神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

ヨコハマフリューリングスフェスト2013

2013-04-30 11:41:22 | Weblog

4/28に、YOKOHAMA FRÜHLINGSFEST2013 (ヨコハマフリューリングスフェスト2013)に行ってきました。

要するに、オクトーバーフェストの春版ですね。

オクトーバーフェストはいろいろ利権があるらしく、赤レンガ版と、年中どこでもやってるオクトーバーフェスト(日比谷とかお台場とか東京ドームのはこっち)に分かれてしまったのだけれど、赤レンガでは春はフリューリングスフェストに名前を変えたらしい。

この名前、なんとなく横浜フリューゲルスを思い出して、懐かしくなってしまう。エドゥーの異様に曲がるフリーキックとか、モネールのケツダンスとか。

……閑話休題。

 

本当は札幌-熊本戦の祝勝会にしたかったのですが、あいにく、ひでー試合でヤケ酒大会になってしまいました。とはいえ、相変わらず、ドイツビールはうまいし、楽団のみなさんは楽しいし、飲んで踊って、酔いが回ってえらいことになってしまいました。

オクトーバーフェストとの違いは、入場料無料というのが大きいので、ふらっと一杯飲み行ってもいいかも。

あと、重要なんですが、ビールカウンターはお店別に並びます。全部一列ではありませんので、空いているところを狙いましょう。

さらに、ドイツビールに詳しくない人向けに言うと、“オクトーバーフェスト公式”の看板が出ていないところも、ドイツビールならば公式です。エルディンガーでも、アインベックでも、ヴァルシュタイナーでも変わりません。っていうか、なんでホブロイにこんなに人がこんなに並んで、エルディンガーに人が並んでいないのか理解できませんわ。

興味がある人は250mlのカップでいろいろ試しに行ってみてください。ビールに対するイメージが変わりますよ!

 


[コンサ] 2013 J2 第11節 札幌 vs 熊本

2013-04-28 23:59:59 | コンサ

2013 J2 第11節 コンサドーレ札幌 1-3 ロアッソ熊本 @スカパー


今季の厚別開幕戦。天候は、雪こそ降らなかったものの、冷たい雨と大暴風。先週だったら雪だったわけで、それよりはマシか。本当に風邪ひかないでください。

この試合では荒野が初先発。深井が腸炎という話もあって外れるのかと思いきや、なんと砂川がベンチ外。さらに内村もベンチ外で、最近の試合で大活躍だった二人が不在という状況。

しかし、俺たちには天才前田がいる。まえしゅんは髭を剃ってから、尊師というよりは品川祐みたいな感じだが、久し振りのワントップ先発では何かやってくれるに違いない。

そして、この試合はローソンスペシャルデー。ドーレ君がローソン店員。ポンタくんが赤黒衣装。くまもん(偽)もいたらしい。ローソンプレゼンツなので、MVPにはから揚げくん一年分が。まさに、馬に人参、選手にから揚げ。若者が多い札幌にはMVPを狙う選手が多いに違いない。いや、その筆頭はそろそろ若いとは言えないまえしゅんか?

 

コイントスに勝って、前半は風上。

この風はピッチレベルでも、プレースキックのボールが蹴る前に転がるくらいの暴風。いつも風の強い厚別でも珍しいぐらいの強さだった。この風を味方に付けて、一気に攻め込みたいところ。

熊本はファビオめがけて放り込んでくる感じ。しかも、風下からのフィードがうまい感じに収まる。いきなり左サイドから破られて、完全に数的有利を作られるも、ポスト選手のナイスプレーでノーゴール。

一方の札幌はボールが風に乗り過ぎて、返ってパスがつながらない。この風は味方につけるには荒くれすぎたか。

そんな中、まえしゅんのすばらしいゴール。ボールを奪われた岡本が奪い返したところからのプレー。上原からのクロスをまえしゅんがワンタッチで捌いて左サイドの岡本へ。岡本が折り返したボールをこれまたダイレクトのシュート。まえしゅんのシュートもすばらしいが、岡本もすばらしい。

このプレーだけでなく、今日の前田は一味違う感じ。ボールを持って謎ドリブルではなく、おしゃれな感じでワンタッチで捌いていく。これに宮澤、岡本が絡んでどんどんチャンスを作る。

