑のもとに子供たちを操ろうとする。しかし、子供たちには二人だけの秘密の計画があった。

おもしろいのが、ポウルの妹、エイリア。こまっしゃくれた幼女キャラだったのが、いつの間にか恐ろしいことになっていた。時空を超えて記憶を持ってしまったエイリアは、かつてのハルコネン男爵の記憶までもを呼び覚まし、逆にハルコネン男爵に魅入られてしまう。これぞ忌まわしき者。彼女にこんな最期が訪れるとは、なんてことだ。

そして、祖母ジェシカはコリノ家にさらわれるものの、逆に皇子のファラドゥンをベネゲセリット的に訓練してしまうという超展開。そして、その訓練に打ち勝ってしまうというさすがの旧皇帝の血筋。そこにもベネ・ゲセリットの時空を超えた計画があったのかどうか。

そんなこんなな悲喜こもごもを、砂鱒の皮膚を使ったスーパースーツでアクションヒーローになってしまったレトがすべてひっくり返すというこれまた超展開。いやすげぇー。さながら、砂を纏った超人「怪傑!サンドマン参上!」みたいな感じ。

やっぱり環境SFじゃないじゃん(笑)


環境SFとしての側面は、『砂丘の子供たち』の冒頭で、砂の惑星であるはずのアラキスが緑化されつつあるところが肝なのですね。

砂漠が緑化されて、厳しい自然から人々は解放されつつあり、砂の文化は消えゆく。各地に刻まれた水路にそって耕地が生まれ、そこでは砂鱒が飼われている。そして、水を嫌う砂虫は数を減らし、スパイスは枯渇していく。

二人の子供たちが描いたセシェール・ニビウ、黄金の道とは、大自然との共存共栄だった。砂漠を緑化して砂虫を囲いの中で管理するのではなく、砂漠の大自然と共存する未来。そして、ベネ・ゲセリットの繁殖計画を続け、世界を平和に維持し続けること。世界は変化し続け、人々も変化する。しかし、その変化を遮らず、捻じ曲げず、変わりゆく世界の中で共存共栄していく平和。

過去のSFでは、科学技術と人間の意志の力によって、惑星を地球化し勢力を広げることが善であり、勝利だった。しかし、レトは緑化のための水路を切り裂き、砂鱒を開放し、砂虫を呼び込む。アラキスはアラキスの自然のまま、人々は共存していかなければ長期の平和を維持することは叶わない。それが、1970年代当時には、まだ新しい物語だったのだ。

特に、生態系の考え方、種の共存共栄と進化の道筋を、人々や公家の関係にも広げ、世界平和のためには協調が必要という主張は、強いものが勝つという弱肉強食の欧米的考え方から外れた新鮮な見方だったのかもしれない。

しかし、それは皇帝であるレトの力によって成し遂げられる独裁社会である。そこにもちろん、多くの困難と火種が待ち受けているであろうことは明らかだ。そして、物語は続いていくのだろう。


しかし、レトとガニマの役割がこうなったのは偶然のはずなのだが、ガニマが皇帝になっていたら、レトは誰と繁殖すればいいんだっけ。やっぱり、これが必然だったとしか思えないですね。


[コンサ] 2012 J1 第6節 名古屋 vs 札幌

2012-04-15 22:26:41 | コンサ
2012年 J1 第6節 名古屋グランパス 3-1 コンサドーレ札幌 @スカパー


実は当日の朝まで飲んでたので完全なる二日酔い。もう、半分寝ながら見てました。

開始早々に綺麗なゴールを決められ、そのあとは頼みの奈良が不運なオウンゴール。そして、意識がなくなっている間に玉田の3点目が入って、いつの間にか前田が交代。三上は髭伸ばすか剃るかどっちかにしろよとぶつくさ言っていると、古田がJ1初ゴールでやっと一矢報いるも、時間はすでにロスタイム。

見終わった後は結構いい試合してたのに、残念だったねー、という感想。しかし、完敗とか、得点差以上に差があったとか、ニュースやブログには書いてあった。あれ、そうだったっけと、いつもの1.3倍速でビデオを見直してみたけど、やっぱり悪くないよ。これが札幌のサッカーだよ。

