神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[コンサ] 2012 J1 第30節 FC東京 vs コンサドーレ札幌

2012-10-27 23:59:59 | コンサ

2012年 J1 第30節 FC東京 5-0 コンサドーレ札幌 @味の素スタジアム

浦和戦、鹿島戦といい感じの試合が続き、もしかしたら今日も……という期待と共に迎えた関東最終戦。

お馴染み味の素スタジアムのアウェイ並びは、なんだかいつもより少ないような……。やっぱり、降格が決まった後の消化試合なのでってことなんでしょうか。それでも、試合開始前にはアウェイゴール裏も隙間なく増えてきた。やっぱり、さすがの味の素スタジアム。

ピッチ練習後は久し振りに岡山劇場も開幕。盛り上げ役ご苦労様ということだが、本職のCBなのにベンチというのはどうなんだ。3バックがすべて本職外。まさにボランチだらけのディフェンス陣。怪我に出場停止に年代別代表にと、相変わらず選手がそろわない中で、先発に起用されないいらない子扱いではないか。

攻撃では、この日は久しぶりにハモンと大島が先発。しかし、これが大誤算の始まり。大島はボールを受ける動きが悪いし、ハモンは下がり過ぎ。今のこの二人なら、ジオゴの方が良かったんじゃないかというくらいのダメっぷり。二人とも、初登場の時は輝いてたように見えるんだけど、なぜ劣化していくように見えるのか。相手のスカウティングのせいなのか、本当に劣化しているのか。

石崎式ワントップは、攻守の要がトップに入る選手にかかってしまうので、この位置の選手の出来が悪いと、本当に形にならない。

浦和戦、鹿島戦は、DFの選手までが前線のプレスに来るぐらいだったのに、前線の選手の動きが悪いために流動性が全くなくなって、動脈硬化を起こしたようにチーム全体の動きがぱったりと止まってしまった。

これが石崎戦術の限界というべきか。結局、この4年間、トップの選手には恵まれなかったよね。石崎戦術にマッチするFWってジオゴくらいじゃなかったのか。正直言って、怪我が無くゴン中山が試合に出られてもあんまり変わらなかったような気がするし。

それでも、前半はなんとか1失点に抑えたものの、後半はFC東京のカウンター気味の攻めにスコスコとやられて、結局は5-0の大敗。また元に戻ってしまったか。

カウンターで惜しいシーンが何度かあったし、終了間際にはドフリーな岩沼の前にボールがこぼれてきたのだけれど、これを吹かして全員ずっこけ。

試合終了後の挨拶でも、選手も棒立ち。なんというか、罵声と激励の声の中で退場のタイミングを見失ったような妙な雰囲気。

さらには、コールリーダーの最後の締めの最中にMMPが指笛とブーイング。それに、これまで静かに耐えてきたコールリーダーのyasuくんもブチ切れ。おそらく、一番情けなくて悔しい思いをしてきたことが一気に噴き出したんじゃないか。一触即発というか、完全にやばい雰囲気の中、なんとか暴力沙汰にはならなくて済んだのは幸い。

しかし、MMPはどうにかならんのか。試合中も指笛がうるさすぎるし、悪名高いクネクネ旗は本当に邪魔。あいつら応援したいんじゃなくって自己顕示欲が強いだけだろ。応援している自分に酔っているナルシズム。そして、チームが負けると、思い通りにならない子供のように癇癪を起す。

サポチームとしても長いんだから、それなりに年長のメンバーもいるんだろうと思うけれど、自浄作用がきかないと本当に出入り禁止になるぞ。

 

そんなわけで、脱力感満載の試合終了後は試合終了後は関東後援会宴会@新宿。

ヘパリーゼプラスとか、「はたらけはたらけタカヤ」な伝説の男、高谷さんとか、脱ぎたがる若者とか。

チーム発足当時からのサポーターから、学連関東支部の学生まで、とりあえずみんなで飲んでフラストレーションを発散しました。

好きですサッポロ。どんなことになっても、コンサドーレ札幌は消しません。俺たちの場所は消させません。

 

 


[SF] スワロウテイル序章/人工処女受胎

2012-10-22 20:55:43 | SF

『スワロウテイル序章/人工処女受胎』 籘真千歳 (ハヤカワ文庫 JA)

 