さらに、上里のキックがどんどん正確性を増す。追い風に乗った鋭いボールがピンポイントにドフリー選手に届く。

しかし、岡本、宮澤、前田、と外しまくり。なぜか枠に行けない。上里のフリーキックも枠のわずかに外。今思えば、これだけチャンスがあったのにと悔やむしかないが、試合中はイケイケのプレーに非常に気を良くしていた。

特に前田は、風下なのにやたらと高い熊本のDFラインとの相性がいいみたいで、天才の輝きを取り戻した……かに見えた。

 

後半は風下に変わっていきなりピンチ。やはり、風下は怖い。

杉山のミスキックでパントキックが高く上がり、風で大きく戻されて、熊本側のスルーパスのようになる。そのまま失点。少しは頭使えよ杉山。風下に変わって一本目のキックだったかもしれないが、想像力も判断力も無さすぎ。

さらに、杉山がパンチングしたボールが奈良に当たってオウンゴール。これで、せっかくの風上で奪ったリードが逆転されてしまった。風下の不利を抱えたまま再逆転のためにベンチが動く。

まずは荒野に替えて榊。荒野は初出場だったが、目立った活躍できず、チャンスに絡んだのはワンプレーぐらい。

宮澤に代わってテレ。これで放り込みサッカーになるのかと思ったが、強い風に押し戻されてそれもままならず。

上里が左サイドに下がって、上原が前。さらに放り込みサッカーシフトへ変わっていくが、強風のおかげでなかなかボールが前線まで届かない。しかし、榊が入ったおかげで前線に動きが出て、ボールが回り、セカンドボールも拾えるようになってきた。しかし、相変わらず風下ゴールは厳しい。

疲れの見える前田に変えて、左サイドバックの松本が怪我から復帰。これで上里が中に戻る。しかし、この松本が2本目のオウンゴールを決めてしまう。クリアしようとしたボールが風でゴール側に流されたのか、出した足にあたったボールは綺麗に自陣ゴールへ。

これで試合は完全に決まり、熊本に連敗脱出のプレゼント。熊本の北島には「神風が吹いた」と言わしめたほどの阿呆試合。


前半イケイケの状態でまえしゅん、宮澤のワンタッチプレーが決まりまくっていたのが返って悪かったのかも。前半風下で苦しんだ方がよかった。あそこまでイケイケだったら、後半に油断が出ても仕方がない。しかし、風の影響を考えていなかったというのは阿呆すぎる。しかも、リードはたった1点だけだったというのに。

それに、厚別はホームなのだ。ホームの天候を味方にできないだなんて、ホーム開催の意味が無いではないか。

とにかく、前半で追加点が取れなかったのがすべて。2点取れていたら、杉山のミスキックがあっても、精神的に持ちこたえられていたのではないかと思う。

そして、杉山。あれだけのミスをしていながら、試合終了後に笑顔を見せるとは、いったいどういう神経をしているのか。ここしばらくいい働きをしていたが、やはりシュートストップだけの選手。それ以外は、コーチング、ポジション取り、フィードとどれをとってもいいところが無い。それがはっきり出たのがこの試合だった。

これならば、曳地でも阿波加でも若手を使うべきだろう。ミスがあっても成長につながるならば、それはそれで財産になるのだから。

本当に、ホスン、早く帰ってきてくれぇ(泣)

 

 


[コンサ] 2013 J2 第10節 長崎 vs 札幌

2013-04-21 23:59:59 | コンサ

2013 J2 第10節 V・ファーレン長崎 0-0 コンサドーレ札幌 @スカパー

 

長崎とは初対決。長崎のユニはパッと見、甲府のように見えるが、青に赤ではなく、青にオレンジ。監督は懐かしの高木琢哉。しかし、高木が札幌にいたことなんて誰も覚えていないのか、今回は中継でもその手の話は無かったような……。

 

出だしはなかなか良い。鳥取戦後に帰道せずに大阪でミニキャンプを実施しただけのことはある。プレスも利いているしボールも良く回っている。しかし、同様に長崎もプレスが利いていて、ゴール前も固いので、そう簡単にペナルティエリアには入れない。

