神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[コンサ] 2012 J1 第16節 鳥栖 vs 札幌

2012-06-30 23:59:59 | コンサ

2012年 J1 第16節 サガン鳥栖 1-0 コンサドーレ札幌 @スカパー


この日も北国暮らしの選手たちには鬼門の高温高湿度でいきなりヤバい。それでも、試合前からの雨でちょっと気温低下したか。

昨シーズンはJ2で戦った仲。相性が悪いとはいえ、互角の実力とみていた。ところが、J1に上がった今季、この成績の違いはどうしたことか。


序盤はプレスがそこそこ。しかし、奪ったボールを無駄なロングボールで失うことが多い。どういう意図で誰に出しているのかすらわからない。ただ前に蹴っているだけ。

コンサの選手では復帰した古田がいい。自分で持ち込んだり、裏に抜けたり。今日はキャプテンマークを巻いていることもあり、気合が違う。

左サイドの岩沼も安定している。やっぱりSBでは前貴之よりも断然いい。しかし、岩沼が上がっているのにパスが出ない。見えているのは山本くらい。これではただの体力の無駄使いになってしまう。

鳥栖はボールを持ってもビルドアップできないのか、FWへのロングボール中心。上に強くて下に弱いJ2戦法のまま。しかし、鳥栖はJ2戦術でも徹底しているし、ちゃんとボールもつなげられる。

札幌は後半からキリノ、内村、近藤と立て続けにFWを入れ、ペースをつかむものの、やっぱりゴールは奪えず。それどころか、後半ロスタイムにまさかの失点。

入れ替わりで投入された攻撃側にくらべ、交代選手のいなかった守備側に疲労が見えたのは仕方がないとはいえ、あそこで上がってくる選手を誰も見ていないというのはいただけない。


なんというか、へたくそな攻撃型チームと、徹底守備型チームの対戦という、J2でよくみられる展開。そしてもちろん、シュートも枠に飛ばない。まさにJ2でよく見た展開。それでも、しっかり勝ちきるのが鳥栖のサッカー。

J2時代と同じサッカーを続け、それなりの結果を残して迷いの無い鳥栖。J2時代からJ1に通じるサッカーをと構築してきたパスサッカーがまったく通じず、迷い続ける札幌。

それがはっきりと表れた試合だった。

 


[SF] 南極点のピアピア動画

2012-06-30 18:06:51 | SF

『南極点のピアピア動画』 野尻抱介 (ハヤカワ文庫 JA)


 

どう見ても現実のニコニコ動画や、ファミリーマーケットや、津田大介氏が登場する近未来SF小説。というか、パラレルワールド的な現代小説。そしてもちろん、どう見ても初音ミクな小隅レイがすべてのカギとなる。

どう見てもニコ技(ニコニコ技術部)なピア技(ピアピア技術部)を舞台に、ちょっと新しい技術で、とんでもなく馬鹿みたい(褒め言葉的に)なことをやってみようという短編連作。これが、ついには宇宙文明とのファーストコンタクトへとつながっていく。

初音ミクをSFに引っ張り出すのは、SFマガジン2011年8月号でも賛否両論あったわけだけれど、初音ミクは、いわばオープンキャラクターであり、新しい技術のシンボルとしてはうってつけの存在だ。さらには、オリジナルの初音ミクも、金星とランデブーしそこねた「あかつき」に乗っているし、「はやぶさ」ブームも火をつけたのはニコ動の初音ミク動画だったわけだし、ファーストコンタクトの大使として登場するのは必然なのだろう。

“ユートピア”という言葉が出てくるが、ピア技は本当に技術者のユートピアだと思う。ピア技のピアはユートピアのピア(笑)

登場する技術者の嫁が2次元だけじゃなくって、3次元だというところも、ユートピア的かもね、と思ったり。こんな3次元の娘なら、2次元よりもいいでしょ。

柔軟な発想と、リスクを恐れない勇気でとんでもないことをやってしまう、愛すべき馬鹿者どもの話ではあるけれど、現実世界ではここまでうまくいかないだろうなと思ったりもする。

あれだけきれいに、パニクらずにファーストコンタクトをやってみたりするのは勿論、小さな事故すら描かれないのはちょっと不満。逆に言えば、それでこそユートピアということなのかもしれない。