性感染症を封じ込めるため男だけが住む社会を舞台に、美少女型アンドロイドが闇に隠された謎と戦うシリーズの前日譚。

いきなり包帯だらけの病室シーンから始まるので、時系列が混乱してしまった。前日譚とはいえ、すでに揚羽がBRUEとして戦いを始めた後の話。これって、さらに前日譚があったような気が……。


隔離された都市の隔離された学園を舞台にしたセカイ系と見せかけ、意識とは何かというところまで踏み込む、実はかなりコアなSF。ちょっと論理展開に飛躍があり過ぎてついていけない部分もあるが、ラノベ的なイメージ先行の割に、SF設定も深く考えられているっぽいギャップがおもしろい。

ラノベ系の装丁と展開に騙されてはいけない。言ってみれば、これはアシモフのロボット物のラノベ的変奏曲である。

アシモフの3原則に加え、第4原則と第5原則を勝手に加えているが、これがどう考えてもラノベ的で無理やりな設定。しかし、これが人工知性の自意識発生の源ということは、ある意味納得ができる。つまり、意識の発生には、工学的な必然性を越えた物語が必要ということなのだろう。

そして、ラノベ的な萌えと厨二病的な燃えを取り去った後に残るのは、全く持ってアシモフ的な、ロボット3原則、そしてロボット5原則が開発者の意図を越えて働き始めるミステリーである。

前2作の本編で描かれる人工知性の反乱も、アシモフ的文脈で読み解くと、行動原理が分かりやすくなる。物語の中で、アシモフが預言者扱いされてしまうあたりも、もっともな話だ。このあたりの展開はオールドSFファンには興味深かった。

しかし、そんな話はオールドファンをくすぐるための付け足しに過ぎず、やはり少女アンドロイドたちのコメディチックな学園生活と、その裏に隠された少女アンドロイドを巡る陰謀が主題。揚羽を襲う過酷な運命に涙しろ。生き急ぐ雪柳の悲劇に涙しろ。


前作に続いて、読み終わってから感想をアップするまで時間がかかってしまった。それだけ消化不良を起こしつつも、無下に切り捨てられない魅力が、この物語には秘められている。

〈スワロウテイル・シリーズ〉もこれで3作目。文章もだんだんこなれてきたのか、それとも俺がこの文体に慣れてきたのか。なんだかだんだん、この世界に嵌って来た気がする。

 

 


[コンサ] 2012 J1 第29節 札幌 vs 鹿島

2012-10-21 23:29:19 | コンサ

2012年 J1 第29節 コンサドーレ札幌 0-0 鹿島アントラーズ @FootNik中野


前節の浦和に続いて、強豪の鹿島が相手。

鹿島といえば、前回の対戦では7-0のいわゆる炭鉱スコアでの大敗。札幌の選手は全員炭鉱送りに……なることはなかったが、思えばそこからが大敗続きの始まりになってしまったのだった。

この日は今年最後の厚別。倍返しとは考えづらいが、せめて半分の3失点ぐらいまでには押さえたいところ(弱気)


久し振りにFootNikでも行こうかとホームページを見てみたら、なんと中野に3号店ができていた。これは偵察に行かねばと出撃。

様変わりした中野駅北口からエスカレータに乗って、徒歩5分。中野区役所の裏にできた新しいビルの1階にFootNik発見。辿り着いたときは清水-神戸戦の放送中だったが、うるさい浦和サポが帰った直後だったのか、意外に席は空いていて、鹿サポ席前にベストポジションを獲得。ロンドンプライドを舐めながら試合開始を待つ。

今回初めてマーフィーズの生も飲んだ。ギネスよりも苦みが薄く、軽い感じ。スタウト版のキルケニーみたいなものですね。ビール嫌いの人もこれならおいしく飲めそう。

人数的には札幌サポは我々のほかには見当たらず。鹿サポは10数人くらいでした。まだ浸透していないのか、みなさん恵比寿だったんですかね。

中野は、うちからだと、大崎や恵比寿よりも断然行きやすいので、出撃の機会が増えそう。

 


さて試合ですが、やっぱり鹿島はうまい。個人個人の技量を比べれば、圧倒的に分が悪い。しかし、札幌の選手も集中力を持ってしっかりと守り切った。

奈良が出場停止の中、CBに入った河合を中心に、ボールを回されても最後のラインは越えさせない感じ。

しかし、その河合がスライディングしたときにボールが肘に当たったということでハンドを取られ、PK。いやそれ、当たってないし、当たってもPK取るプレーじゃないだろう。まったく、審判に恵まれないことが多すぎる。