そんな中、長崎のシュートを杉山がはじくが、こぼれ球を放り込まれてピンチ、なんとかパウロンがクリア。やっぱりDFライン怖いです。

さらに綺麗に裏に抜けられたがオフサイドと、徐々に押し込まれる。長崎の方がパスがつながりがいい。つまり、オフザボールでは長崎の方がよく動いている。

札幌も右サイドの小山内からいい形を作るが、宮澤のシュートは上に大きく外れる。決定的チャンスが決まらないと、どうなるかということは……。

とにかく、小山内がオーバーラップするとチャンスになる。逆に、左のソンジンが上がらない。長崎の選手との関係で上がれないようには見えないので、上がらないだけ。

ディフェンス面では杉山がいい反応を見せる。シュートストップはさすがにいいプレーをする。解説にもほめられるくらいだ。

長崎は動きが落ちない。波が無い。上手い選手が多いというより、集中力が途切れない感じ。

 

後半、パウロンに替えて上原。ソンジンがCBに回って、上原が左SB。なんでかと思ったら、パウロンが膝を怪我の情報。そんな風には見えなかったが、何があったのか。

内村に変わって前田が入る。また髭が伸びてきた前田。ひげ剃ってた方がいいプレーができているように見えるんだけど。

最後には砂川に変わってルーキーの中原が初出場。一本いいパスを見せたが、まだコンビネーションがうまくいかないように見えた。

正直言って、後半は眠たい展開。両チームとも決定的なチャンスが作れず、蹴りあっているだけになってしまった。こういう時に雰囲気を変えられる選手が欲しいのだけれど。期待は榊ぐらいか。

結局、スコアレスドロー。

アウェイでの引き分けは悪くない。しかも、帰宅できずのままアウェイ連戦だったので、これはこれで充分な結果だった。

次節の厚別開幕戦に期待しよう。今節の山形や松本のように、雪が降らないかどうかだけが心配なのだが……。

 

 


[SF] SFマガジン2013年5月号

2013-04-18 23:05:07 | SF

『S-Fマガジン 2013年5月号』 (早川書房)

 

《星界》シリーズ特集。

《星界》はそんなに思い入れのあるシリーズではなかった。アーヴ語も、返ってややこしいだけであまり魅力的に見えなかった。それでも、《星界》を読み続けていたのは、キャラクターやアーヴ語のような設定だけではなく、スペース・オペラとして面白いと思っていたのだろう。

しかし、新刊が出なくて久しくなり、すっかり忘れてしまっていた。もう出ないものだと思っていた。

それが遂に、復活である。SF作家クラブ50周年、ハヤカワ文庫JA 40周年ということもあるのか、いろいろなシリーズの新刊が企画、出版されている。これもその一つかと思いきや、本格的に復活するらしい。今回の『星界の戦旗V』で第一部完。続いて第二部開始が宣言された。

表紙イラストに引っ張られてラノベ的イメージが強い作品だが、ラノベ界の変遷によって、今の時代のラノベとは言い難い。だからこそ、ハード・スペース・オペラとしての《星界》に期待したい。

 


△「介入 星界の断章」 森岡浩之
 アーヴらしいアーヴ。理屈はわかるが、感情がついていかないのもわかる。アーヴがどういう存在なのかということがわかりやすい。

○「エンジン」 ジェイムズ・S・A・コーリイ
 成功したが故の事故という皮肉。長編の方も読んでみようか。

○「荒巻義雄のブヨブヨ工学」 タヤンディエー・ドゥニ
 今年の日本SF評論賞はなんとフランス人。選評では日本語についての指摘が多くあったが、さすがに雑誌掲載分は修正済みなのでまったく違和感なく読めた。残念なのが、題材である荒巻義雄の「柔らかい時計」が日本ではいまいちメジャーじゃないところ。同時掲載してくれるぐらいのことがあっても良かったんじゃないのか。

 


職業サッカークラブ社長

2013-04-18 22:30:21 | コンサ

『職業サッカークラブ社長』 野々村芳和 (ベースボール・マガジン社)

 

すごい。これは、コンサドーレ札幌にかかわる社員、スタッフ、選手、サポーター、スポンサーすべての人が読むべき。

野々村社長からの期待が明確に書かれているうえに、サッカー選手としてのセカンドキャリア、サードキャリアを考えるうえで、非常に参考になるので、特に若手の選手は100回でも読むべきだ。

野々村さんに期待をしている人も、不安に思っている人も、これを読んで欲しい。そして、今後、株式会社北海道フットボールクラブがどうなっていくべきか、考えて欲しい。

 

