私の前に、こっしーがのんびりとカヌーを漕いでいる。
やがて瀬が近づき、ゴーゴーと轟いている瀬にこっしーが挑む。
しかし、あえなく沈をした、こっしー。
こっしーが助けを求めている・・・何かあったのか?
私は急いで飛び込もうとしたが、あまりの冷たさに二の足を踏む。
冷たい・・・冷たい・・・
なんだこの冷たさは・・・
ここで目が覚めた。
テント内に浸水発生・・・しまったぁ・・・
急いでテントから顔を出すと辺り一面の水たまりだ。
急いでテント設営したからなぁ。
窪んでいる場所だけ避けて張ったが雨の量が凄かったんやなぁ。
ペグを抜いて移動させるか?いや荷物が多すぎる・・・荷物を下敷きにしてとりあえず朝を待とう。
ガタガタガタ・・・寒い・・・ガタガタガタ・・・寒い・・・ガタガタ・・・あかん死ぬぞ
テントの入口を半分開けてバーナーを弱火にして暖をとり日が登るのを待った。
暗闇が薄れて来たので下山の準備に取り掛かる。
ドライな服は替えのTシャツと替えのパンツとタオルのみ。
とりあえずテント内でパンツとTシャツに着替えその上から合羽を着た。
下山するならトン西か、バス停に近いのは国道169号線の方だが朝と夕方しかバスが無い。
一方、距離はあるが天川川合まで歩けばバスは8便位あるはず・・・よし天川川合まで歩こうと決めた。
不要な水を捨てたのにザックは重量級の重さがあった。
濡れたテント、寝袋、服・・・どれもが重さを増しており辛い。
おまけに合羽では上手に骨盤で支えられない・・・どうしても肩に負担が掛る。
出合からトン西へは急な下りでしかも地面はドロドロで歩きにくい。
最近出来たトレイルは雨に弱い、急斜面の多いトン西ルートでは尚更だ。
何度かのアクシデントを乗り越え無事にトン西口に降りれた。
トン西口で携帯が通じれば川合のタクシーを呼ぼうとしたが、やはり圏外だった。
やはり天川川合のバス停まで4時間位掛けて歩かないといけないのか?
歩き始めはまだ良かった。
渓谷美が綺麗だったし体力・気力共にあった。
しかし、大川口を過ぎた頃から雨が止み時折、日が差し込んできた。
暑い・・・蒸れる・・・暑い・・・蒸れる・・・
合羽を脱ぐかどうしようか悩んでいると向こうからタクシーが登山客を乗せてトン西の方へすれ違った。
これは帰りに乗せてもらえるかもしれんぞ
そして期待通りにタクシーに乗せてもらい天川川合へ向かった。
こうして15時には阿部野で呑む事が出来た。
今回は縦走しようとしたがあえなく敗退となったが得るものも多かったと思う。
この失敗を糧にもう一度挑戦しよう。