ところが、このPKを高原がスーパーセーブ。さすが、守護神。いや、守護守。試合後のインタビューでは、「データが生きたと思うので、8割くらいは赤池コーチのおかげだと思っている。」(J's GOAL)なんてことを言ってる。ほんとかよ。

そしてさらに札幌の受難は続く。今度は櫛引がなんて言うことは無い接触プレーで2枚目のイエローカードを受けて退場。これには後ろの席の鹿サポも主審がおかしいと騒ぎ出す。

そんなハンデがありながらも、なんとか0-0で試合終了。

後半からの冷たい雨の中、選手もサポもお疲れ様でした。審判はビデオ見直して反省しろ。

しかし、この試合でなんと最下位が確定したらしい。別にどうでもいいですね。


高原のスーパーセーブ。河合の執念のスライディング。そしてさらに、岩沼vs大伍のバチバチ同期対決と、見どころの多い試合だった。それに加えて、めったに飲めないエールの生が旨いとあって、引き分けでも大満足な観戦だった。

 


[SF] 機龍警察 自爆条項

2012-10-20 13:43:42 | SF

『機龍警察 自爆条項(上・下)』 月村了衛 (ハヤカワ文庫 JA)

 

 

機動ロボットが警察に採用された近未来で繰り広げられる警察内や省庁の縄張り争いと、対テロリスト騒動とくれば、パトレイバーの二番煎じと言われてしまうのも仕方がないが、これはさらに闇が深い。

警察、公務員という枠を超えた機龍パイロットの存在を強く印象付けるのが、サブタイトルにもある“自爆条項”だ。

愛国心だの、使命感だのではなく、プロフェッショナルとしての機龍パイロットの冷徹さと厳しさを示す自爆条項は、さらにその上の秘密の条項をも導き出す。


今回の物語は、機龍パイロット、ライザの過去から立ち上る悪夢だ。ライザのたどってきた道、そして、犯してきた罪の大きさと強い後悔の念が、読んでいるだけで重苦しくのしかかってくる。

ライザは原罪のように巨大な罪を抱え、その原点と対峙する。

死ななくてもいい人々が死に、憎悪をまき散らす。テロリズムの汚さと欺瞞が、〈詩人〉という存在とともに明らかになっていく。

そして、その過去に再び飲み込まれようとするライザを引き留めたものはなんだったのか。

おそらく、自分がライザのような罪を抱えてしまえば、生きていることなどできないだろう。

ミリーとの経験が、最後の戦いで伏線となることもまた、悲しみを倍増させる演出だと思った。

そして、警察という組織の中でつまはじきにされてしまった二人の刑事が報われる瞬間と、さらなる悲劇。

ああ、運命はかくも非情なものか。

機龍の存在が添えものとなってしまうほどの、非情なる物語に押しつぶされそうになる気持ちだ。

冷たく激しい『鉄路』と、暖かく優しい『車窓』の対比。ここから、緑とライザの結びつきが生まれることを望む。そしてそれが、ライザを人間として引き留める絆になることを望む。

 


[SF] シップブレイカー

2012-10-20 13:35:51 | SF

『シップブレイカー』 パオロ・バチガルピ (ハヤカワ文庫 SF)




なんと、パオロ・バチガルピのヤングアダルト小説。

舞台は『ねじまき少女』や『第6ポンプ』と同様の、エネルギー枯渇によって人類が滅びに向かっていく近未来。

過去の遺物である石油タンカーを解体しながら生計を立てている村で、シップブレイカーの少年と、難破した大富豪の娘が出会い、大冒険を繰り広げる。

YAだけあって、ボーイ・ミーツ・ガールと、少年の成長が、非常に読みやすく、しかし、スリリングに描かれる。

そして、メッセージ性のあるテーマもわかりやすい。それはつまり、格差の固定と差別の問題。

少年と少女の住むべき世界の違い。半人と呼ばれる人造人間が文字通り奴隷として機能する社会。

主人公のネイラーが身分社会をまさにブレイクしようとするとき、すでに奴隷の軛を逃れている謎の半人トゥールが、社会の不自然さを考えさせる鍵となる。

“わかりやすさ”は“わざとらしさ”につながり、類型的なストーリーになってしまっているかもしれない。明確なハッピーエンドで終わるというのもバチガルピとしては珍しい。このあたりはさすがにYAという感じ。