これを読んでも、残念ながらサッカークラブ社長がどんな仕事なのかはわからない(笑)が、ノノさんがサッカークラブ社長として何を成し遂げようとしているのかはビンビンに伝わってくる。

最強のクラブは目指せないかもしれないけれど、最良のクラブを目指そう。この理念はH.F.C.の発足当時から言われていたことだと思うのだけれど、それをちゃんと言葉にした経営陣はいただろうか。

それはもろ刃の剣であり、勝利だけを求めるサポーターやスポンサーは離れていくかもしれない。しかし、そこを出発点にしない限り、このチームに未来は無い。

リーグ優勝だけでなく、勝ち負けだけでなく、何を商品として提供できるのか。そこがまず重要なのだ。

そして、我々サポーターが試合に関して払っているものはチケット代だけではない。たとえば、釧路や北見といった道内でも札幌から遠方の地域、さらには関東関西といった日本全国からやってくるサポたちは、何の対価として数万円を(そして少なからぬ時間を)払っているのか。経営者としてはそこを理解しなければならない。

そして、自らが提供しているモノの価値を高めていかなければいけない。それは、チームとしてもそうだし、選手としてもそう。さらには、サッカー試合のイベントとしての価値をどうやって高めていくのかを、チームにかかわる人々がそれぞれの視点で考え続けなければならない。

もちろん、サポーターも例外ではなく、一人一人が価値を作り上げるメンバー(社員とまではいかなくても)なのだ。

この方向で成功している例を知っている。それは、SF大会であり、コミックマーケットだ。これらのイベントの参加者はイベントの主催者と同様、イベントを作り上げる提供者側であり、一方的に価値を受け取るお客様ではない。(昨今ではそれが崩れつつあって歪も生まれているようだけれども)

野々村社長は、その例としてAKB48を上げる。選手一人ひとりはスーパースターではなくても、その成長を一緒に見守り、応援してほしい。それこそがエンターテインメントになりうるのだと。いずれ、コンサドーレの前売りチケットには握手券がつくかも。(もちろん冗談ですが)

“夢を売る”なんていうと、ありがちな話になってしまうが、それを具体的に考えよう。H.F.C.が商売として売っているもの、これから売っていくものは何なのか。

 

正直言って、選手としてはたった2年間しか在籍していなかった野々村さんが、どうしてここまでコンサドーレに思い入れを持ってくれるのか不思議だったのだけれども、その点もちゃんと書かれているし、納得できる。

書かれている言葉にいちいち共感できる。だからこそ、協力したいと思う。遠隔地だし時間も限られているけれども、俺もサポーターとして、何ができるか考えてみようと思う。

 

 


[コンサ] 2013 J2 第9節 鳥取 vs 札幌

2013-04-17 23:59:59 | コンサ

2013 J2 第9節 ガイナーレ鳥取 0-2 コンサドーレ札幌 @スカパー

 

試合開始の前に河合の状況報告がwebで。肉離れで6~8週間。まぁ、予想通りでしたね。

あれ、と思ったら、三上も負傷。しかも練習で。河合と同様、6~8週間。古田の負傷で、チャンスが来たはずなのに、自ら棒に振るという失態。いや、これ本当に失態だろ。いったい何やってるんだよ。

かわりにチョソンジンが復活。

先発メンバーは前節の後半とあまり変わらず。宮澤が真ん中で、砂川と岡本がサイド。俺からしてみれば、最初からそれで行けよというシステム。

キャプテンは内村。ちゃんと確認してなかったけど、今年の副キャプテンは内村、岡本、堀米だった。古田だと思ってたけど、あれは去年か。

選手入場時にガイナマンが背広を着ていたのは、サラリーマンNight企画で名刺交換していたせいらしい。あれ、もしかして、うちの『仕事人ナイト』のパクリ?

