神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] 人造救世主

2012-01-31 09:40:21 | SF
『人造救世主』 小林泰三 (角川ホラー文庫)




歴史上の偉人の遺伝子に、ナザレのイエスの遺伝子を付加する。これによって生まれたクローンは超常能力を発揮する超戦士となるのだ!

由緒正しいクローンでありながら能力が発現しない少年ヴォルフは組織を逃げ出し、彼らの世界征服を阻止するために戦い始めた。生身の体のまま、英雄となることを目指して……。

仮面ライダーか、デビルマンか、はたまた怪傑ズバットかという設定の元、遺伝子がすべてを決めるのではない、生き方が人間の価値を決めるのだというメッセージが、すがすがしいまでに前面に押し出されている。

クローンは本人ではないし、偉人のクローンが必ずしも偉人になるわけではない。逆に、悪人のクローンが必ずしも悪人になるわけでもない。生まれが重要なのではなく、どう生きるのかということがすべて。クローンは本人ではない。そしてもちろん、子供は親ではない。クローンに対する、よくある世間の誤解を逆手に取り、親子関係に悩む少年少女たちへ向けた意識改革のための一冊。

カバーもアニメ風イラストでラノベを意識しているような作りで、いかにも青少年向きの青臭くもさわやかな作品かと思いきや……。しかし、そこは意地悪作家の小林泰三。いたいけな若年読者をスカトロでスプラッタな阿鼻叫喚の世界へと引きずり込んでしまう(笑)

とにかく、痛みと臭いが文面からイヤなくらいに伝わってくる。自分の腹に手を突っ込むとか、体中の骨を一本ずつ折っていくとか、腸が破けて糞尿の臭いとか、死体から焼肉の臭いとか、もうやめてって感じ。

しかし、敵も味方もキャラがわりとすっとぼけた天然系のせいか、悲惨さとか悍ましさとかはそんなに激しく感じない。そのあたりの不思議なバランスが意地悪さ全開の小林ワールド。見たくない、見たくないと思いながらも、最後まで見てしまうグロ注意作品。



1月29日(日)のつぶやき

2012-01-30 03:37:19 | つぶやき
18:44 from Tween
うーむ。無事ナバルデウスを倒したらしいのだが、なんだか意味不明で達成感が無いぞ。片角しか折れてないし。しかもはぎとり忘れたし!

18:52 from Tween
これでやっと上位になったわけだが、2Gの頃から比べてうまくなった気が全くしない。成長しない狩人です。

19:59 from gooBlog production
[SF] アバタールチューナー goo.gl/aHnnu

20:15 from gooBlog production
[SF] ゴースタイズ・ゲート goo.gl/1APkz

20:36 from gooBlog production
[SF] スワロウテイル/幼形成熟の終わり blog.goo.ne.jp/kats-takami/e/…

21:23 from gooBlog production
[SF] ルナ・ゲートの彼方 blog.goo.ne.jp/kats-takami/e/…

21:30 from Tween
ふう。感想書きつかれた。狩に戻ろう。

by kats_takami on Twitter

[SF] ルナ・ゲートの彼方

2012-01-29 21:18:45 | SF
『ルナ・ゲートの彼方』 ロバート・A・ハインライン (創元SF文庫)





大森望氏推薦――「こんなのあり? 衝撃の結末に茫然自失。だまされたと思って読んでください」

今さらながら、書店でそんなポップを見たので買ってきた。

ハインラインの本はタイトルが変わったり、少年少女向け翻案版があったりで、読んだんだか読んでないんだかわからないのだけれど、そんなに衝撃的なラストな小説ってあったっけ?