バチガルピ的で陰鬱な未来と、YAとしての明るい未来がギリギリのラインで均衡を保っている辺りに著者の苦労が見える。

実は、編集者がNGにしたネタや、実現しなかった結末があったりしそうな気がする。そして、そっちの方が絶対に面白そうだ。

 

 

 


[コンサ] 2012 J1 第28節 浦和 vs 札幌

2012-10-16 00:04:25 | コンサ

2012年 J1 第28節 浦和レッズ 1-2 コンサドーレ札幌 @埼玉スタジアム2002


J2降格決定後の試合。

選手たちひとりひとりはいったい何をテーマに戦うのかを見に行った。さらに、サポーターとして、なんのために応援するのかを自問自答するために見に行った。

この日、実は前日にワインを飲み過ぎて、二日酔いが抜けておらず、完全にヘロヘロだった。正直なところ、お休みでもよかったようなものだが、いやー、現地に行って本当に良かった。


試合開始直前にコンコースでサポ集会。いつもとはかなり雰囲気が違い、撮影禁止の通達。

コールリーダーから、前の試合終了後に降格に気付いていなかったことの謝罪に始まり、何のために応援するのか、チームを愛する気持ちを示そうとのお話。

真剣なんだ、ヘラヘラしてる場合じゃないんだ。そういう気持ちだけは伝わってきたけれど、なんとなく取り留めのない話で終わった。

実は、集会前に、柱にもたれてひとりでしゃがんで黄昏ていた彼の姿も見ているので、なんというか、やるせない気分になった。そんなに背負い込まなくてもいいのに。


そして試合開始。

浦和の応援はすごいね、やっぱり。この日も3万人のサポが歌う。負けじとコンササポも歌うけれど、数の差は如何ともし難い。

前半はさすがのボール回しに翻弄されるも、マルシオ・リシャルデスが外しまくってなんとか0-0に抑える。

目立ったのは3バックの中央で先発した宮澤と、右サイドで先発した前。前は本当に良かった。身体も一回り大きくなった感じで、相手選手に当たり負けせず、返って柏木を吹っ飛ばしたりしていた。そして、宮澤のスイーパーっぷりも随分と板についてきた。状況判断と位置取りはなかなか素質があると思う。しかし、宮澤をこの位置に使うというのは、やはり札幌の台所事情の苦しさを物語っている。なんとか宮澤を攻撃に使っていけないものか。

そして、河合や山本が、時には宮澤さえもFWを追い越すようなチェイシングを見せていたことは印象的だった。こんな感じで前からプレスをかける試合は久しぶりだったかもしれない。

シーズン序盤の勝ち無しの頃から、精神的な弱さ、自信の無さが指摘されていたのだけれど、降格が決まって、やっと吹っ切れたのか。あるいは、石崎監督指示の戦術変更なのか。外人助っ人を外して、がんばれる選手だけで行こうと思ったという監督談話からすると、後者だったのかもしれない。っつーか、最初からやれ(笑)

そして後半。

河合からの縦パスを古田がうまくトラップして、反転してのシュートを決めた。これはすごいプレーだった。本当に気持ちのいいファインゴール。

さらに、カウンターで古田が追加点。槙野がスライディングして防ごうとしたボールが古田の身体に当たってゴール前にこぼれるというラッキーなシーンではあったが、これも落ち着いて決めた。

これまで、ハモンからのスルーパスでゴール前一対一になりながらもシュートを外すというシーンが多かったが、この試合では2本も落ち着いて決めることができた。これは古田の成長と言っていいだろう。本当はもう一本か二本、決定的なチャンスがあったんだけどね。

一方の浦和は、原口もリシャルデスも外し過ぎ。さらに、高原のファインセーブもあって、なんとかしのぐ。

終了間際に梅に1点返され、ロスタイム突入。祈るような気持ちで歌い続ける中、終了のホイッスル。

静まり返る3万人のスタジアムに、We are Sapporoコールが響き渡る爽快感。本当に遅ればせながらのアウェイ初勝利。そして、カルナバルの始まり。

今年一番のゲームだったかもしれないね。本当に見に行って良かった。降格なんて関係ない。俺たちはこのチームを愛している。負ければ悔しい。そして、勝てばうれしい。勝ち試合がこんなにうれしいとは、長らく忘れていた。


しかし、試合終了後に「すすきのへ行こう」は無し。そして、なんかサポ同士揉めてた?