 

さて、試合開始。

キックオフからボール支配率は鳥取が上。サイドを突かれて、CBとボランチが釣りだされて真ん中が空くというありがちな展開。

しかし、なんと砂川のフリーキックで先制。砂川のフリーキックが直接ゴールなんて、年に1回あるかないかじゃないか。パウロンか上原に合わせてくると思った鳥取DF陣の逆を突くゴール。っていうか、俺も直接狙うとは思っていなかった。

さらにその直後、砂川のクロスからゴール前で宮澤が倒れながらシュート。これは相手に当たるも、こぼれ球を岡本がシュートでゴール。ボールが宮澤に渡った後も走るのをやめなかった岡本の勝利。

前半終了時点で、シュート3本で2得点。稀に見る高効率な試合。

これで今季初めての2点リード。しかし、ロスタイムに3点取られて負けたこともある札幌にとって、2点はセーフティーリードではなかった。

後半開始時に、なぜか宮澤から前田へ。これはちょっと不可解。宮澤は全然悪くなかった。敢えて休ませるなら、内村だろう。しかし、ここでFWを変えてくるというのが、2点で終わらずに攻め続けようという明確なメッセージとなる。

しかし、その前田は、相変わらず決定機1本で仕事納め。前田の左が炸裂するのはいつのことやら。

そして、砂川に代わって中原彰吾がついに初出場。なんだか、まえしゅんと走り方が似てる。遠目だと間違うくらい。前田は見分けがつくように、もう一度髭を伸ばしてはどうか。

さらに、チョソンジンが復帰。内村outで上原がトップ。逃げ切り目的の大作戦。キャプテンはヤスに。岡本も副キャプテンだったのね。

試合は終始鳥取ペースだったように思うが、前節に続いて好セーブを見せた杉山と、決定機に外してくれるまさにJ2的な鳥取の攻撃陣に助けられ、完封勝利。

どんな形であれ、今は結果が欲しい時期なので、連勝は素直にうれしい。シュート数が7-8という湿気た試合だったが、とにかく勝てば内容は付いてくると思う。それはいつも言い続けている通り。特に若いチームには成功体験が重要だ。

 

この試合で目立っていたのは、どんどん上がる小山内。しかし、せっかくオーバーラップしても、使ってもらえるケースが少ない。ボールホルダーがパスの出し先として第一に考えてくれないらしい。まだまだ信用が足りない。

それでも、小山内へ綺麗にボールを渡すのが宮澤。いくら批判されようとも、やっぱり、こいつの視野は広い。今回、前半だけで交代させられたのは納得がいかないだろう。

DFは今日もでこぼこ。見ている分には結構危なっかしいが、鳥取の攻めの悪さのおかげでなんとか無失点。パウロンを含めたラインの意思疎通を潤滑にするにはもうちょっとかかりそうか。

内村はとにかく走る。これで最後まで持つのかと思ったら、最後まで走り切ったというのはすごい。宮澤もこれくらいの運動量を見せてくれたらいいのだけれど。能力的には、2年前くらいに心肺能力でチーム一位だったと記憶しているので、充分走り続けられるはず。もちろん、無駄走りは避けるべきだが。

そして、なんといっても気になるのはが、ピッチ横の電光看板「北海道」。回転ずし屋みたいだけれど、まるでコンサドーレの応援のようだった。しかし、ホームページを見ると、境港など地元漁港からとれた云々。ぜんぜん北海道と関係ないじゃないか!

 

最後、サポが選手と握手しているのを見て、うらやましす。

久し振りの連勝。このままいい雰囲気を保って長崎へ乗り込もう。

 


[SF] グイン・サーガ・ワールド 7

2013-04-16 22:33:55 | SF

『グイン・サーガ・ワールド 7』 天狼プロダクション監修 (ハヤカワ文庫 JA)

 

今回はグイン・サーガ・トリビュートの牧野修『魔王子の召喚』が傑作。星船によって追放された魔王子の飛んで行った先はどこだったのか。そして、グラ爺の大活躍。笑えるし泣けるし、面白すぎる。これはぜひ星雲賞を狙って欲しい。

本編では、五代ゆう『パロの暗黒』は登場人物たちの性格や行動がデフォルメされ過ぎていて、なんだか二次創作同人誌みたいな雰囲気だった。

もう一方の、宵野ゆめ『サイロンの挽歌』は、相変わらずスローペース。とは言え、やっと事態が動きそうな気配がしてきた。

どちらも、次の第4話(つまり、1冊分にまとまれば最終章)に向けて盛り上がってきましたという感じ。やっぱり、連載よりも一気読みしたいですかね。

遺稿の『スペードの女王』はいつまで続くのかが心配。結末が無いのだけは勘弁して欲しいのだが。

『いちばん不幸で、(略)』は、いつも読んでいてつらいな。今回は2chでオン・タイとか言ってたひとには、ちょっと罪悪感が出てくるかも。俺も含めてだけど……。

さて、次は本編第4話掲載で第2期終了ということになるんだろうけど、この先どうなるのか、グイン・サーガの行く末とともに、この形態の出版の行く末も気になるところである。

