神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

「「神舟7号は捏造」は捏造」問題

2008-10-01 22:46:10 | SF
松浦晋也のブログ(http://smatsu.air-nifty.com/)が大炎上していてワロタ。

中国の有人宇宙船神舟7号が軌道上で船外活動を行ったビデオについて、「中国のことだから、どうせ捏造だろう」と騒いだニコ動住人を、松浦晋也が「このっ、バカ共が!」と一喝したのが始まり。

五輪CG、五輪口パク、毒餃子、毒米と不祥事を続ける中国に対して、「また捏造だろ」という感想は、科学リテラシーの低い人々にとっては当然に思える。炎上はそういう空気を共有できなかった科学ジャーナリズムの問題と捉えるべきなんじゃないだろうか。

松浦さんがすべきだったのは、“バカ共”を一喝することでも、馬鹿にすることでもなく、冷静に捏造説の矛盾点や誤認ポイントを説明することだったはず。二日後の今はその方面に転換しているんだけれど、ブログを掲載した当時は頭に血が上って、そこまで気が回らなかったんだろうか。

それより何より気になっているのが、自らニコ動小説すら書いている野尻抱介の“バカ共”を馬鹿にしきった態度。あれは松浦さん擁護じゃなくて、ただの煽りでしょ。

科学ジャーナリスト、およびSF作家(特に宇宙SF作家クラブ会員)は、どうすれば“科学リテラシーの低い人々”にリーチするかを考えようよ。昨今の理系離れだって、理系を選択した果てにはロマンじゃなくて7K(底辺のIT土方から、頂点近くの勤務医までそうだ)が待っているっていうことが原因でしょ。彼らを馬鹿にしているだけで味方につけないと、科学振興予算は永久に増えないってことをちゃんと理解してるんでしょうか。特にお前だ、野尻抱介!

SFマガジン考課表2008年10月号

2008-10-01 22:07:13 | SF
SFマガジン考課表2008年10月号

……もう11月号が出ちゃったけど。

「《新しい太陽の書》読本」と「野田昌宏 追悼」の特集二本立て。
これは永久保存版です。

ウールス地名人名事典は再読時に絶対必要。
野田昌宏エッセイコレクションは涙無しには読めません。
本当に惜しい人を亡くしたという思いを強くします。


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『地図』 ジーン・ウルフ
+1.0
これだけ読むと、運命は巡るというか。記憶力が良ければ、「ああ、あの時の」という感動が。

『葉と花の帝国』 ジーン・ウルフ
+1.5
タイトルの意味が今わかった(←阿呆)

『レモン月夜の宇宙船』 野田昌宏
+2.5
もう、懐かしさで死にそう。「付属出身」なんて言葉からもうダメ。
なんであの頃に読んだ本はこんなに覚えているのに、最近の本は読み終わる頃に冒頭を忘れているんだろう。
野田さんは賀寿羅老になりたかったんだろうなと思うと、また泣けてくるぅ。

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実は今回の読み切りはこれだけ。
それでも充実した一冊でした。

『レモン月夜』は今年一番の得点でも、読者賞対象外ですよね。

それにしても、野田昌宏をはじめ、星新一、光瀬龍、矢野徹、福島正実、小松左京(まだまだ元気)と、SF第一世代は曲者揃いだよな。SFなんて言葉を日本人が誰も知らない頃に飛びついたのだから、変人なのは当たり前なのだけれど。

最近のSF作家だと、田中啓文と田中哲弥は区別がつかない、ってのは冗談としても、野尻抱介と林譲治と小川一水は作風が被って、区別がつかないんじゃないかと思う。でもこれって、おニャン子クラブの初期は個性があったとか、モーニング娘。は一期が一番個性があるとかと同じ問題だったりして。



最後に一首。

ゴダードのエンジン音は轟きて 大元帥は月へと発てり