オープンソフトをミッションクリティカルな部分に使って、事故が起こったらどうするんだ、というのが、現状でも大企業の主流な考え方ではないかと思うし、オープンハードにいたっては、さらにリスクは増えるだろう。

事故も起こらず、モンスタークレーマーもいない世界。いいなぁ。

この理想世界を目指して、社会をネットから変えていこうという流れになるのであれば、それはそれですごいことだと思う。

 

 


[SF] ボーンシェイカー

2012-06-30 16:47:30 | SF

『ボーンシェイカー ぜんまい仕掛けの都市』 シェリー・プリースト (ハヤカワSF文庫)

 

世の中はネオ・スチーム・パンクなるものが流行りだそうだ。いや、SFマガジンの受け売りですけどね。ハヤカワとしては、ミリタリーSFに続くブームにと目論んでいるのだろうか。

しかし、ネオ・スチーム・パンクは視覚的イメージ先行なので、小説としては、それだけではなかなか難しいだろうなと思う。そうは言っても、新☆ハヤカワ・SF・シリーズの『リヴァイアサン』『べヒモス』なんかは大喜びで読んでいるんだけれどね。

 

この小説は、スチームパンクな世界観とゾンビを組み合わせたアクションもの。なんていっても、ドリルだぜ。ドリルは男の子の永遠のロマン(笑)

時は西部開拓時代。金鉱が眠る凍土を掘り抜くために作ったドリルマシンの試運転でシアトルの街は崩壊し、地下から人間をゾンビ化してしまうガスがあふれ出した。人々はシアトルを壁で覆いゾンビを封じ込めた。しかし、壁の中には今でも、生き生きと暮らす人々が生き残っていた。

ドリルの生みの親を夫に持ち、シアトル退避時の英雄である保安官を父に持つブライアが主人公。彼女の息子ジークは父親の汚名を晴らすため、単身壁の中へと入りこんでしまう。そして、ブライアも息子を追って壁の中へ侵入する。

そこで出会った人々は、ドクター・ミンネリヒトと名乗る発明家に支配されていた。ミンネリヒトの正体とは、ブライアは無事ジークをつかまえられるのか、すべてはブライアの冒険にかかっている。

スチームパンクでゾンビな世界を構築するために、歴史的、科学的設定はいろいろ練られていて、著者にとってはそれこそが大事な部分らしい。しかしながら、その設定が面白さに直結しているかというと、そういうわけでもなく、やっぱり、いかにしてスチームパンク的な雰囲気を醸し出すのかとういう部分にこそ面白さがある。

そうなると、設定の緻密さというのは著者の自己満足になってしまうのだけれど。しかし、この物語をファンタジーではなく、SFとしてつなぎとめている部分もその設定の緻密さにあるわけで、SFファンとしてはそこにも注目したい。

で、感想はどうなのさというと、ミンネリヒトの正体と、ブルーの最期がなかなかひねくれているなと思った。それだけ。

これはたぶん、アメリカ人の好きな家族の話なんだろうと思うけれど、なんとなくノレないのはなんでだろう。ジークが15歳というわりに子供っぽ過ぎてアホ過ぎるというのが一番の問題かな。その年なら、逆に母親を救けにいけよ、男なら。

そして、家族の話で言うと、ブライアとジークの親子関係と、アンジェリンと息子の親子関係の対比も興味深い。けっきょく、ジークが必要以上に子供っぽく描かれているのは、いつまでたっても子供は子供ということを強調したかったがためなのかもしれない。あくまでも、主人公は母親なのだ。

 


[SF] 連環宇宙

2012-06-30 16:29:50 | SF

『連環宇宙』 ロバート・チャールズ・ウィルスン (創元SF文庫)


『時間封鎖』、『無限記憶』に続く3作目にして完結編。

自分のブログでは『無限記憶』は肩すかしだったと感想に書いてあるけど、実はほとんど記憶にない。読み直した方が良かったのかもしれないけれど、これを読むには何の問題もなかった。

舞台は時間封鎖が解かれた後の地球。巨大アーチによって他の惑星世界と次々につながって連環を成す世界。しかし、文明文化水準はほとんど今と変わらない。二、三十年後だしな。