 

 


[SF] 屍者の帝国

2013-04-15 22:50:09 | SF

『屍者の帝国』 伊藤計劃×円城塔 (河出書房新社)

 

最初に読み終わったのは半年前の2012/9/15(読書メーターの記録による)。読み直したのは今年の正月。

これまでブログエントリーにしなかったのは、ちゃんと読めたかどうか不安だったせいだ。しかし、今回、本屋大賞も取り逃がしたこともあり、感想書きに挑戦してみることにした。

 

まず、この小説が伊藤計劃のものか、円城塔のものかというと、円城塔のものだと思った。それは、いきなり始まる登場人物たちの蒟蒻問答のあたりに顕著に出ていると思う。問答の内容は伊藤計劃由来のものかもしれないが、その書き方は明らかに円城塔。しかし、文章も伊藤計劃そのものと読む読者も多いようなので、二人の合作として成功しているのだろう。

エピローグで、屍者であるフライデーがワトソン博士に対する想いを語るシーンは円城塔の伊藤計劃への想いと重なり、とても感動的だ。この小説そのものが、亡き伊藤計劃の想いを受け止め、円城塔が自動記録者として書きとめたものと見るのは自然なことだろう。

そして、この物語すべてが、円城塔による伊藤計劃論なのだと言えるだろう。

ふたりの係わり合いに関する感傷的な感想はこの程度にして……。

 

この小説でもっとも興味深かったのは“情報”に関する言及だった。実体化する情報。言葉を解釈する言葉。書があることは著者を必要としない。このあたりの記述には「うぉー」と叫び声を上げざるを得なかった。

人間の意識は人間という種が固有に持つものではない。それは細菌によって親から子へ垂直感染する疫病のようなものだ。それを細菌と呼ぶのに抵抗があるならば、「X」とでもなんでも呼べばいい。意識に対するこの解釈は、たしかに伊藤計劃っぽい。

Xの実体は青い結晶として描写され、そこから(19世紀当時にやっと発見された)細菌ではなく、(その当時には発見されていなかった)ウィルスであるとの仮説(読み方)が割と一般的なようだ。

しかし、自分は先の“情報”に関する言及や、最後のロンドン塔崩壊のエピソードから考えて、これこそ結晶化した“情報”なのではないかと考える。すなわち、言葉を解釈する言葉。それが意識であると。

死者を屍者に変える霊素も、いわばプログラムであり、“情報”に過ぎない。その延長線上に人間の意識というものがあるという考え方は、別に違和感も無いだろう。そして、それが垂直“感染”するのも、まったく自然だ。

いや、工学的なアナロジーを自然といってしまうのは皮肉だけれど……。

 

そして、“ザ・ワン”の正体。

ザ・ワンはフランケンシュタイン博士が作った最初の屍者である。はずなのだが、読み直すとこれが怪しい。そもそも、作中においても、メアリ・シェリーが書いたのは事実をもとにしたフィクションであり、どこまで事実に基づいているのかわからない。そもそも、フランケンシュタイン博士はザ・ワンを屍者として作り上げたのではなく、ザ・ワンから屍者を作り上げたのではないか。

では、ザ・ワンはどこから来たのか。それはもう明らかだろう。彼こそ、本当にアダムだったのだ。彼をアダムと呼ぶのは、比喩的な意味ではなく、事実だったのではないか。そして、彼がアダムであるという理由は、生物学的な意味ではなく、それこそ情報的な意味、すなわち、彼がすべての人間の“意識”の祖であったのではないか。

ザ・ワンの言動や行動理由がいまひとつわからない部分があったのだけれど、そう考えた方がいろいろつじつまが合うような気がする。

 

屍者は低賃金労働者のアナロジーであり、すなわち、移民者や下層民のアナロジーである。また、屍者は産業革命における機械のアナロジーであり、計算機のアナロジーであり、すなわち、“情報”のアナロジーである。

