鴨着く島

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瑞穂の国の田園風景

2022-07-29 08:46:17 | おおすみの風景
早期米がたわわに実り時を迎えている。

鹿屋市の吾平町西目川路地区の早期米地帯では、もうズシリと実の入った穂が垂れていた。



品種は聞いていないが、吾平町で推奨されているイクヒカリだろう。コシヒカリの改良種である。「冷めても、もっちりイクヒカリ」というようなキャッチフレーズで、冷めてもおいしいそうな。(冷や飯食いにはもってこい?)

今年は梅雨が短く、その分日照時間が確保できたので実入りは多いようだ。何にしても稲穂が垂れているのを見ると、ああ日本の秋だと心が落ち着く。もっとも早期米は夏に刈り取るので、収穫時に台風が来なければよいがと、若干気を揉むことはもむ。

実際その台風が南海上に発生しつつある。発生すれば台風5号だ。向かう先はどうやら奄美諸島らしい。

7月初旬に沖縄を通り抜けたのは台風4号だったが、あれは異常に早かった梅雨明け後の日本列島に雨をもたらしてくれた。勢力は1000ヘクトパスカル程度のままだったので、風による被害はほぼゼロだった。

台風5号も通り抜ける場所が沖縄から奄美に北上しただけで4号と同じように勢力は弱く、ほどほどに雨を降らしそうだ。

早期米の収穫に若干の遅れは出るだろうが、収穫量そのものに影響はないだろう。普通米にとっては恵みの水分補給だろう。

ところで新聞報道では、22年産米の生産高の推定が出ていたが、それによると673万トンだそうである。この数字が「需給安定」要するに過不足なしの数値だという。

ところがこの数値は55年前の1967年産米1445万トンの半分である。あの時代、日本人は平均して一年間に約120キロくらいの米を食べていたのだが、今やその半分の60キロにまで落ち込んだことになる。

現在は「減反政策」は無く、「生産調整」という名の自主的な減反になっているが、日本の全水田面積270万ヘクタールうちの飼料用米生産への転用が比較的うまくいっており、それが需給調整に寄与しているらしい。

せっかく切り開いた水田の耕作放棄をこれ以上増やさないためにも、水田の他作物への転用は喫緊の課題だ。

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