そこに現れた少年が自動筆記で書き記すノートには、数万年未来の世界の様子と、地球の最期が描かれているのであった。

ということで、封鎖解除後に連環世界から新たな石油資源を手に入れて、さらなる温暖化へ驀進する地球と、その数万年後にすべての生命体が死滅した地球の二つの未来が交互に語られる。

この少年は何者なのか、地球は本当に滅びるのか、そして、地球を封鎖し、連環宇宙を創りだした神とはどんな存在なのか。

『時間封鎖』からの数々の謎の答えはちゃんとここにある。


少年が狂人かもしれないという可能性を残すことで、ノートに描かれた地球の最期が真実かどうか、神の意図が真実かどうかは敢えて曖昧にされてしまっている。しかも、たとえ真実だったとしても、タイムパラドックスが発生して未来は変わっていくはず。このあたりの思考実験もおもしろい。

それ以上に、神の正体と、地球を封鎖した目的というのが興味深い。ありがちと言ってしまえばそうなのかもしれないが、おそらくキリスト教文化圏の人たちにとっては、我々日本人よりも衝撃的なんじゃないだろうか。

神の在り方や、エネルギー政策の未来、人類の未来について、著者の皮肉な考え方がいろいろな場面で垣間見えて、ちょっとにやにやしながら読んだところもあった。

壮大で壮絶なことが起こっている割には、落ち着いた静かな語り口調が独特な雰囲気を生んで、ウィルスンならではの雰囲気を作っている。そして、物語の最後に開かれた未来、変わるべき未来を提示することによって、希望がもたらされるラストにはSF的な感動を覚えた。

 


鎌倉よ何故 夢のような虹を遠ざける

2012-06-30 16:01:31 | Weblog

先週は鎌倉なんぞに行ってきました。

甘く見ていて、行きも帰りも渋滞に引っかかったり、高速の入り口でケーサツ屋さんにつかまって1点取られたり(後部座席シートベルト未装着)、なんだかいろいろあったけど、なかなか楽しかったです。

あじさいって、色も形も様々でちょっと興味深い。やっぱり人為的な交配だと思うんだけど、遺伝子操作(笑)じゃなくって、こういうことができちゃうんだ。

 

 

 


[コンサ] 2012 J1 第15節 札幌 vs G大阪

2012-06-30 14:42:21 | コンサ
2012年 J1 第15節 コンサドーレ札幌 0-4 ガンバ @スカパー


リーグ17位と18位の裏天王山。実力差は歴然とはいえ、なんだかんだ言っても、ガンバに勝てるチャンスは今しかないかもしれない。なんて思ってましたよ、わたしも。

実はこの日、どうしても臨出しなきゃならなくて、リアルタイムでは見られなかったんだけど、帰宅するときにtwitterで結果を知ってがっかりでした。見られないときに勝っちゃったら、ジンクス的にどうしようと悩んでいたのだけれど、まったくの杞憂でした。


代表選期間明けのリーグ再開時から、ベテラン中心の布陣になったけれども、失点時にも仕方がないかという淡白な感じが多くなってしまった気がする。そうならないように抑えるのがベテランの仕事なんじゃないかと思うんだけど。特に前半、3点目が入るまで、負けてるチームの戦い方には見えなかった。

やっぱり、札幌に来るような選手には、それなりの理由があるんだということですかね。技術的な面や体力的な面だけじゃなく、精神的にも。前半で札幌の時間帯と言えるのは前半10分過ぎに一度いい形があった以外は、すべて3失点後の終了間際。3失点して初めて目が覚めるだなんて、遅すぎるだろ。


1失点目は遠藤のコーナーキックから、ボールがパチンコ玉状態でポンポンと跳ね返ってのゴール。一つ目でなんとかはじき返したかった。

2失点目は豪快なミドルシュート。中盤のプレッシャーが形式的で、とりあえずこれくらいやっておけばいいかという感じに見えてしまう。

3失点目は遠藤のフリーキック。杉山は予期してたはずなのに反応が遅れて届かず。思ったよりもシュートスピードが速かったのか。

4失点目は後半ロスタイム。右サイドから崩されて、後ろから上がってくる選手を誰も見てない。前がかりになってカウンターを喰らうならまだしも、ロスタイムにこれは無い。集中力が保てていなかった。