で、読み終わったのだけれど、そんなに衝撃的じゃなかった。

転移ゲートの向こうへサバイバル課程の卒業試験を受けに行く学生たち。行先不明の惑星へ3分間隔で一人ずつ出発するというシーンのシチュエーションが、高見広春の『バトルロワイヤル』そっくりで笑ってしまう。ゲートの向こうで装備を奪うための待ち伏せとか、サバイバルしすぎ。

そして、このゲートが開かなくなって、少年少女のサバイバルが始まるのだが、これは完全に『十五少年漂流記』。そして、友情あり、ボーイ・ミーツ・ガールあり、権力闘争あり、コミュニティの崩壊と再生があり、ファーストコンタクト(未遂)までくっついて、波瀾万丈なサバイバル生活が続く。これが本当に目が離せず、読み始めたら止まらない。

このあたりはハインラインの面目躍如。大人向けだと強いアメリカ思想が鼻につくことが多いのだが、ジュブナイルとして少年の成長を描く物語にはこのぐらいでちょうどいい。ライバルは本当にイラつく奴だし、寓意として彼が象徴するものが本当にイラつくというのも理解できる。女の子も勇ましくて賢くてかわいくて魅力的だ。

そして遂にゲートが開き、少年たちが文明社会に戻るとき、鬱になるような衝撃の結末ってことなのだが……。個人的にはさもありなんというか、予想の範囲内。

この小説のモチーフは、あの駄作映画と言われる『十五少女漂流記』と一緒なのではないかと思う。あのラストシーンで奥山佳恵が東京の街中で遠吠えするシーン。あれと全く同じ臭いがする。というか、あの映画の記憶があったから、まったく衝撃を受けなかったのかもしれない。

結局、最後に主人公は夢をかなえて宇宙へ旅立つわけなので、決して青春叩き潰しストーリーというわけではなく、成長ストーリーの中のスパイスといった程度。この結末だけを強調するのは止めた方がいいんじゃないかと思う。

ところで、アメリカにはサバイバリストと呼ばれる人たちがいて、大災害やら文明崩壊やらでも生き残れるように、準備や訓練を怠らないのだという。そういう文化的背景があるためか、ハインラインをはじめ、ニーヴンやブリンもサバイバリストのような人々が活躍する小説を書いている。これもそのうちの一つなのだろうが、この手の小説を読むたびに、「生き残るための方法はすべてSFで学んだ」とでも言いたくなるのである。


[SF] スワロウテイル/幼形成熟の終わり

2012-01-29 20:34:18 | SF
『スワロウテイル/幼形成熟の終わり』 籘真千歳 (ハヤカワ文庫 JA)





読んだ本の感想はできるだけブログに書こうと思っている。しかし、どういうわけか、なかなか感想が書けずに放置されたままになっている本もある。これもそのひとつだった。

読書メーターの履歴によると、この本を読んだのは10月だから、もう3か月放ったらかし。それ以来、感想記録待ちでずっと枕元に置いてある。

おもしろくなかったわけではなく、なんというか、感想が書きずらい。あらすじの紹介をせずに感想を書く難しさというのは、特にSFとかファンタジーとか突飛な物語の場合だと珍しくもないのだが。

SFネタも時事ネタも萌えネタもカオスなくらいにてんこ盛りで、なおかつ反則級のどんでん返しが待っている。なんだかすごいものを読んだなと思う割に、何がすごかったのかということとまとめようとすると、なかなか言語化できない。ひとつひとつのネタを取り上げるとネタばれになるし、分量が多くなりすぎる。

100人の村。オメラスから歩み去る人々。
揚羽が追う“動く死体”(リビング・デッド)事件。
陽平が追う“顔剥ぎ”(フェイス・オフ)事件。
楓子の元を訪れた“旅の犬”。
鏡子の過去、陽平の過去。
帰ってきた男。帰還したAI。

それらが複雑に絡み合いながら、ひとつの悲しい結末へと収束していく。

そこここに時事ネタやネットでよく見るような議論が織り込まれ、近未来を描きながらも現在の写し鏡として舞台装置が機能している。種のアポトーシスですら、現在を描く延長線上に感じられる。

しかし、これらの議論が非常に青臭い。おじさんが読むには眩しいくらいに青臭い。ちょっと中二病気味で萌えで燃えな濃いキャラクターたちと共に、この青臭さがこの物語の魅力になっている。

内容についてはあまり突っ込むところも無いのだが、ライトノベルを主戦場とする作家がハヤカワ文庫に書くことについてもいろいろ考えさせられた。

まとまった感想というよりはキーワードの羅列で終わってしまうが、もう記憶も薄れつつあるので、こんなところで。


[SF] ゴースタイズ・ゲート

2012-01-29 20:12:52 | SF
『ゴースタイズ・ゲート 「イナイイナイの左腕」事件』 中井拓志 (角川ホラー文庫)