そういった形で、いくつものアナロジーが埋め込まれ、いろいろな読み方ができる物語であるが、意識を持たない労働者としての屍者と、感染する病に過ぎない意識とによって、読者の根源的価値観を揺さぶる。これはそういう物語である。

 

 


[コンサ] 2013 J2 第8節 札幌 vs 徳島

2013-04-14 23:59:59 | コンサ

2013 J2 第8節 コンサドーレ札幌 2-1 徳島ヴォルティス @スカパー

 

前節はまさかの逆転負けで意気消沈。今季はホームでは勝ち星なしという状況で、ぜひとも奮起を期待したいという試合。

上里は前年所属した古巣対決。西嶋は横浜FCに移籍したし、ジオゴもいなくなっちゃったけどね。

今日はCBに奈良さんではなくて櫛引。トップにテレで、トップ下が内村。そして、サイドハーフに砂川と宮澤。このサイドの人選が試合のカギを握っていた。

 

前半は、徳島のサイド攻撃をパウロンを中心にはね返す札幌という構図。それでも、上がった上原のカバーに宮澤が入ったりと、それなりにバランス良く守れている。

気になったのは、審判のファール基準が荒い方に寄っている感じ。不公平ではないけれど、荒れて怪我人が出ないかが心配。

前半も半分過ぎたころに、なんと宮澤がPKを取られる。審判の目の前で相手選手のユニフォームを引っ張ってしまった。ある意味普通のプレーではあるが、なんとも不注意。

しかし、これを杉山が防ぐ。こぼれ球もセーブ。予想外と言ってしまっては失礼だが、うれしい驚きだった。初めて杉山のことを褒めてあげたいと思った。

そんな高揚感の中、河合が負傷退場で深井に交代。キャプテンは内村。もう怪我人は勘弁して欲しいと思いつつ、上里+深井のコンビはなかなか効果的。上里の豪快なシュートも出てきた。

しかしながら、失点。パウロンがクリアのために前に出て、櫛引との間にギャップが生まれ、そこにうまく入られた。これはパウロンと櫛引のコンビネーションミスだが、小山内、上原も含めて、DFラインが乱れてオフサイドを取れずにピンチになることが多かったように思う。

前半終わって、シュート数は、札幌 3-8 徳島。ある程度守れてはいるのだが、クリアボールがことごとく相手に渡ってしまう。マイボールになっても、テレから先に進まない。テレが足元で受けても、周りに選手がいないし、追い越す動きも無い。

たぶん、宮澤をサイドにするくらいなら、内村と入れ替えた方が良かったかもしれない。これは選手の特性と相性の問題に見える。

 

後半。テレに変えて岡本。宮澤が中に入る。これで前線の動きが多少はよくなった。くさびのパスの次のプレーを狙われていたのが、ドリブルで持ち上がったり、一気に裏に抜けたりとバリエーションが増えた。

前半とは攻守逆転といった感じで札幌がペースをつかむと、上里コーナーキックからパウロン。高いヘディングで同点。

さらに、内村からいいパスが岡本に入って、キーパーと1対1。しかし、これを相手キーパーがセーブ。しかし、次のプレーがゴールキック判定。抗議が入ってやっぱりコーナーキック。なんじゃそりゃ。審判がジェスチャーを間違っただけとか?

砂川に替わって前田。なんとマエシュン髭が無い。もう尊師様とは呼ばせないということか。これで宮澤はまたサイド。前半の再現でブレーキがかかってしまうかとも思ったけれど、徳島のプレスが緩んできたせいもあり、札幌ペースのままで試合は進む。

そしてついに、上原 キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!!。今度は逆のコーナーから上里→上原の沖縄ホットライン。これで逆転。

しかし、逆転してもまったく安心できないのが札幌。案の定、徳島も猛攻開始。両方とも、中盤のプレスが緩みつつある中、カウンターの応酬となる。これぞJ2サッカー。

このカウンターの打ち合い、終了間際の相手セットプレーもしのぎきって、なんとかホーム初勝利。

シュート数でも 13-12 と逆転し、前半と後半では全く逆の結果に。

 

この試合のMVPは、やっぱり杉山だろうか。フィードや飛び出しのタイミングに不安があるし、声を出さずに自軍DFと交錯することが多くて、あまり評価はできないのだけれど、今日はさすがに褒めるしかない。PKストップだけでなく、他にもスーパーセーブがあった。(でも、結果的にオフサイドになったコロコロボールはちゃんと止めろよ)