1失点目はサイドから走り込んだ金崎を完全に見失ったDF陣の失態。以前の試合からサイドバックが中に絞った時に対面の選手を完全にフリーにしているのが問題だったわけだが、やっぱりそこを突かれたか。

2失点目もやはり右サイド。高木がアタックに行って、それに合わせてジェイドがラインを上げたんだけど奈良は逆に下がってしまった。そのギャップに3人飛び込まれて万事休す。結果的に奈良のオウンゴールになってしまったけど、その前に完全に破られていた。個々のスキルで負けてしまうのはしょうがないにしても、こういうミスは無くしていかないと。

後半の3失点目は綺麗にやられた。最後に玉田についていったのは高木だけど、あれはもうどうしようもない。

柏戦でもあったけれど、ロングボールには何とか守れていても、ショートパスを細かくつながれると、どうしてもボールに意識が集中してしまって飛び込んでくる選手を抑えきれないんだろうか。

結局、3失点に絡んでしまった高木は試合後に悔し泣き。そりゃそうだろ、ここまでやられれば。もともと高木には攻七守三ぐらいの期待をしているので、ある意味しかたがない。そう考えると、強豪相手の守備は3バックの方がいいのかもしれない。まぁ、攻めはカウンター一発狙いになってしまうけど。

攻めに関しては、遂に宮澤が1トップで出場。これまで1トップだった前田がトップ下。このポジション変更はどういう意味があるのか。これまで前田がキープしてもそれを追い越してパスを受ける選手がいなかった。それなら前線で身体を張ってシュートを撃てる選手をってことですかね。

その宮澤は何度か惜しいチャンスがあったものの、シュートはすべて不発。前田からのパスに反応しきれないシーンもあって、まだまだ呼吸があっていないような感じ。前田は一列下がってプレッシャーが少なるかと思いきや、名古屋のプレスはさすがにきつくてやっぱり思いどおりにはプレーできていないようだ。

そんな中、古田が何度もサイドから、中央からとチャンスに抜け出て、いいシュートを撃っていた。サイドネット、ポスト、ときて、最後は相手DFに当たったとはいえゴール。リアクションを見てると最初は外れたと思ったんだろうね。だって楢崎が茫然と見送ってたし(笑) ゴールだと気づいてからは逆に顔が真剣になってボールを取りに走った姿は、ちょっと滑稽だけど格好良かったよ。

そして、忘れちゃいけない前貴之。身体は細くてコンタクトでは負けてたけど、こぼれ球への反応やパスカットの読みは結構なものだ。配球も正確だし、FKだって蹴れる。ただ、あれを90分間はやっぱりつらいか。

まぁ、そんなこんなで全体的に悪くないよ。去年と比べても格段にいい。

コンサドーレに必要なのは、最後のフィニッシャー。ペナルティエリア内でパスを受けて、強引にでもシュートを撃つ係りの人。スタイル的にはやっぱり宮澤か、あるいは三上ということになるのかな。本当はこういうときこそゴン中山隊長に出場して欲しいんだけど、まだダメそうだしな。というか、まさかこのまま引退じゃないだろうな。本当に広告塔で終わりかよ。

金があれば後半に外人でテコ入れということもあるんだろうけど、そんなことが可能ならとっくにやってるわけだし。

通用してもしなくても、今のこのスタイルでやり続けるしかない。このチームにこれ以上のやり方は無い。前田も古田もスーパーな選手じゃない。それは監督も選手もわかっている。サポもわかってしかるべき。

ならば、応援だけでもJ1有数の応援と言われるほどに頑張ろうじゃないか。っていうか、とっととスタジアム行けよ>俺。


[映画] おかえり、はやぶさ

2012-04-08 23:47:46 | 映画
『おかえり、はやぶさ』 - goo映画


(C)2012「おかえり、はやぶさ」製作委員会


“はやぶさ”の映画は3作同時に作られていたのだが、その3作目。

実は予告編の段階では、“はやぶさ”のすごさをストレートに伝えてくれそうな気がして、一番期待していた。まえだまえだ(兄ちゃんの方?)という子供の視点を持って、単純に「すげぇ!」という描写があるかと思って。しかし、すっかり期待外れ。本当にすべてが期待外れで、なんとも言いようがない。