大阪はビルド一辺倒だけじゃなくって、カウンターも鋭くて、どうして17位なのかわからない。まぁ、うちのディフェンスがしょぼすぎるのかもしれないけど。

岡山は悪いけど、やっぱりベンチ要員じゃないかと。マーク外したり、振り切られたりすることが多すぎる。杉山はビッグセーブもあったけれど、何でもないボールで危なっかしい場面もあり、信頼感はまだまだ。やっぱり最終ラインから後ろに怪我人が多いと、守備は安定しない。

攻撃では、マイボールになってからの一発目のパスにミスが多くて、もったいなさすぎる。そして波状攻撃を喰らう、と。

後半、大島にボールが入るようになったのは、ロングボールの競い合いではなく、足元のボールが多くなったせい。なおかつ、少し下がり気味の位置で捌けるようになったのは周囲の押し上げもあり、大島が最前線ではなくなるようになっていたせい。これはジオゴの時から同じ。石崎式ワントップがうまくいくのはこの形しかないのだけれど、それを選手が分かっていないのか、わかっていてもできないのか。

良かったと言えば、古田、宮澤、上原と、攻撃のキーマンが怪我から復活してきたことぐらいだろう。彼らが入ってからは面白いシーンが多くなった。まぁ。相手に遠藤がいなくなったこともあるんだろうけど。

それにしても、河合のイエロー4枚目は痛い。次節の鳥栖戦は芳賀に頑張ってフル出場してもらわなければいけなくなった。


ただでさえ、見劣りするメンバーで怪我人が相次ぐとチーム崩壊に至るのはある程度仕方がないが、ここをしのがないと、本当にゲームオーバーになってしまう。7月の補強にどの程度期待していいのかわからないのだけれど、スーパースタークラスが入ってこないと、チームを変えるというところまではいかないような気がするんだよな。J1のサブメンバーくらいじゃ焼石に水。ブラジルのトップリーグのレギュラーくらいじゃないと。もちろん、それには資金が足りず、夢のまた夢か。


松島や ああ松島や 松島や

2012-06-17 23:59:59 | Weblog

仙台戦ぼろ負けの傷心を抱えながらも、どうせならということで一泊して松島へ。

週間的予報じゃ雨だったはずなので覚悟していたのだけれど、予想に反して青空が見える天気に。返って、暑すぎるわい。

松島って、海に浮かぶ島がきれいなんだよね……。えーと、牡蠣とウミネコしか覚えてませんw

そういえば、twitterで似たようなルートで行動してるコンササポがいたので、探してみたらいました、ショルダーバッグに赤黒のタオマフ巻いてる人が。リアル世界では挨拶しない。それがネットのルールww

またどこかで会いましょうね。

 

 


[コンサ] 2012 J1 第14節 仙台 vs 札幌

2012-06-16 23:59:59 | コンサ

2012年 J1 第14節 ベガルタ仙台 4-1 コンサドーレ札幌 @ユアテックスタジアム仙台


部長直々の臨出要請を振り切って参戦した仙台。俺の気持ちはお星さまには届かなかった。やっぱりお前ら、仙台の味方か。


この日、お披露目された新曲は『Do The Hustle』。ファンク・ザ・ピーナッツの『太陽にくちづけを!』でも有名。

札幌やられたら 札幌やりかえせ 札幌やるなら 札幌いましかないぜ ララララ……

赤黒の風船にビッグフラッグ、SAPPOROタスキ。俺たちにアウェイは無いとばかりに、ゴール裏の演出を続けてくれるUSのみなさんにはいつも感謝しています。

しかし、これだけゴール裏が盛り上げてくれているというのに、試合のしょぼいこと。

 


試合序盤から、押し込まれるとすぐにボランチがディフェンスラインに吸収されて、1ラインになってしまう。マイボールの時の押上げも無い。試合序盤の失点を恐れてDFが下がり過ぎた感じ。やっぱりSBが絞るので、サイドが空く。このスペースをどうするつもりなのかが見えない。この試合でもここを使われている。

前半8分ぐらいの波状攻撃はよかったのだけれど、残念ながら単発に終わる。こうやって前から行けばチャンスが生まれるんだが、いかないのはなぜなのか。札幌の選手は判断が遅いのか、単純に頭が悪いんじゃないかと疑ってしまう。