さらに上里。枠にはいかなかったものの、前半のシュートは速くて重たくてワクワクさせてくれるものだった。さらに後半のCKで2アシスト、的確なサイドチェンジと、大活躍だった。レンタル前からは随分成長したものだ。

河合からキャプテンマークを引き継いだ内村は膝も腰も悪いだろうに、最後まで走り切った。石崎時代に鍛えられて、ポストプレーも上手くなったけれど、やっぱり裏に抜けていくプレーが一番だと思う。

ゴールを決めたパウロンと上原はもちろん素晴らしい。ただし、DFラインでの意思統一はもうちょっとなんとかなりませんか。

そしてやっぱり岡本。いや、決定的シュートを2本とも外したので、チャラか。

そうは言っても、札幌がペースを掴んだきっかけは岡本。テレが悪かったというより、サイドアタッカーをいれたことで、前線の動きにバリエーションが出てきたということだろう。宮澤は、読みの良さとワンタッチプレーを得意とする選手なので、サイドで使うにはいつもとはプレースタイルの変更が必要なのだけれど、今回はそれが足りなかった。たとえば、テレではなくて宮澤に変えて岡本でも結果は変わらなかったかもしれない。

河合の怪我は残念だが、軽傷で済みそう。しかも、深井と上里の組み合わせが非常に良かったので、これで固定でもいいかもしれない。ほかに、宮澤もいるし、前、荒野、堀米と、このポジションで使える若手も多いのであまり心配しなくていいかも。

それよりも、古田の怪我で不足しているのがサイドアタッカー。開幕スタメンだった神田や、かつては怪物ルーキーだった三上の奮起に期待したい。

財前監督は4ボランチシステムとか、何か新しいことをやろうとしているようなのだけれど、選手がそれについてこれずに、結果的に石崎的布陣でしか実力を発揮できていない雰囲気。結果的に、財前システムの完成形は未だ見えず……。

 

 


[SF] 言語都市

2013-04-13 15:34:21 | SF

『言語都市』 チャイナ・ミエヴィル (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)


最近話題のSF作家といえば、バチガルピと並んで名前が挙がるのがチャイナ・ミエヴィルだろう。ミエヴィルの場合、SF作家と呼んでいいのか、その範疇に収まるのかという議論はあるにしても、これはミエヴィルが書いた紛れもない言語SF。

銀河の果てで孤立気味の植民惑星を舞台に、生命工学を操る原住知性体の持つ言語の変化と崩壊、再生を描いた作品。

彼らは“真実”しか話すことはできず、しかも話者としての意識が必要であり、合成音声での発話を“聴く”ことができなかった。

しかし、人類との交流の中で、彼らは“嘘”を知り、麻薬的効果を与える発声方法を知った。音声的麻薬によって崩壊していく原住民社会。それに伴い、社会インフラを彼らに依存する人類の移住地も風前の灯となる。

主人公の夫である外世界の言語学者は、彼ら原住民の秘密に早々に気付き、彼らを救おうとするが、それは社会を不安に陥れることでしかなかった。原住民たちは、予想を超える強さにより、言語的進化を遂げる。

 

嘘を使えないとは、すなわち隠喩を使うことができず、すべての表現は直喩であり、彼らは直喩を使うためにその対象物を作り出すことまでする。

隠喩を使えない世界というのは不思議な世界だ。そこには、寓意も無くフィクションすらない。

我々は真実を語るために嘘をつく。

この一見矛盾する概念は非常に衝撃的な分析だ。言われてみればその通りなのだが、まったく考えつきもしなかった。このあたりの斬新な視点の導入が、SFファンを熱狂させるミエヴィルの魅力なのだと思う。

また、麻薬的な発声というのもおもしろい。寓話的に言うならば、それはセイレーンの呼び声や、ハーメルンの笛吹き男か。いやもしかして、初音ミク? ある種の声優の声も、ある種の人々にとっては麻薬的だったりして。

それはちょっと横道だけれども、嘘という文化による言語の崩壊と再生。さらに、フィクションの始まりという壮大な物語。

言語とは何かということを、深く考えるきっかけになりそうな言語SFだった。