なんでお母さんが病気にならないといけないんでしょうか。そんなことがないと、“はやぶさ”を感動的に描けないんでしょうか。父親と息子の葛藤を無理矢理にでも描かないと、“はやぶさ”の感動を描けないんでしょうか。

宇宙空間で機械の作動音がしているのは、まあ有りがちだからしょうがないにしても、ロケット打ち上げのシーンでも音がずれないとか、スタッフは実際の打ち上げ見たことないんだろうか。もう、科学的、工学的な部分はすべてダメダメで、ウーメラ砂漠のシーンも合成バレバレ。なんというか、悪い意味でのテレビ東京クオリティ。もう、馬鹿さ加減を笑うことしか楽しみがない。

なんというか、日本映画の限界を見せられたような気がして気分が悪かったですよ。


結局、3作見終わって一番良かったのは、最初の『はやぶさ/HAYABUSA』だったかもしれない。竹内結子の役は不要だったにせよ、竹内結子の演技自体は非常によかったし、『はやぶさ君の冒険日誌』は“はやぶさ”ファンには有名なので、巷の「はやぶさがしゃべるなんて」っていう批判は失笑ものだからな。

とは言え、『はやぶさ/HAYABUSA』が映画として面白かったかどうかは微妙なところだし、『はやぶさ 遥かなる帰還』はプロジェクトXの出来損ない。『おかえり、はやぶさ』にいたってはテレビ東京の2時間ドラマレベル。←アニメではなくてドラマというところで察しろ!

“はやぶさ”の何がすごかったを知りたい人は、こんな映画なんか見ないで、ニコニコ動画で“はやぶさ”を検索した方が勉強になるし、泣けるし、笑える。つまり、日本の映画人はニコ動の素人に負けっ放しなんだよ。

ちゃんとしたSFの人を監修に付けるだけで随分変わったと思うんだけど、それはSF作家のステータスがいかに低いかの証拠でもあるわけだよな。たとえば、野尻抱介(一部には空飛ぶパンツの人とか、尻Pとかの方が分かりやすいSF作家)がウーメラ砂漠で何をやったかということを知っていれば、それだけで2時間の映画にできると思うんだけど。はやぶさ映画のスタッフは誰もそんなことに興味なかったんだろうな。

[SF] SFマガジン2012年5月号

2012-04-08 23:12:08 | SF
『S-Fマガジン 2012年5月号』 (早川書房)




特集記事はイアン・マクドナルド。

日本では『火星夜想曲』で有名なんだけど、実は俺には全然合わなくって、退屈なだけの存在だったんだよね。しかし、最近のインド系SFはむちゃくちゃ面白い。

『火星夜想曲』は描きたいシーン優先のファンタジーみたいな感じで、俺みたいにそのビジョンを共有できない読者にとっては、読むのが苦痛なくらいに退屈だったのですよ。しかし、最近のインド系SFは現実のインドが持つパワーと神秘性をものすごく現実的に描写していて、現実の神秘的なインド(という言い方がすでに矛盾しているけど)と地続きの未来が見えて、ファンタジックなマンンデーンSFという矛盾した世界をしっかりと描き出しているように見える。と言っても、SFマガジンに過去に掲載された2作しか読んでないけど。

しかし、今回掲載の2作は火星ファンタジーでも、インド系未来物語でもなく、どちらかというと本格SF。イアン・マクドナルドもこんな作品を書いていたんだと驚いた。もちろん、『火星夜想曲』だって読み方によってはハードSFであることは理解しているんだけどさ。


そして、日本SF評論賞の発表。去年から話題になっている「評論とは何か」という提議が再び。今回受賞した論文(←敢えてこう呼ばせてもらう)も、評論というより解説ではないかという議論があったようだ。

本当に、評論って何なんだろうね。読書感想文でも、書評でもなく、解説でもなく、評論。選考会採録では「論文」という単語が出てきてるんだけど、やっぱり論文なわけ?