しかし、30分までは悪くなかった。序盤をしのぎ切って余裕が出たのかもしれない。それにしても雑なプレーでボールを失うことも多くて、もったいない。

大島に競わせるのはいいのだが、周りにこぼれ球を拾うためのサポート選手がいないのはどうしたことか。ジオゴにしろ、前田にしろ、1トップがうまくいったときは、1トップに当てるのではなく、1トップの選手が器用に動いてマークを外す動きをした時だった。石崎式1トップはそういうプレーじゃないと成り立たないのじゃないか。


前半ロスタイムに失点。岡山が滑ったのがきっかけ。こういう事故がらみの失点が多くて、やっぱりツキも無いと思う。柳沢のヘディングも外れてたのに、山本に当たってのゴールだったし。

Jリーグ初先発のGK杉山は当たっていた。やっと本調子になってきたということか。

前半、シュート10-4、それ以上に、CK8-0という差が大きい、なんども右サイドをえぐられて、ピンチをしのいでもコーナーキックに逃れるのがやっと。しかし、これが後半への布石になってしまう。


後半は開始早々に右サイドを破られて、今度は柳沢のどんぴしゃシュート。警戒しながらの前半の立ち上がりに比べ、追わなければならない後半は前から行ったせいでDFラインが崩れてしまった。

その直後に仙台のクリアミスでオウンゴール。これで雰囲気が変わってくれれば良かったのだが……。

しかし、コーナーキック崩れから、右サイドからのクロスをヘディングで決められ、3失点目。その後、また何度もサイドをやられる。またかよと言う感じ。
さらに、プレッシャーもかからなくなって、いいようにやられるようになってしまった。

それもあって、キリノ、芳賀を投入。しかし、その芳賀は左サイドバックなんだか、それとも河合が下がった3バックなんだか、よくわからない変則的な感じのシステムへ。(監督インタビューでは3-5-2)

キリノもどうやって攻撃に絡むのかがよくわからない感じ。裏に抜けたいのか、足元に欲しいのか、まったくわからない。相手ボールのときにチェイスしているのはわかるが、マイボールになると行方不明とはどういうことか。

そして、右コーナーからまたヘディングで失点。

どんどんプレッシャーがかからなくなって、ボールを回され放題。よく後半3失点で済んだという感想だが、それで済んだのは杉山のがんばりのおかげ。

DFの立て直しが必要なのは誰が見てもはっきりしていると思うんだけど、ほかに人がいません。やっぱり山下の移籍は痛かった。7月の補強は山下出戻りでもいいんじゃないか。まぁ、ありえないと思うけど。

 


[映画] ダーク・シャドウ

2012-06-10 23:57:40 | 映画
『ダーク・シャドウ』 - goo 映画



(C)2012 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED


ティム・バートン監督、ジョニー・ディップ主演のホラーコメディ。

と思ったら、予想以上にラブストーリーな感じで、男一人で行くには場違いだったかも。実際、周りは女子グループとカップルばっかりだったよ。

とにかく、主人公のバーナバスを憎みながらも愛する魔女アンジェリークのひねくれた愛情と、それにこたえられないバーナバスの葛藤が悲しい。


しかしながら、1960年代のTVドラマをリメイクしたとあって、エピソードがかなり割愛されているためか、ストーリーはとっ散らかった感じでいまいち。ちゃんとストーリーを描き切るには、あと3倍くらいの時間が必要じゃないのか。

肝心のヴィクトリアの物語がばっさり切られていて、精神病院の回想は如何にも唐突で、さらには最後のシーンでどうして岬から身を投げようとしたのかもさっぱりわからない。

他にも、娘のキャロリンにもびっくりだ。

都会にあこがれる反抗期の田舎娘というウザイけれども、ある意味ちょっといじらしいキャラクターで、エロかわいくてちょっといいかと思ったのだけれど、そんな秘密を持っていたとは。そりゃ、グレるわ。

そんな感じで、200年の眠りから目覚めたバーナバスを迎える家族4人はすべていろいろな物語を持っているにもかかわらず、すべてアンジェリークに喰われて霞んでしまっているうえに、最初っから薄くしか描かれていない。これならば、バーナバスの家族の物語というよりは、アンジェリークとの愛の物語としてちゃんと語り直した方が良かったんじゃなかろうか。