SFとホラーは親和性が高いのは周知の通り。一方で、SFとオカルト・ホラーは決して相容れない。言いすぎかもしれないが、真実だと考えている。ここで、ただのホラーではなく、オカルトというのがミソ。

何か不思議な現象が起こった時に、それを科学的に解明しようとして、
 現代科学の常識の範囲に収まり、「なんだそんなことか!」で終わるのがミステリ。
 現代科学の常識の延長線の彼方で「え、そんなことが!」で終わるのがSF。
 現代科学では解明できないものがそのまま説明されずに終わるのがオカルト。
自分はこんな風に考えている。

当然、SFの皮をかぶったオカルトも、オカルトの振りをしたSFも存在する。

前者で割とよく例に挙げられるのが瀬名秀明の『パラサイト・イヴ』だったりする。日本SF作家クラブ会長にまでなった今、本人がどう思っているかわかりませんが。

で、本書は後者、オカルトの振りをしたSFだ。と、はっきり言い切れればよかったのだけれど、最後まで読んだらいまいちSFになり切れていないか。

心霊現象が本当に存在していたらというIFを元にし、もし存在するのであれば、それはいったいどのような原因で、どのようなプロセスで発現するのかということを、特に脳科学の立場から解明しようとする。

憑依された少女の脳波を解析し、何が起こっているのかを推測しようとするその科学的アプローチはなかなか面白かった。

しかし、結局のところ、本人の好みなのか、角川ホラー文庫というレーベルの方針なのか、最終的には怪談よりの結末を迎えてしまう。

しかし、ラストに出てくる未解明資料保管庫は、「科学で解明できないもの」の保管庫では無く、「既存の科学知識では鑑定不能」と判断された資料の保管庫であるという説明が著者の科学に対する想いを表しているようで、好感が持てる。“既存の”があるのとないのとでは大違いだ。そこに、将来の科学では鑑定できるはずという前向きな科学への信頼感を見ることができる。

episode1とepisode2の収録で、主人公の女性警察官と霊媒少女の過去の未解決の因縁などもあり、とりあえず続くようだ。今後、オカルトとSFの狭間でどっちの方向に振れていくのかが興味深い。



そして、この本を読み終わってから数日後、フジテレビの『サイエンスミステリー』を見て驚いた。この番組で紹介された“半側空間無視”って、イナイイナイの左腕の元ネタではないか。この無理やりな設定の脳異常は実在したのか。いや、これはびっくりだわ。どう考えたってオカルトネタじゃん。

やっぱり、この小説はオカルトの皮をかぶったSFだし、中井拓志はSF書きだったのだ!


[SF] アバタールチューナー

2012-01-29 19:56:12 | SF
『アバタールチューナー Ⅰ~Ⅴ』 五代ゆう (ハヤカワ文庫 JA)





なんだか評判が良いようだったので、5冊シリーズだったけれど、まとめて買ってみた。読み終わった感想は、ちょっと微妙。

確かに、序盤での想像の斜め上を行くスプラッタぶりや、3巻での大転換は凄いのだけれど、いまいち乗り切れなかった感じ。

だいたいが、ゲームのノベライズは苦手かもしれない。何しろ、伊藤計劃の『メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット』
ですらいまいちな感想だったからな。

おそらく、そのゲームをやっているかやっていないか、やっていたとしても思い入れがあるかないかで、感想も相当変わってくるのではないかと思う。

ちなみに、自分はこのゲーム未プレイ。女神転生シリーズはまったくやったことがない。

もちろん、未プレイの人で面白いと言っている人はいっぱいいるんだけれど。そうでなかったら読まないし。

ゲームの場合、ゲーム性やビジュアル性を優先させるために、割りと無理矢理な設定が多いような気がする。この作品が原案になったゲーム『デジタル・デビル・サーガ アバタール・チューナー』も、戦うためだけに作られたステージ設定、敵キャラ設定が目立つようだ。

