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鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

ウソのような・・・(2025.04.01)

2025-04-01 11:33:12 | 災害
4月に入ったが、相変わらず寒さが続く。

一昨日から連続して朝の気温が5℃前後だ。「花冷え」という季語の通りになった。

満開に近かったそこここの桜も、この寒さを受けて足踏みしている。

桜もこの天候不順には「ウソ」と顔をしかめているようだ。


今朝の新聞一面に内閣府が発表した最新の「南海トラフ地震による被害想定」が載ったが、死者は29万人で2012年の想定より3万人減ったが、被害額は292兆円だそうで、これは60兆円ばかり増加した。

資材関連の高騰を受けての増加だが、この額は国家予算の3倍近い。一年間500万円で暮らしている家族が1500万円のサギ被害に遭ったような塩梅だが、金額が大き過ぎてピンとこない。

その他に災害関連死が3万から5万人は出ると見積もっている。

何でも桁違いだ。これに例の「首都直下型大地震」が重なったらどうなるのか。

一時大流行したあの小松左京のSF「日本沈没」はないだろうが、首都圏だけを見れば、人は首都圏域には住めなくなるのではないだろうか。

とにかくこういった自然災害に弱いのが首都東京だからだ。

その東京において地方の若者の流入に拍車がかかっているという現象を見ると、首を傾げざるを得ない。わざわざ窮地に向かっているように見えるからである。

その真反対に地方は人口減少による疲弊感が大きい。人手がとにかく足りない。

かつてはそれを補う中国人が多かったが、いまや東南アジア人にシフトし、ベトナム、インドネシア、ミャンマーなどから続々と若い労働力がやって来ている。鹿児島県内ではその数1万4千人だそうで、労働人口の1パーセントを占めている。

首都圏に出た地方の若者が不幸にして大震災の犠牲になったら、こういった地方に働きに来ている東南アジア人に希望を託すしかないのだろうか。

しかしそれも国家予算の3倍近い被害金額が発生したら、産業経済は大打撃を受け、国の財政も破綻するだろうから、彼らは母国に帰ってしまうに違いない。

万事休す――とならないような大災害回避の方途は、東京圏一極集中を是正することしかないと思う。

首都圏域に集積固定した産業構造はなかなか変えようがないが、人には流動性というものがある。

幸い日本列島沈没はないようだから、狭いとはいえ日本には安全な場所は幾らでもある。故郷回帰が最も手っ取り早いが、案外、帰りにくい事情もあるようだ。もうどこでもいいではないか安全ならば――と開き直ろう。

南海トラフ地震・首都直下型地震・富士山の大噴火は、現実にここ10年以内に起こり得ると想定する地震学者が多くなっている。

天災は忘れた頃にやって来る――という格言を常に念頭にいれ、それが起きた時に「ウソ」「ウソだろう」と歯噛みをして天を仰ぐことのないような備えをしておかなくてはなるまい。

政府には石破首相の公約である「防災省」の設置と、各省横断的な機動的な体制づくりを何を置いてもやって欲しいと思う。中国を念頭にしたアメリカ由来の防衛戦略に腐心するより、国家防災に全力を挙げるべきではないだろうか。


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