うーん、正直言って、読んでて面白く無いんだよね。去年のも、今年のも。なんだろう、この感覚。これが評論ならば、俺は別に評論を読まなくてもいいやというか、なんというか。たとえば、このブログでは何度も言っているけど、たとえば俺は巽孝之が書いていることを、まったく面白いとも思えないし、欠片も理解できない。それが評論ならば、やっぱり俺は評論を読まなくてもいいや。と思った。




○『ソロモン・ガースキーの創世記』 イアン・マクドナルド
月曜日から始まって日曜日へ続く創世記。ネタバレなんだけど、そういう構成なんだから仕方がない。遥かな未来、遥かな宇宙の果てへ、どんどん壮大な世界へと連れていかれて眩暈がする。これぞSFといった感じ。しかし、なんとなく個々のエピソードの繋がりが弱い感じがするのがマイナスポイント。最後の結末を無理やりと見るか、予定調和と見るか、読み方が変わりそう。

○『掘る』 イアン・マクドナルド
掘り続けるために生まれ、掘り続けるために生きた人々が辿り着いた現実。皮肉な結末の最後のセリフ。これまた解釈が難しい作品だな。

○「錬金術師」 パオロ・バチガルピ
むむ。バチガルピ的なアイロニーにあふれた作品ではあるけれど、ファンタジーとして書いたために、返ってその刺が鈍っているような気がする。すぐそこの未来、明日にも訪れるディストピアを描くのがバチガルピの魅力だと思っていた。しかし、いったい何のアナロジーかと考えさせることによるワンクッションによって、ファンタジーに託した危機感は薄れてしまっているように感じる。

△「独身者たちの宴」 渡邊利道
『華竜の宮』は面白いと思った作品だけれど、こうやって解説されたものを読んでも、自分が面白い、興味深い、すげーえ!と思った部分が再現されていないような気がして困る。なんだろうね、この“コレジャナイ”感。だったらお前が書けと言われても、さらに困るし。



桜リベンジ

2012-04-08 20:17:05 | Weblog
昨日は、晴れていたのは朝だけで、正午過ぎからちょっと曇っていたので、実はあんまり桜は綺麗じゃなかった。

思い返せば上京(って古いな)して2年目の春に、多摩川サイクリングの途中で残堀川の桜を見た感動はもの凄かったのだけど。

ってことで、今日は晴れたので、昼飯食いがてら残堀川再び。

そうそう、こんな感じ。ピンクに黄色に緑に青に、色の奔流。光が強い晴れた正午ぐらいだけの景色ですよ。

そして、おなじみのカメぇー! このカメ、結構デカいよね。ミドリガメだと思うんだけど。誰だよ、捨てたのは!













[コンサ] 2012 J1 第5節 札幌 vs 柏

2012-04-07 23:29:54 | コンサ
2012年 J1 第5節 コンサドーレ札幌 0-2 柏レイソル @スカパー


これまでの試合は1点差負けの連続。惜しい結果が続く中、サブメンバー中心のナビスコカップで遂に勝利を上げ、これから波に乗りたいところだった。

しかし、そう簡単にはいかないもの。前年度Jリーグチャンピオンの柏にまったく歯が立たず、今季最低の完敗。あれ、一昨年ぐらいは同じリーグじゃなかったっけ。どこでこんなに差が付いた。やっぱり、金か。金なのか。


前半の20分ぐらいまではいい勝負をしていた。中盤でボールを奪って、手数をかけずにサイドから相手のゴール前へ。今季はこれが札幌の攻撃の形になっている。

しかし、左サイドを柏の酒井に支配されてからは、このサイドではまったく何もできなくなり、奈良の膝トラップが大きくなったところを拾った工藤に決められ、失点。そのあとはもう、何もできず。

後半は左サイドで本当に何もできなかった岡本に変えて、負傷明けの古田を投入。システムも3バックに変更、途中から近藤を大島に替え、前田、内村の2シャドーで挑むも、コーナーキックから追加点を奪われて撃沈。

