さっきまで大声で泣いていた女は、狸のようなメイクになった顔をレースのハンカチで拭きながら、キョトンとした目つきで壷を見つめた。
「陰陽のバランスが取り戻せると、彼氏が戻ってくるかもしれませんね」
ラメの紫服男がさりげなく言った一言に、女はピクリと動いた。
「お・お幾らかしら?」
女は左手で顔のハンカチを押さえたまま、右手でハンドバックの中の財布を探し始める。
「そんな・・お金なんていりませんよ。悪徳霊感商法じゃあるまいし・・・、まあ、ただで差し上げるのもなんですから、お貸しするということでいかがでしょうか。どうぞお持ち帰りください。」
女のハンドバックを探る手が止まった。
「え、、よろしいんですの?」
「はい。ただ先ほどお話したように、この壷は気を溜めるだけなんです。ですからやがては気でいっぱいになり溢れてきます。そうなりますと、もう壷は役に立たなくなります。」
「はぁ・・」
「ですが、ご心配は無用です。その時は、またこちらにお持ち下さい。新しい壷と交換いたしますので。お持ちいただいた古い壷は、道師さまが念を送り、いっぱいになった余分な気や邪気を浄化させ、また使えるように精錬します。」
「そうなんですか・・」
「陰陽のバランスが取り戻せると、彼氏が戻ってくるかもしれませんね」
ラメの紫服男がさりげなく言った一言に、女はピクリと動いた。
「お・お幾らかしら?」
女は左手で顔のハンカチを押さえたまま、右手でハンドバックの中の財布を探し始める。
「そんな・・お金なんていりませんよ。悪徳霊感商法じゃあるまいし・・・、まあ、ただで差し上げるのもなんですから、お貸しするということでいかがでしょうか。どうぞお持ち帰りください。」
女のハンドバックを探る手が止まった。
「え、、よろしいんですの?」
「はい。ただ先ほどお話したように、この壷は気を溜めるだけなんです。ですからやがては気でいっぱいになり溢れてきます。そうなりますと、もう壷は役に立たなくなります。」
「はぁ・・」
「ですが、ご心配は無用です。その時は、またこちらにお持ち下さい。新しい壷と交換いたしますので。お持ちいただいた古い壷は、道師さまが念を送り、いっぱいになった余分な気や邪気を浄化させ、また使えるように精錬します。」
「そうなんですか・・」
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