すすきのへ行こうなんんて浮かれてる場合じゃないというならば、チームへの愛を示せというならば、ここはやっぱり「好きですサッポロ」のチャントを復活させるべきだろう。今では関東後援会宴会の締めに歌われるだけの歌になってしまったけれど、チーム愛を示すためにはうってつけの曲だと思うんだけれど。どうでしょう、USさん。

 

 


[映画] 天地明察

2012-10-15 22:47:20 | 映画

天地明察 - goo 映画

(C)2012『天地明察』製作委員会

 

こちらは、久し振りに時間が空いたので映画でも……と言われて、グループで観に行った。

冲方丁のベストセラーを原作とした時代映画。江戸時代に日本で最初の「日本の暦」を作った渋川春海の挫折と成果を描いた作品。

前日にまどか☆マギカなんてものを見たので、映画としては静かで、正直言って退屈な感じだった。盛り上がりに欠けるというか、なんというか。

北極出地のエピソードや、水戸光圀との関係など、場面場面では面白い部分もあったりしたのだけれど、全体的にはどうにも。

それではどうだったらよかったのかというのはよくわからないけれど。

渋川春海を主人公にしたドキュメンタリーでもよかったんじゃないかと思ってしまったので、ドラマ性の部分に心を惹かれなかったのかなとか。要するに、ドラマ部分が史実に負けているような感じ。それって脚本としては致命的なんじゃないか。冲方丁の原作って、こんなに退屈だったっけ?

映画の最後に、「史実とは異なる点があります」との表示があり、何が史実では無かったら一番興醒めかと言ったら、やっぱり同日に亡くなったというくだりだろう。あれが史実でなければ詐欺レベル(笑)

あと、武藤ちゃんが、膝悪いのに力持ちの役で頑張ってました。

 

 


[映画] 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ

2012-10-15 22:31:29 | 映画

 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語 - goo 映画

(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Partners・MBS

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編]永遠の物語 - goo 映画

(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Partners・MBS

 

後編の公開初日に、前篇からハシゴで見に行ってきた。合計4時間。濃密な時間だった。

ストーリーはTV版と変更なし。演出も目立った変化はなく、新カット追加だけですかね。

自分は画像系(?)な人ではないので、そのあたりの変更とか、天使の羽根の演出とかは、2chなり、まとめサイトなりに譲りたい。

TVで見てから、ほとんど見直してないので、実質2回目の視聴になるわけなのだが、やっぱりほむらの表情、とりわけ、一瞬上を向いて涙をこらえるシーンが心に響く。真相を、結末を知っていると、このあたりは本当につらい。

そういった意味では、TV版そのままでも映画化というのは悪くないんじゃないかと思った。もともと二回見るのが前提というつくりでもないのだろうけれど、これは二回見る価値がある。いや、映画を劇場で二度見ろというつもりは全くないけれど。

作品のテーマや、メッセージについてはネット上でいろいろ議論は見られるけれども希望と絶望とか、他人のために願うとはどういうことかとか、意地の悪sすぎる運命(脚本家)とか……。

いろいろ考えることもあるけれど、そんなことはどうでもいいと思うくらい、少女たちの戦いが報われないことは哀しくて、なんとも言えない。

まどかが神のごとき存在となり、過去から未来のすべての魔女の存在を消し去っても少女たちの戦いは続き、宇宙のエントロピーは増大を続ける。

ひどい現実はちょっとだけましになった。たったそれだけの物語というところがまた悲しくて、俺は涙を流す。

 

なお、来場者プレゼントのフィルムはスポットライトに立つ上条くんでした。



[SF] グイン・サーガ・ワールド 5

2012-10-13 14:06:55 | SF

『グイン・サーガ・ワールド 5』 天狼プロダクション監修 (ハヤカワ文庫 JA)



〈グイン・サーガ〉続編プロジェクトが第2期に突入。なんと、やらないはずの本篇が再開だ!