五代ゆうはそのあたりの無理矢理な設定を現実化するためにかなり気を配っているように見えるが、やはり書きたいシーンありきのビジュアル先行型に見える。

例えば、結晶化した脳味噌が転がるシーンは美しさの面でも、それが意味するおぞましさも印象深いのだけれど、そもそも身体全体が結晶化するのだからCPUとして脳味噌だけ使用する意味がわからないし、そもそも結晶化した後で脳味噌だけ取り出せるものなのかがわからない。

“神が降ってくる”という表現も、無茶苦茶イメージを喚起するマジックワードではあるけれど、その表現として、どうして空の色が変わるのかとか、いろいろ訳がわからない。その説明不足、必然性不足が、ビジュアル先行に思えてしまう部分なんだろう。

そうした細かいことにこだわるのは良くないとは思うのだけれど、気づいてしまったものは仕方が無いし、そういう部分で引っかかりが多いとどうしても乗り切れないものだ。

これらの矛盾を一気に解決する解釈というのはある。それは、3巻の世界も含めて多重仮想世界だというものだ。つまり、主人公たち
の現実世界すら、ゲームの中の仮想世界と考えればよい。

実はそういう結末なのかとも思ったのだけれど、さすがにそうではなかったようだ。もう最近は、「実は仮想世界だった!」は、「実は夢だった!」と同じレベルのオチになりつつあるしな。


1月28日(土)のつぶやき

2012-01-29 03:40:30 | つぶやき
07:45 from Tween
富士山ですか?

07:46 from Tween
寒いと思ったら、エアコンが冷房になってた!

13:17 from Tween
PS2を久しぶりに起動したら色がおかしいうえに、ディスクが回転しない。ああ、うちのDVDプレイヤーが!パソコンにHDMIついてるっぽいあら、こっちでいいいか。

22:55 from Tween
半側空間無視って本物だったのか! ちょっと無理やり過ぎだろうと思ってたのに。『イナイイナイの左腕』の元ネタ。

by kats_takami on Twitter

1月25日(水)のつぶやき

2012-01-26 03:48:41 | つぶやき
20:28 from Tween
指先から電撃を発する超能力が発動した!

20:31 from Tween
なるほど、ジュニーニョの件把握。それで名前が出てたのか。まさかのジュニーニョ違いw

20:35 from Tween
松尾選手は契約解除とのことなので、一応赤黒の戦士としてクラブ史には残るんだろうか。ネタにしていいのかどうかよくわかりませんが。

by kats_takami on Twitter

1月23日(月)のつぶやき

2012-01-24 03:14:28 | つぶやき
20:49 from Tween
雪、想像以上にすごい。すでに歩道はシャーベット状になりつつある。

21:01 from 読書メーター
【人造救世主   ギニー・ピッグス   (角川ホラー文庫)/小林 泰三】過去の話が泣かせる。33番カワイソス。生身で超人と戦う天然少女もワロス。 →bit.ly/A07q94 #bookmeter

21:08 from 読書メーター
【人造救世主 アドルフ・クローン (角川ホラー文庫)/小林 泰三】なんだか完結編のカタルシスがなくって、第2期に続く雰囲気。人生は遺伝子が決めるものではないというメッセージを強く感じる。青少年にオス... →bit.ly/AeYl9e #bookmeter

by kats_takami on Twitter

1月22日(日)のつぶやき

2012-01-23 03:15:27 | つぶやき
12:05 from twicca
ほう! 西嶋、上里に続いてジオゴも徳島とな!

12:07 from twicca
昼ご飯、クリームコロッケカレー。初めて食べたけど、この相性はちょっと微妙。昼誤算。

18:13 from twicca
北大SF研出身としては、東北大SF研か羨ましすぎる。

18:18 from twicca
俺が生き残る手段はすべてSFから学んだ。小学校からSFを必修科目にすべき。そうすれば、科学的考え方と想像力のない阿呆は減ると思う。

18:20 from twicca
まぁ、『天使墜落』とかを願望充足小説とか言ってる間は望みがないな。この一年、あれが冗談で済まないことをいろいろ思い知らされた。

19:00 from Tween
4pintって2Lくらい? 500mlなのか474mlなのかよくわかfりませんが。とりあえず飲み過ぎだ。

19:01 from Tween
あぁ、tweetまでよれてる。

by kats_takami on Twitter