最後は内村に変えて前を投入し、宮澤を前に上げる(ややこしいがわかるよね)。宮澤はボランチでいるときよりも存在感を発揮し、ヘディングでのシュートも放つが枠の外。

動きの鈍った攻撃陣にいらだったのか、ジェイドがドリブルで攻め上がるシーンもあったが、効果なし。

結局、2失点、無得点。シュート23本を浴びての完敗。

まぁ、ギリギリでJ1に上がれたチームと、去年のJ1チャンピオンじゃ、まともにぶつかればこんなものだろう。じゃぁどうするのか、どうするべきなのか。石崎監督にはそこところを考えて欲しいんだけど、バルサのサッカーを理想とする監督はガチガチカウンターサッカーなんてやらないんだろうな。


今日の試合で特筆すべきは、やっぱり奈良さんでしょう。サポーターからは“さん”付けで呼ばれ、18歳ルーキーには似合わぬ落ち着いたプレーが身上の選手だが、今日は精彩を欠いてしまっていた。試合開始前には観客席を見て笑ったり、余裕の表情だったのだけれど、いつになくミスが多かった。

最初の失点シーンでも、普段ならば、一見無理な体制からのダイビングヘッドで綺麗にクリアするボールだったのだけれど、前節の清水戦でクリアミスしたことが頭にあったのか、膝トラップで安全に止めようとしたところを掻っ攫われた感じ。そのあたり、失点続きで迷いが出てきたのかもしれない。

飛び級でU-23代表合宿にも呼ばれ、マスコミからも注目を浴びるようになってしまったことで何か変わったのだろうか。こういう時こそ、ゴン隊長や岡山が精神的なケアをして欲しい。

奈良が悪ければ、ノースが今日は割と良かった。攻撃陣に替わってドリブルで上がっていくシーンなんかは痺れたけど、コーナーキックからの2失点目は、ちょっとマークがずれてしまった。そんなんじゃ、日本代表には勝てんぞ。

負傷欠場の山本の代わりに先発した宮澤はいまひとつ。柏のボール支配率が高かったせいで守備に追われていたということもあるのだろうが、ボランチの位置にいる間はまったく目立たず。ボールを奪ってからすぐにスルーパスを出すとか、攻撃の起点にならなきゃいけないのに、そういう意識が足りないのか、パスがヘロヘロのことが多い。去年も言われてるんだから、何とかしようぜ。

しかし、後半、トップに上がってからはそれなり。やっぱり、宮澤はFWとして育てた方がいい。ワンタッチでボールを捌くのは得意なのだから、前田と2トップを組むのも面白いと思うんだけど。

宮澤は本当にどうしたいんだろうね。自分で望んだこととはいえ、札幌じゃなくて鹿島やほかのJ1チームに入っていたら、今頃はオリンピック代表に入っていたりしたんだろうか。

反対に、古田はアカデミー上がりなので、このチームで生きていくのが運命。今日はやっぱり今一つで、こちらもロンドンなんて遠い夢状態。茨田や酒井との差は歴然。「ロンドン橋落ちた」の替え歌を応援歌にしている通り、ロンドンへの橋は落ちちゃったよ。


とにかく、J1を5試合戦って、はっきりしてきたのは、選手個人の能力に差があり過ぎるということ。良くも悪くも、うちのチームはJ2に馴染み過ぎた。能力的に代表を狙えると思われてきた宮澤、古田もJ1じゃただの雑魚。天才前田はただの変人。

そこを出発点として、どうやって戦っていくかということを考えないと、J1定着は無理そうだ。

いやもちろん、理想的なパスサッカーを目指して、選手を成長させていこうという考え方もわかるよ。でも、それには今回の昇格は早すぎた。今年の5人と、来年昇格してくるであろう堀米、神田、深井あたりを中心に5年後あたりに再挑戦した方がいいんじゃないか。

問題なのは、チーム運営に関してはそこまでの時間的余裕は無いかもしれないということなんだけどね。