リンダをさらいに還ってきたイシュトヴァーンを描くパロ篇を五代ゆう、黒死病に揺れるケイロニア篇を宵野ゆめが執筆。

五代ゆうの描くイシュトヴァーンは、ちょっとアクが強すぎるような気がするが、まぁ、こっちが本性か。宵野ゆめは主要人物の描写を微妙に避け(短くし)ているせいか、まったく違和感が無い。宵野ゆめには栗本薫が憑りついているんじゃないだろうか。

図子慧はなぜか外伝ではなくて“トリビュート”。外伝とどこが違うのかいまひとつよくわかりませんが、グイン・サーガをシェアワールド化した作品ということなんでしょうか。しかもなんと、「グイン・サーガ トリビュート・コンテスト」として作品を公募までしてしまうという展開。

ここまでやるとは思っていなかっただけに、ちょっとびっくりした。

しかしながら、最大の問題である、「“豹頭の花嫁”ってだれー?」まで最終的に行き着けるのかどうか、まだまだ不安な感じ。

やっぱり創作ノートの原本を公開してほしいような気が。

 


 

「パロの暗黒」 五代ゆう
イシュトヴァーンの傍若無人っぷりが目立つ上に、マルコがそれを言っちゃおしまいよ的な感慨を漏らすあたりがちょっと違和感。

「サイロンの挽歌」 宵野ゆめ
こちらはグインや主要人物の登場人物が少ないせいで、返って違和感が少なかった。しかし、時系列がいまいちわからずに混乱したり。栗本版本篇との間に『七人の魔導師』があるってことでいいんだっけ。

「タイスのたずね人」 図子慧
本篇との関連は“白い人”くらいだが、世界観は完全にグイン・ワールド。これがトリビュートの意味か。しかし、例題がこれだとハードル高いな。もっとパロディみたいなおかしなものも“トリビュート”ならあってもいいかも。

「現実の軛、夢への飛翔」 八巻大樹
栗本薫が中島梓より先に存在していたとは知らなかった。完全に後付の歴史を信じていたよ。

「いちばん不幸で、いちばん幸福な少女」 今岡清
毎回驚かされることが多いエッセイだけれど、今回の『真夜中の天使』あたりの記述にはなんとなく納得がいった。

「スペードの女王 第二章」 栗本薫
あ、続きあったんだ。でも完結してないんでしょ、これ。解決篇だけ無いとか、勘弁して欲しい。これも誰かに完結させてもらう?

 

 


[SF] SFマガジン2012年11月号

2012-10-13 14:05:18 | SF

『S-Fマガジン 2012年11月号』 (早川書房)

 

特集「日本SFの夏」。

90年代に冬と言われた日本SFの復権。円城塔の芥川賞受賞、宮内悠介の直木賞候補、さらには高野史緒の江戸川乱歩賞受賞、伊藤計劃は海を越えてディック賞特別賞を受賞し、冲方丁は時代小説が映画化と、最近はいろいろと話題にこと欠かないSF界に、ついにハヤカワSFコンテストが帰ってきた。

円城塔×伊藤計劃の『屍者の帝国』は書店で平積み。池袋のジュンク堂では「SFミュージアム」まで開催という勢い。ついに第6世代と言われる作家群も登場し始め、SF界は大転機を迎えようとしているのかもしれない。

これより前の“日本SFの夏”といえば、スターウォーズと宇宙戦艦ヤマトの70年代だったわけで、20年周期で冬と夏を繰り返しているということか。ちょうどひと世代という感じなんでしょうかね。ファッションの流行ともかぶりそうだ。

読者としては、新作を追い掛けるのが精いっぱいのこの状況が良くもあり、悪くもあり。一時期は、出版されたSF作品をすべて(ラノベは除く)を読んでも足りないくらいだったのに、今では地雷臭作品を避けても読み切れずに積読が溜まる一方だ。


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○「ジャララバードの兵士たち」 宮内悠介
 二重写しの世界。貧者の武器としての少女型アンドロイド。復讐をちかう少女型アンドロイド。
 なんというか、背筋が寒くなる思いがする。

○「マルドゥック・スクランブル 手紙」 冲方丁=原作 大今良時=漫画
 マルドゥック・スクランブルを読んでるから泣ける。たぶん、読んでないと、この思いはわからない。

○「星の鎖」 ジェイ・レイク
 同一設定の話が以前にも掲載されているのだけれど、全く記憶になかった。
 機械仕掛けの天体運動なんて壮大なネタを忘れるくらいだから、あんまり……だったんだろうか。
 今回のは、いわゆる“裏庭ロケット”系の話であり、SFファンのツボにはまる。
 しかし、脳内にイメージが描きずらいのは相変わらずか。