もうひとつ触れなければならないのは、物語の舞台となる1972年という文化、風俗。狙ったのか、ドラマのリメイクとして必然なのか、60年代から70年代のファッションや音楽が前面に押し出されている。これが懐かしいような新鮮な感じでおもしろい。

きっと、70年代ファッションが一周回ってファッショナブルな感じに受け入れられている現状にうまくマッチしているのだろう。そういった意味では、これは音楽とファッションを楽しみつつ、ジョニー・ディップにキャーキャー言いながら観るのが正しい映画なのだね。


[SF] SFマガジン2012年7月号

2012-06-09 17:51:34 | SF
『S-Fマガジン 2012年7月号』 (早川書房)




特集「スチームパンク・レボリューション」。

最近はやりの“ネオ・スチームパンク”というのは、かつての“スチームパンク”とは違うのだそうだ。「かつての」というのは、パワーズ、ブレイロック、ジーターといったあたりのことを指すようで。

たしかに、俺もあの辺はそんなに乗れなかったんだよね。だけど、ギブスン&スターリングの『ディファレンス・エンジン』や、山田正紀の『エイダ』なんかは、格好良くて、ちょっと不思議な感じがして好きだった。

そんな中、インタビュー記事では「スチームパンクはファッション」とか、「新しい神話」なんていう発言が出てきて、なるほどと思った。スチームパンクは確かにSFのサブジャンルから始まったが、それを形式付けるものは、SF的テーマでもなんでもなくって、ビクトリア朝的なファッションだったり、バベッジやバイロンといったキャラクターだったりするのだ。

そういう意味では、19世紀的なファッションや、ゴテゴテした作りの蒸気機関は俺も大好きだったりする。やっぱり、未来的な継ぎ目のない流線型よりも、ボルトやリベットが見えるメカメカしい感じの方が燃えるぜ。

しかし、そういう部分は視覚的なものなので、挿絵付きのラノベや、コミック、映画といった分野の方が親和性は高いのかもしれない。確かに、俺も映画の『三銃士』を観たときに、スチームパンクじゃんと思ったし。

ただ、特集として収録されている読み切り短編小説はどれも今一つな感じ。やっぱり、ファッションだったり雰囲気だったり世界観だったりを楽しむためのエンターテイメントなので、短編小説という手法ではそれらが伝わり切らない部分があるような気がする。

ビジュアルだとひと目で伝わる部分が伝わり切らない難しさというのを例示してくれる分野であるわけだな。




○「マッドサイエンティストの娘たち」 シオドラ・ゴス
 フランケンシュタイン、モロー、ラパチーニ、ジキル、ハイド、レイモンド。タイトル通り、ゴシック小説に登場するマッドサイエンティストの娘たちが集まったらという小説。スチームパンクの登場人物がギリシャ神話のように固定キャラクターで描かれるという部分の好例。短編としては一発ネタ的だが、シリーズ化するとそれなりに面白いかも。

△「リラクタンス -寄せ集めの町」 シェリー・プリースト
 長編の中の一エピソードといった感じ。『ボーンシェイカー』がシアトルの一画という限られた地域であるのに対し、それが南部にまで広まっているという設定なのか。それがわからないと、怖さも伝わらない。

○「銀色の雲」 ティム・プラット
 これも長編の一部分といった感じ。銀で縁取られた雲というのは童話的でおもしろいし、その銀を取り過ぎたら雲が無くなって砂漠化するというのも寓意的でおもしろい。

△「ぜんまい仕掛けの妖精たち」 キャット・ランボー
雰囲気だけの作品なのか、深い意味があるのか、いまひとつよくわからない感じ。

△「河を下る旅」 ロバート・F・ヤング
なぜか特集外で収録されているヤングの作品。まぁそれなりのヤング(笑)

△「ストーカー・メモランダム」 ラヴィ・ティドハー
主人公の名前が一発ネタになっている。なんだかいろいろおかしな世界。ネオ・スチームパンクというより、ラブクラフト系?

△「奇跡の時代、驚異の時代」 アリエット・ドボダール
電車の中でぬぼーっとして読んだので、さっぱり意味が分からなかった。